zachary crawford

少し前にご紹介した Light Mellow Searches シリーズ7周年記念『Light Mellow JEWELRY COVERS』、発売になりました。将来性豊かな若手アーティストや、今またスポットを当てたいベテラン勢による、珠玉のAORカヴァー集。まだチェックされてない方は、こちらのポストをご覧いただくとして、今日は同じLight Mellow Searchesから、来週 日本リリースされるニュー・アクトを。

オランダの人気AORユニット:マーティン&ガープ、
その進化系ドーン・パトロールで活躍するフィル・マーティンが手掛けた
  アイルランド出身のシンガー・ソングライター、ザカリー・クロフォード。
2020年からデジタル・リリースでオリジナル楽曲を出していた彼の、
                  満を辞してのファースト・アルバム。
マイルドな歌声と確かなサウンドメイクに包まれた、
  大人のインテリジェンスを感じさせるハーフ・ビターなジェントル・ポップ。
音楽好きの両親に囲まれ、ビートルズはもちろん、ジェイムス・テイラーやジョニ・ミッチェル、ヴァン・モリソンなど、多くのフォーク・ミュージックを聴いて育った。学校の友達とバンドを組んでからは、ジミ・ヘンドリックスやAC/DC、ヴァン・ヘイレンあたりをカヴァー。カシオのキーボードで曲を作り始めたのもこの頃だという。90年代終わりになって理想的なバンド:ファブリックにたどり着き、ブラッド・スウェット&ティアーズ、ELO、ジャミロクワイ、シンプリー・レッド、コーデュロイらのカヴァーにオリジナル曲を混ぜ、コークの街中あらゆる所で演奏したそうだ。

でもその後ジャズ・クラブで歌うようになり、カート・エリングやマーク・マーフィー、チェット・ベイカーに傾倒。曲作りからは離れてしまった。ところがコロナ禍のロックダウンで空き時間ができ、おそるおそる作曲を始めてみたら、迸るような勢いでメロディが湧いて出てきた。そしてそれをネットに上げたところ、そこにコンタクトしてきたのがジョン・サラクラ。彼はシドニー出身のシンガー・ソングライターで、現在はロンドンを拠点に活動。現在までに計7作をリリースし、日本でもCDが何枚か紹介されている。引き合いに出されるのはメイヤー・ホーソーンやママズ・ガン、ヤング・ガン・シルヴァー・フォックスなど。何よりマーティン&ガープ『SENTIMENTAL FOOLS』に参加し、その良好な関係がフィル・マーティンとザカリーを結びつけた。

だが驚くことにザカリーは、この3月の段階で、まだフィルと直接会ったことがないらしい。メールや電話、Eメールでやり取りを繰り返し、送ったファイルに魔法をかけてもらったというのだ。つまりザカリーの音楽キャリアに新たな一歩を与えたのがコロナなら、その進化を阻んだのもコロナ。そして突破口を開いたのも、コロナ下ゆえに休息浸透した斬新なネットのメソッドとツール。それでも結果的にサウンドは、70年代のような仕上がりになった。それは彼が目指すのが、スティーリー・ダン『THE ROYAL SCAM(幻想の摩天楼)』にような作品だからだろう。他にELO『OUT OF THE BLUE』を始め、スティーヴィー・ワンダー、ホール&オーツ、マイケル・マクドナルド、スティーヴン・ビショップ、プリファブ・スプラウトあたりの影響が注入されている、という。

「このサウンドで育った人はたくさんいるようだね。高品質のプロダクション、クリーンなヴォーカル、軽快でキャッチーなメロディに重きを置いた現代のバンドを見つけることに、みんな必死になっている」

ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス<You Can Feel It>を初めて聴いた時に、何か自分の中でハジけるものがあったというザカリー。そうして新たな時代が築かれていくのだな。

なお来週発売のCDには、デジタルおよびサブスクで公開されていた2曲<Hard Enough>と<Lasse Viren>を追加収録。さらに日本盤オンリーとして<Afterglow>がボーナス追加される予定だ。