mamas gun_cure the jones

ヤング・ガン・シルヴァー・フォックスのシンガー:アンディ・プラッツのいるママズ・ガンの待望のニュー・アルバム『CURE TH JONES』。約4年半ぶりに降臨。アレッ YGSFとママズ・ガン、立場が入れ替わっちゃってますネ アンディ・プラッツにとっては、本来はママズ・ガンこそが活動母体。でも日本では、30歳代〜40代前半ぐらいの比較的若い音楽ファンはともかく、いわゆるエルダー層のAOR好きには、「YGSFを先に知った」という方が少なくないハズで。でもその逆転現象を一気に取り戻しそうなのが、この新作と言えそう。ちなみにカナザワ、今回初めてママズ・ガンのライナーを書かせて戴いてます。

4年ものブランクが空いたのは、コロナの影響というより、然るべき時を待っていたため。アンディに子供ができて時間を割かれたのは確からしいが、良い作品を作るために、焦らずにジックリ煮詰めた結果なようだ。『CURE THE JONES』というアルバム・タイトルは、“欲求を満たす”という意味で、そこにコロナの影響が現れた。すなわち、自分たちが必要とした多くのこと、いろいろなモノが失われたり、叶わなかったり…。そうしたメンタル面をコンセプトにしたそうだ。

音楽的には前作『GOLDEN DAYS』の延長で、より深く濃密にヴィンテージなソウル・ミュージックを探求している。収録曲のほとんどはアンディひとりで書いたもので、プロデュースもバンドではなく、アンディ自身。タイトル曲はカーティス・メイフィールド、ルイス・テイラー、ボビー・コールドウェルにインスパイアされた曲で、<Looking For Moses>はビル・ウィザースが逝った日に書いた彼へのオマージュ。スライ&ザ・ファミリー・ストーンに触発された<Party For One>もある。

印象的なサイケのアートワークは、アンディの奥様ジョディのデザイン。アナログなミクスト・メディアのコラージュで、レアなツール、ナイフ、ハサミ、そしてイマジネーションを使っただけ。コンピュータは全然使ってないという。

以前に比べて渋い仕上がりだが、聴き込めば聴き込むほどに滋養が増してくる、そんなスルメみたいなアルバム。発売は4月1日。日本盤はボーナス曲追加にて。