ジョン・リンドの訃報をお伝えしたばかりだというのに、昨日はこの人のお悔やみ情報も入ってきた。R&Bヴォーカル〜ドゥーワップ・グループ、フレッド・パリス&ファイヴ・サテンズの創始者、フレッド・パリス、2022年1月13日に85歳で逝去。ここしばらく闘病生活を送っていたそうだ。
50年代にデビューし、<In The Still Of The Night >が56年にR&Bチャート3位。フレッド自身はこの曲を録音してまもなく兵役につき、ヒット中は日本に滞在していたとか。58年にはフレッドが復活し、ドゥワップ・グループとして活躍。70年代になってドゥワップが下火になると、ソウル・グループ:ブラック・サテンに変身し、ブッダからジーン・ペイジやポール・レカのアレンジによるアルバムを出している。<In The Still Of The Night>は93年に、ボーイズ II メンが全米3位とリヴァイヴァル・ヒットさせた。
まぁ、コレだけなら当ブログで追悼するまでもない。が、82年に突然出した上掲アルバムがヤバかった。オープナー<I'll Be Seeing You>と<Let Me Be The Last One>というAORファン注目のメロウ・チューンが入っていたのだ。
とりわけ<Let Me Be The Last One>は、ボズ・スキャッグス<Jojo>にインスパイアされたと思しき、超絶メロウなアーバン・ソウル最高峰。これ1曲でブラックAOR名盤に入れてしまいたいほどの、衝撃的名曲だった。それこそ、<Jojo>をルーサー・ヴァンドロスが歌ったら…、ってなほどのキラキラ・ソング。そういえば、<Jojo>を共作してバック・コーラスをつけていたデヴィッド・ラズリーは、ドゥワップ好きで、無名時代のルーサーと一緒にスタジオ・コーラス隊を組んでいた。そのラズリーさんも先月 旅立ったばかり。何だか偶然とは思えない。
しかもアルバムには6曲しか入ってないのに、実は方向性が絞れてなくて、チョイと支離滅裂。AORファンを泣かせる一方で、ドゥワップ・ファンが咽んで喜ぶメドレー<Memories Of Days Gone By>(ラストのシメは自分の In The Still Of The Night)とか、ソウル好き垂涎のデルフォニクスのカヴァー<Didn't I (Blow Your Mind)>も歌っている。この<Didn't I>と、<I'll Be Seeing You><Let Me Be The Last One>を含む4曲が、巨匠チャーリー・カレロのアレンジ。うちタイトルを挙げた3曲はレコーディング・スタッフも共通していて、リズム・トラックはL.A.、ヴォーカルがニューヨークで録音し、メンバーもヴィニー・カリウタ(ds)、ニール・スチューベンハウス(b)、バジー・フェイトン/デヴィッド・ウィリアムス(g)、リチャード・ティー(rhodes)、ポウリーニョ・ダ・コスタ(perc)と強力だ。
ならばアルバム一枚、この路線でカレロに任せりゃ良かったのに、と思ってしまうところ。でもそこは超ベテラン、昔のスタイルへのコダワリやオールド・ファンへの配慮もあるのだろうし、バジェットにも限りがある。ってか、彼らにとってはドゥワップやR&Bこそが本道で、AORファンへのアピールは時流に乗っただけ、というのが正しい見方だろう。でもコレ1曲、<Let Me Be The Last One>の存在感だけでファンを幅を広げたのも、また事実なのである。
Rest in Peace...
まぁ、コレだけなら当ブログで追悼するまでもない。が、82年に突然出した上掲アルバムがヤバかった。オープナー<I'll Be Seeing You>と<Let Me Be The Last One>というAORファン注目のメロウ・チューンが入っていたのだ。
とりわけ<Let Me Be The Last One>は、ボズ・スキャッグス<Jojo>にインスパイアされたと思しき、超絶メロウなアーバン・ソウル最高峰。これ1曲でブラックAOR名盤に入れてしまいたいほどの、衝撃的名曲だった。それこそ、<Jojo>をルーサー・ヴァンドロスが歌ったら…、ってなほどのキラキラ・ソング。そういえば、<Jojo>を共作してバック・コーラスをつけていたデヴィッド・ラズリーは、ドゥワップ好きで、無名時代のルーサーと一緒にスタジオ・コーラス隊を組んでいた。そのラズリーさんも先月 旅立ったばかり。何だか偶然とは思えない。
しかもアルバムには6曲しか入ってないのに、実は方向性が絞れてなくて、チョイと支離滅裂。AORファンを泣かせる一方で、ドゥワップ・ファンが咽んで喜ぶメドレー<Memories Of Days Gone By>(ラストのシメは自分の In The Still Of The Night)とか、ソウル好き垂涎のデルフォニクスのカヴァー<Didn't I (Blow Your Mind)>も歌っている。この<Didn't I>と、<I'll Be Seeing You><Let Me Be The Last One>を含む4曲が、巨匠チャーリー・カレロのアレンジ。うちタイトルを挙げた3曲はレコーディング・スタッフも共通していて、リズム・トラックはL.A.、ヴォーカルがニューヨークで録音し、メンバーもヴィニー・カリウタ(ds)、ニール・スチューベンハウス(b)、バジー・フェイトン/デヴィッド・ウィリアムス(g)、リチャード・ティー(rhodes)、ポウリーニョ・ダ・コスタ(perc)と強力だ。
ならばアルバム一枚、この路線でカレロに任せりゃ良かったのに、と思ってしまうところ。でもそこは超ベテラン、昔のスタイルへのコダワリやオールド・ファンへの配慮もあるのだろうし、バジェットにも限りがある。ってか、彼らにとってはドゥワップやR&Bこそが本道で、AORファンへのアピールは時流に乗っただけ、というのが正しい見方だろう。でもコレ1曲、<Let Me Be The Last One>の存在感だけでファンを幅を広げたのも、また事実なのである。
Rest in Peace...