
最近はニュー・アルバムが出ても、日本では完全スルーされてしまっているリチャード・マークス。でもヒットが多く、知名度が高いだけに、輸入盤はシッカリ流通するから、それでおおよそコトは足りると思う。でもレコード会社が勝手に組んでいる編集盤ならともかく、アーティスト自身がベスト盤を組んで連発している状況は、傍目にもあまりキモチ良いモノではない。しかも『STORIES TO TELL』というタイトルは、ある種 彼のベスト盤の定番タイトルになっていて、2010〜2011年あたりに同名ベスト盤が複数出ている。これが何ともヤヤこしくて、収録内容が確認できるまでオーダーを躊躇していた。
そもそもの『STORIES TO TELL』は、ヒット曲中心の11曲入りアコースティック・セルフ・リメイク集で、ブルース・ガイチと2人でレコーディングした自主制作盤。これにボーナス・トラックだの、ボーナス・ディスクだのと、手を替え、品を替え、パッケージまで変えて出し直す。でもタイトルだけはそのまま。なーんて妙にこだわったコトをするから、ワケ分からん、になる。いいメロディを紡ぐソングライターだし、ヴォーカルも良いんだけど、もしかしてチョっと面倒なキャラなのか?
以前出ていた『STORIES TO TELL』を簡単に整理してみると、以下の通りになる。
1. 11曲入りオリジナル盤(アコギ・ジャケ)
2. 2010年 Wrasse盤(インシンク、ジョシュ・グローバン、キース・アーバンらへ提供した楽曲のセルフ・カヴァー7曲をボーナス収録)
3. 2011年 Tour de Force / Fontana盤3枚組(disc 2:代表曲の新録バンド・ヴァージョン/disc 3:ライヴ DVD)
そして今年発売された4枚目が、『STORIES TO TELL:GREATEST HITS AND MORE』。これは USで7月初旬に発刊された自伝『STORIES TO TELL』に合わせた2枚組企画で、アートワークは紙ジャケット6パネル仕様。中身は、disc1が上記3の代表曲新録バンド・ヴァージョンに、自主レーベルから出したここ12〜3年のアルバムからの楽曲を追加した15曲入り。キャピトル時代の有名曲は、基本的にオリジナル・アレンジに忠実で、原曲を聴きかじった程度のリチャ・マー入門者にも、あまり違和感はないだろう。でも逆に言えば、大して変わらないのならレコーディングし直した意味は何処にある?
でもそんなモヤモヤを、今回の目玉、disc 2 の貴重音源が吹き飛ばしてくれる。収録されているのは、初期ヒット曲のデモ・ヴァージョン5曲に、未発表ライヴや新録ヴァージョン。<Should've Known Better>や<Endless Summer Nights>、<Right Here Waiting>などお馴染みのヒットのデモは、ごくシンプルなリズム・マシーンにギター、キーボード、ヴォーカルを乗せただけのラフなもの。音質は決して良くないが、アレンジはほとんど完成しており、スタジオ入りする直前のプリ・プロダクションなのが分かる。
でもそれ以上に注目したいのは、デビュー前にケニー・ロジャースと共作してケニーがチャートに送り込んだ好バラード<Crazy>と、ルーサー・ヴァンドロスと共作したグラミー受賞曲<Dance With My Father>。いずれ最近の録音で、リチャード自身が歌うヴァージョンは初めてじゃないかな? しばらく大きなヒットが出てないが、こういうバラードを聴くと、やはり彼は天下一品のメロディ・メイカーだと再確認。スタジオ・スタッフとして最初に若きリチャードを手元に置いた名匠デヴィッド・フォスターが、その才能を見出せないまま、長いコト飼い殺し状態にしていたのが、ちょっと信じられない思いだ。
以前出ていた『STORIES TO TELL』を簡単に整理してみると、以下の通りになる。
1. 11曲入りオリジナル盤(アコギ・ジャケ)
2. 2010年 Wrasse盤(インシンク、ジョシュ・グローバン、キース・アーバンらへ提供した楽曲のセルフ・カヴァー7曲をボーナス収録)
3. 2011年 Tour de Force / Fontana盤3枚組(disc 2:代表曲の新録バンド・ヴァージョン/disc 3:ライヴ DVD)
そして今年発売された4枚目が、『STORIES TO TELL:GREATEST HITS AND MORE』。これは USで7月初旬に発刊された自伝『STORIES TO TELL』に合わせた2枚組企画で、アートワークは紙ジャケット6パネル仕様。中身は、disc1が上記3の代表曲新録バンド・ヴァージョンに、自主レーベルから出したここ12〜3年のアルバムからの楽曲を追加した15曲入り。キャピトル時代の有名曲は、基本的にオリジナル・アレンジに忠実で、原曲を聴きかじった程度のリチャ・マー入門者にも、あまり違和感はないだろう。でも逆に言えば、大して変わらないのならレコーディングし直した意味は何処にある?
でもそんなモヤモヤを、今回の目玉、disc 2 の貴重音源が吹き飛ばしてくれる。収録されているのは、初期ヒット曲のデモ・ヴァージョン5曲に、未発表ライヴや新録ヴァージョン。<Should've Known Better>や<Endless Summer Nights>、<Right Here Waiting>などお馴染みのヒットのデモは、ごくシンプルなリズム・マシーンにギター、キーボード、ヴォーカルを乗せただけのラフなもの。音質は決して良くないが、アレンジはほとんど完成しており、スタジオ入りする直前のプリ・プロダクションなのが分かる。
でもそれ以上に注目したいのは、デビュー前にケニー・ロジャースと共作してケニーがチャートに送り込んだ好バラード<Crazy>と、ルーサー・ヴァンドロスと共作したグラミー受賞曲<Dance With My Father>。いずれ最近の録音で、リチャード自身が歌うヴァージョンは初めてじゃないかな? しばらく大きなヒットが出てないが、こういうバラードを聴くと、やはり彼は天下一品のメロディ・メイカーだと再確認。スタジオ・スタッフとして最初に若きリチャードを手元に置いた名匠デヴィッド・フォスターが、その才能を見出せないまま、長いコト飼い殺し状態にしていたのが、ちょっと信じられない思いだ。