stratavarious

世界を股に掛けて活躍するディスコ・サウンド・プロデューサー、アレンジャー/リミキサーの T-Groove。一方で彼は “ディスコ考古学者” と異名を取り、ディスコ・サウンドへの博識ぶりを生かして70〜80年代の隠れディスコ/ブギーの好曲・好作を掘り起こし、再発・CD化に繋げている。直近はULTRA-VYBE / Solid Records と手を組み、ディスコ再発シリーズをスタート。暮れにココでご紹介した LAXなどがその成果だ。そして早くもニッチな激レア4タイトルが、第2弾として復刻された。その中身は、南アフリカ産のブラッシュとルネ・リッチー・アンド・ハー・コズミック・バンド、フレンチ・ディスコのブラック・サンによるガラージ・クラシックのデビュー盤とカナダ・オンリー2ndをパッケージした2枚組、そして上掲、フィラデルフィア・ソウル人脈に連なるストラタヴァリアス、である。

北欧フィンランド出身のパワーメタル〜シンフォニック・メタルの代表的グループに、ストラトヴァリウスというのがいるので、知らないと一瞬たじろぐが、アチラはフェンダーの人気ギター:ストラトキャスターに因んでのネーミング。コチラは言わずと知れたヴァイオリンの名機ストラタヴァリウスから。でもアートワークを見ると、女性の爪先、霞の向こうに見えるのは、何故かハープなんですけど…

仕掛け人は、テディ・ペンダーグラスやジーン・カーンのヒットなどを手掛けた、フィリー・ソウル系プロデューサー/ソングライターのジョン・L.アスリー。ドリフ(志村けん・加藤茶)が踊る<ヒゲのテーマ>の元ネタ、テディ・ペンダーグラス<Do Me>は、この人のアレンジだそうだ。言ってしまえば、M.F.S.B.の向こうを張ったフィリー発信のオーケストラル・ディスコ。流麗なストリングスが空に舞い上がるようなイメージで、女性コーラスとカナダのセッション・マンが弾いているギターが活躍する。プロジェクト名の由来であるヴァイオリンは、あくまでオーケストラの一部として機能。むしろハープの方が目立つくらいだ。アチコチに挿入されるエッチな女性の喘ぎ声に思わず赤面してしまうけれど(←ウソこけッ)、まぁ、77年作らしい時代のサウンドと言える。

かなりマニアな一枚なので、ディスコ好きにはオススメ、という感じだけれど、 T-Grooveはよくこんなの掘り出してくるなぁ〜。彼とは時々情報交換していて、LAXのようにAORの流れが絡む時には問い合わせをもらったりする。彼は制作、自分は音楽ライターと立場は違うが、それぞれの専門で過去のイイ音を次世代に残していきたい、という想いは一緒で、そういう意味では同士と呼べる関係なのかも。ま、酒好きの彼が酔ってカラんできたら、サッサと逃げるが…

…にしても、彼が着手しなかったら日本での再発はなかったと思われるプロジェクト。ブルーノ・マーズやタキシードらのルーツにこういうディスコ/ブギーがあることは知っておきたいもの。まさしくグッド・ジョブです。