これが10年ぶりの本邦2作目ながら、キャリアは既に20年以上。しかもポール・マッカートニーやアリスン・クラウス、アヴィーチーらと共演し、ロギンス&メッシーナの再会ツアーにも同行した実力派だ。そして今では、あのテデスキ・トラックス・バンドに加入し、『LAYLA REVISITED』にも参加していると知れば、誰もがビックリするだろう。ゲイブ・ディクソンにとって5作目となるこのソロ・アルバムには、エルトン・ジョンからビリー・ジョエル、ベン・フォールズに至るピアノ・ロックのエッセンスが詰まっている。しかもこれまでで最も自由な創作環境で制作され、彼のやりたかったコトを120%濃縮。AORファンも充分に楽しめる、大人のポップ・アルバムになった。
ゲイブ・ディクソンは1977年12月、テネシー州シェルビーヴィル生まれ。物心ついた時から音楽に惹かれ、7歳からクラシック・ピアノを習うように。18歳までナッシュヴィルの名門ヴァンダービルト大学付属のブレア音楽院で学び、その後はマイアミ大学で音楽を学んでいる。ポップスへの目覚めは11歳ころ。ビートルズやエルトン・ジョン、ジェリー・リー・ルイス、レイ・チャールズらを真似し始め、12歳でオーディションを受けてカントリー系ティーン・バンドに加入、レコーディングやツアーを経験した。しかし自分の音楽的興味は他にあると気づき、16歳頃からローカル・バンドで地元クラブに出演し始め、ブルースやロック、ファンクなどを演奏。ジャズにも傾倒していった。99年にゲイブ・ディクソン・バンドとして本格的デビューを飾るが、そこには伝説的エンジニア/プロデューサー:エディ・クレイマーの援助があったという。
ポール・マッカートニー『DRIVING RAIN』(01年)に参加したのは、ゲイブ・ディクソン・バンドのアルバムをプロデュースしていたデヴィッド・カーン(元ヴォードリス&カーン)のお誘いから。ロギンス&メッシーナのツアー・オーディションを受ける際は、彼らの70年代のレコードでプレイしていたマイケル・オマーティアンのピアノを隅から隅まで覚えて臨んだそうだ。
ここ数年のゲイブは音楽出版社と契約し、カントリーやポップ・アーティスト、あるいはTV番組などに楽曲提供していた。しかしそれに少し疲れを感じていたところ、たまたま知り合ったダスティン・ランサムと一緒に曲を書くことに。そしてわずか1日のうちに<I Believe In Our Love>を作曲し、録音まで済ませてしまった。これがうまくいったので、また数ヶ月おいて<Reach>を共作。そこで2人の相性の良さ確認し、既に書き溜めてあったマテリアルを持ち込んでレコーディングに。ゲイブは「こんなに楽しくアルバムを作ったのはずいぶん久しぶり」と語っている。
実際、サブスクで聴けるゲイブの過去のアルバムと比較しても、今作はかなりポップ。デュエット曲として書いた<Got Your Love>では、スーザン・テデスキがゲストとして歌っている。ちなみにゲイブは、2019年にテデスキ・トラックス・バンドで初めて日本を訪れ、とても気に入ったとか。AORではないけれど、オトナの音楽ファンは要チェックだ。
ポール・マッカートニー『DRIVING RAIN』(01年)に参加したのは、ゲイブ・ディクソン・バンドのアルバムをプロデュースしていたデヴィッド・カーン(元ヴォードリス&カーン)のお誘いから。ロギンス&メッシーナのツアー・オーディションを受ける際は、彼らの70年代のレコードでプレイしていたマイケル・オマーティアンのピアノを隅から隅まで覚えて臨んだそうだ。
ここ数年のゲイブは音楽出版社と契約し、カントリーやポップ・アーティスト、あるいはTV番組などに楽曲提供していた。しかしそれに少し疲れを感じていたところ、たまたま知り合ったダスティン・ランサムと一緒に曲を書くことに。そしてわずか1日のうちに<I Believe In Our Love>を作曲し、録音まで済ませてしまった。これがうまくいったので、また数ヶ月おいて<Reach>を共作。そこで2人の相性の良さ確認し、既に書き溜めてあったマテリアルを持ち込んでレコーディングに。ゲイブは「こんなに楽しくアルバムを作ったのはずいぶん久しぶり」と語っている。
実際、サブスクで聴けるゲイブの過去のアルバムと比較しても、今作はかなりポップ。デュエット曲として書いた<Got Your Love>では、スーザン・テデスキがゲストとして歌っている。ちなみにゲイブは、2019年にテデスキ・トラックス・バンドで初めて日本を訪れ、とても気に入ったとか。AORではないけれど、オトナの音楽ファンは要チェックだ。