grover washington jr

クリスタルなサックス奏者(?)、グローヴァー・ワシントンJr.の最もポピュラーなエレクトラ時代5作品をパッケージにした、超お得なセットが年末に出ていた。作品的には79〜84年、『PARADISE』『WINELIGHT』『COME MORNING』『THE BEST IS YET TO COME』『INSIDE MOVES』の5枚。代表作『WINELIGHT』や<Just The Two Of Us>のラグジュアリーな世界観がお好きなら、ほとんど丸ごと楽しめるセットである。

制作陣としては、『PARADISE』を除く4枚すべてがラルフ・マクドナルドのプロデュース。バック・ミュージシャンもラルフ(perc)以下、リチャード・ティー(kyd)、スティーヴ・ガッド(ds)、エリック・ゲイル(g)マーカス・ミラー(b)あたりが、ほぼ固定。もちろんラルフのブレーンであるウィリアムス・ソルターやビル・イートンも随所に。フィーチャリング.シンガーが、<Just The Two Of Us>のビル・ウィザーズを起点に、グラディ・テイト、パティ・ラベル、ジョン・ルシエンと移っていくが、どのキャスティングも素晴らしく目配りが効いている。ナベサダさんが全米ジャズ・チャートで首位を取った『FILL UP THE NIGHT』や『RENDEZVOUS』も、ラルフの制作によるまったく同じプロダクツ。シンガーは同じくグラディ・テイトとロバータ・フラックだった。

唯一ラルフが無関係なのは、移籍第1作目の『PARADISE』。これはグローヴァーのセルフ・プロデュースで、バックはジョン・ブレイク(violin)やDr.ギブス(pop)がいた自身のツアー・バンド。彼らはこの後ロックスミスとして、ハーヴィー・メイスンのプロデュースでアルバムを出している。グローヴァーのサックスのカラーがあるので、ラルフ制作モノと大きな差はないが、ジャズ・ヴァイオリンを擁する若いバンドが後ろなので、多少アドリブとか多めかな。逆にこの時期は、モータウンとも並行して契約を結んでいて、『PARADISE』を挟むように、『REED SEED』(78年)と『SKYLARKIN'』(80年)というアルバムを出している。そして前者はロックスミスがサポート、後者にはウィリアム・イートンがアレンジで参加しており、これが『WINELIGHT』の布石になったと思われる。

そういえば、某CDショップ・チェーン限定でグローバーのシングル・コレクションが出ていて、「ヘェ〜」と思いつつ、この手のフュージョン・アクトのシングル・ヴァージョン集なんて意味あるの?と不思議に思っていたところ、どうも元ネタはこの廉価ボックスだったようで、入っている各アルバムのボーナス・トラックにシングル・エディットが大量に追加収録。コスパは圧倒的にこちらがイイ。ちょっと地味な存在の『THE BEST IS YET TO COME』や『INSEIDE MOVES』も、雰囲気的には『WINELIGHT』の延長だから、ゆったりマッタリ楽しめます。

グローヴァーが急逝したのは99年の年末だったから、もう22年も経つのよなぁ〜。