kool & the Gang_021

クール&ザ・ギャングといえば、創設メンバーのひとりであるサックス奏者デニス・トーマスを、8月7日に亡くしたばかり。彼らは昨年9月に中核ロナルド・ベルも失っており、この7月からコロナ禍を押してようやくツアーを始めたところだった。そしてそのデニス・トーマスの訃報と入れ替わるように届いたのが、何と14年ぶりとなるオリジナル・ニュー・アルバム『PERFECT UNION』である。

ライヴ・バンドとしてアクティヴに活動する一方で、作品的にはジェイムス・J.T.テイラーが脱退した80年代後半以降、パッとしたアルバムを残せていない彼ら。ちょっと不安な気持ちでプレイヤーにセットしたが、これは意外によくまとまっていて。

確かに70年代のジャズ・ファンク期のような勢いも、J.T.テイラー加入後の華やかさもココにはない。でも現シンガーのウォルト・アンダーソンの歌いクチが、小振りながら親しみやすく、耳に不思議な余韻を残してくれる。サウンド的には、ちょっと昔のアース・ウイン&ファイアーっぽいテイストがあって、思わずニヤリ。ラップを導入した曲もあるが、作品全体を覆うオールド・スクール感が、往年のファンを和ませてくれる。かつての栄光を思い求めて、無理に現行シーンにコミットしようと試行錯誤を繰り返すより、おおらかなファンクを自然体で演ってくれた方がファンには喜ばれるはずだ。

シルク・ソニックの登場に感化されて…、というタイミングでもないと思うが、そういう予兆や空気感に触発された部分はあったのかも。それこそ、何だかオレたちの時代がまた来そうぢゃ〜ん…、みたいな。穏やかにメッセージを乗せたリード曲<Pursuit Of Happiness>なんて、ちょっとデバージっぽくてウルッとしてしまう

正式メンバーとしてクレジットされているのは、ロバート・クール・ベル、ロナルド・ベル(Khalis Bayyan)、ジョージ・ブラウン、デニス・トーマスの4人。そのうち2人がアルバム制作中/完成直後に天に召したワケで。でもきっとクール・ベルが健在な限り、バンドは存続するのだろう。全盛期を知っていると、些か地味に聴こえるニュー・アルバムだけど、その耳には優しく馴染む。