
月初めに出たばかりの佐野元春&ザ・コヨーテバンド『今、何処(WHERE ARE YOU NOW)』が素晴らしい。実は目下のところ、自分の朝のウォーキングの定番アイテム。もっともこのところ天気が悪かったり、忙しかったりで時間的かつ精神的に余裕がなく、ちょっと間が空き気味ではあるのだが…

前にも書いたかもしれないけど、自分はデビュー間もない佐野元春に対して、「何だ、これじゃあブルース・スプリングスティーンのパクリぢゃん。だったら本物を聴くわ!」と、いきなり距離を置くところから入ってしまったクチ。そのまま80年代後半からは、決まったミュージシャンを除いてはJ-POPを聴かず、ほぼ洋楽一辺倒。だから佐野元春の本質部分に気付いたのは、ゼロ年代に入って、自分の中のシティ・ポップ再定義が始まってからだと言って良い。まぁ、横目に見ながら何となく気づいていたけど、真剣には聴いてこなかったというか…。
でもやっぱり自分はサウンドから入るヒトで、繰り返し聴いているうちに自然に歌詞が入ってくるのがデフォルト。聴き始めから歌詞カードを読んで、メロディと一緒に覚える、なんて聴き方はしていない。だから歌詞がないと成立しないような弾き語り系四畳半フォークは、まったく好みじゃないのだ。もちろん佐野さんはそうではないけど、70~80年代のポップ・ロック系シンガー・ソングライターの中では、圧倒的にメッセージ色が強いワケで、自ずと歌詞が重要な位置にあった。ポエトリー・リーディングにもチャレンジする姿を見て、アッパレ!と思いつつも、やっぱり自分とは少し距離があるなぁ…、と。でも最近そのスタンスが自分にシックリくるようになったのは、何故なんだろう? やっぱり70年代的な、コヨーテバンドの ちょっぴりオーソドックスなバンド・サウンドがキモなのかな? それとも元春さんの原点回帰傾向か?
今回のアルバムでも、<クロエ>とか<冬の雑踏>の、ほのかに黒いハネたビートに即・反応してしまったけれど、<植民地の夜>や<エデンの海><大人のくせに>のようなロックン・ロールもなかなかステキで。ビートルズとかストーンズとか、もちろんブルースも含め、実は深いところに引用やネタが忍ばせてあって、思わずニヤリ。結局そういうところには、すぐに耳が行ってしまうんだよなぁ。
でもそれはともかく、70's風の普遍的バンド・サウンドに乗せられたキレ味鋭い言葉のひとつひとつが、これまた時代を超越しうる意味を放っていて。果たしてヒトは、社会は、進化しているの?と疑問を呈したくなる。『今、何処(WHERE ARE YOU NOW)』だって、どこかでマーヴィン・ゲイ『WHAT'S GOING ON』と繋がっていると思うし。人に夢を与えるのは音楽の役割だけど、浮世離れした享楽音楽ばかり聴いているワケにはいかない、そういう不幸な世の中になってしまった。
でもやっぱり自分はサウンドから入るヒトで、繰り返し聴いているうちに自然に歌詞が入ってくるのがデフォルト。聴き始めから歌詞カードを読んで、メロディと一緒に覚える、なんて聴き方はしていない。だから歌詞がないと成立しないような弾き語り系四畳半フォークは、まったく好みじゃないのだ。もちろん佐野さんはそうではないけど、70~80年代のポップ・ロック系シンガー・ソングライターの中では、圧倒的にメッセージ色が強いワケで、自ずと歌詞が重要な位置にあった。ポエトリー・リーディングにもチャレンジする姿を見て、アッパレ!と思いつつも、やっぱり自分とは少し距離があるなぁ…、と。でも最近そのスタンスが自分にシックリくるようになったのは、何故なんだろう? やっぱり70年代的な、コヨーテバンドの ちょっぴりオーソドックスなバンド・サウンドがキモなのかな? それとも元春さんの原点回帰傾向か?
今回のアルバムでも、<クロエ>とか<冬の雑踏>の、ほのかに黒いハネたビートに即・反応してしまったけれど、<植民地の夜>や<エデンの海><大人のくせに>のようなロックン・ロールもなかなかステキで。ビートルズとかストーンズとか、もちろんブルースも含め、実は深いところに引用やネタが忍ばせてあって、思わずニヤリ。結局そういうところには、すぐに耳が行ってしまうんだよなぁ。
でもそれはともかく、70's風の普遍的バンド・サウンドに乗せられたキレ味鋭い言葉のひとつひとつが、これまた時代を超越しうる意味を放っていて。果たしてヒトは、社会は、進化しているの?と疑問を呈したくなる。『今、何処(WHERE ARE YOU NOW)』だって、どこかでマーヴィン・ゲイ『WHAT'S GOING ON』と繋がっていると思うし。人に夢を与えるのは音楽の役割だけど、浮世離れした享楽音楽ばかり聴いているワケにはいかない、そういう不幸な世の中になってしまった。