acid pink

毎年恒例、未唯mieの日(3月1日)今年の出し物は、昨年12月にやって大好評だった【ACID PINK】のアンコール公演(前回のLive Report)。個人的に前回は、ライヴのダブル・ブッキングと首都高の事故渋滞が重なってドタバタのライヴ鑑賞になってしまったが、それでもこの企画のユニークさ、中身の濃さがビンビン伝わってきて、ぜひもう一度!と熱望していたパフォーマンス。その気持ちはファンや参加メンバーの間にも湧き上がっていたようで、ほぼ最短での再演実現と相成った。マネージャー氏からも、「今度は是非ジックリと堪能してくださいネ」と言われてしまったりして…

もちろん再演だから、全曲ピンク・レディーのレパートリーで、前半は超お馴染みのヒット曲、後半はちょいとコアなB面曲中心に大胆アレンジを施して、という構成に変わりはない。それどころか、選曲・曲順ともセットリスト丸ごと前回のまま寸分違わずで。バンド・メンバーも、アレンジ担当の笹路正徳(kyd,g)を柱に、渡嘉敷祐一(ds)土方隆行(g) 宮崎裕介(kyd)本間将人(sax,kyd)大滝裕子(cho)までは前回と同じ。でもスケジュールの都合か、ベースのみ、偶然にも以前から面識のある若き名手:森光奏太にスイッチしていた。

奏太クンは弱冠24歳。10代の頃からそのプレイを見てきたけれど、近年の充実ぶりはかなりのモノだ。太い音で如何にもベース然とした重量感のあるプレを身上とする。それでもって若さゆえのアグレッシヴさも併せ持ち、親子ほど、下手をしたらジジ孫ほどの年齢差がある大御所たちに囲まれても、物怖じするどころか、逆に突っかかっていくようなノリ。ACID PINKというチャレンジングな企画性を考えたら、まさに適任なプレイヤーだろう。天才肌の本間将人が演奏陣の飛び道具なら、奏太クンは寡黙な煽り役。もちろんそれは、笹路さんの遊び心と冒険心に満ち満ちたアレンジあってこそ、なんだけど。

もちろん未唯mieさんも、いつも以上にノビノビと楽しそうに歌っていて。深いスリットが入った太腿あらわなドレスも艶っぽく、ディープ・グリーンの色合いも、蠢くようなジャズ・ファンク・スタイルにフィットしている。踊りのフリに連動するオリジナル・アレンジのキメがほとんど取っ払われているので、揃いの法被を着た元・親衛隊たちは踊りにくそうで、脳内リフでに合わせて何とか踊っている体(テイ)。でも決まり切ったフォーマットを大きく逸脱している一方で、アレンジの指向性には統一感があるから、フィーリングが掴めればめっぽう面白い。パブリック・イメージのある未唯mieさんが、一般的音楽ファンの固定概念を突破できるとしたら、こうしたコトを続けていくのが一番だろう。

kydの宮崎クンがMCで、「アレンジがこんなに大きく変わっても、曲の魅力が失われない。ピンク・レディーの楽曲って、それほどスゴイんだと実感した」という旨を語っていたが、まさにその通り。極端にBPMを落としてジャズ・アレンジを施せば、まったく別モノになってしまっても不思議じゃないのに、メロディはシッカリと存在を主張する。それぐらい原曲が深く浸透していて、何をやっても壊れないのは、やっはりスゴイことだ。

できることなら、こういう斬新アレンジのピンク・レディー・カヴァーに、オリジナル新曲を投入したようなアルバムを作って欲しいところ。いろいろハードルがあるのだろうが、それをデジタル・リリースで拡散できれば、未唯mieさんに対するイメージも徐々に変わってくる、と思うな。そういえば、ビクター時代(81年〜83年)のソロ作品がデジタル・リリースされたそうです。

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