stealers wheel


断続的に紹介しているユニバーサル廉価盤再発シリーズ【ロック黄金時代の隠れた名盤 〈1965-1975編〉】から、もう一枚。70年代前半に3枚のアルバムを発表した、スコットランドはグラスゴー出身のフォーク・ロック・グループ:スティーラーズ・ホイール。78年に英米で大ヒットした<霧のベイカー街(Baker Street)>で知られるジェリー・ラファティーと、その同級生ジョー・イーガンが中心のグループといえば、ピ〜ンを来る方もおられようか。

ジェリー・ラファティというと、個人的には、スティーラーズ`・ホイール結成前の1stソロ『Can I HAVE MY MONEY BACK?』で披露した、 “グラスゴーのポール・マッカートニー” と謳われる原因となった英国風味の牧歌的カントリー・ポップ・スタイルに愛着があるのだが、もう少しソウル寄りの音楽性でバンド指向が強いジョー・イーガンとの再会〜チーム・アップで、この72年のデビュー・アルバムが生まれた。結成当初は、のちにソロ・アーティストとして活躍するラブ・ノークス在籍の4人組だったが、中核のラファティーとイーガン以外はすぐに離脱。新たに参加したメンバーと共に、5人組として本作を作っている。もっとも3枚目を出す頃には、元のデュオに戻ってしまうが…。

収録された10曲中2人が共作したのは、英米でトップ10入りして出世曲となった<Stuck In The Middle With You>を含む4曲のみ。それ以外はイーガンが4曲書き下ろしたのに対し、ラファティーは2曲と、ちょっと少なめ。でもプロデュースが、ブルー・アイド・ソウル黎明期のUS名ソングライター・チームであるジェリー・リーバー&マイク・ストーラーと知れば、何となく納得できるか。イーガン作の<I Get By>なんてハンブル・パイみたいだし、<Jose>はフリーをヤワにしたみたい。そうかと思えば、<Stuck In The Middle With You>はクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングにも通じるフォーク・ロック・スタイルで、これを英国フレイヴァーでウェットに仕上げるのが、このバンドの本懐だろう。2人共作の哀愁メロウ<Next To Me>は、極めてAOR的なハーモニーを聴かせる隠れた名曲。

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