

昨日に引き続き、日本を代表するジャズ・フュージョンの名門レーベル:エレクトリック・バードのカタログから。このレーベルの大きな特徴は、邦洋の分け隔てなく日本人ミュージシャンと外国人ミュージシャンを対等に扱い、両者共演も盛んに行なっていたこと。それを主導していたのが、レーベル・トップの川島重行プロデューサー。そしてニューヨークで現場を仕切っていたのが、作編曲兼キーボード奏者のデヴィッド・マシューズであった。
今でこそマンハッタン・ジャズ・クインテットを率いているマシューズだけど、70年代の彼は意外にも、ジェイムス・ブラウンのバンドで音楽監督を務めていた。その後CTI入りしてジョージ・ベンソンやハンク・クロフォード、ロン・カーター、パティ・オースティン、ニーナ・シモンらに関わり、自身のリーダー作もリリース。でもロック少年だった自分は、当時はマシューズなんて全然知らず。記憶を辿ると、80〜81年にエレクトリック・バードが制作したこの2枚のセッション・アルバムが好きになり、それでプロデュース/作編曲を一手に担っているマシューズを意識するようになったのだと思う。でも彼がJBのブレーンだったと知った時は、まだエレクトリック・バードと結びつかなくて、おぼこかった少年はチョッと混乱していたな〜
『SUPER FUNKY SAX』は、タイトルの通り、デヴィッド・サンボーン、マイケル・ブレッカー、つい先日亡くなったロニー・キューバーという3人のサックス奏者をフィーチャーしたアルバム。それぞれのソロ・プレイもカッコ良いが、3人が織りなすアンサンブルも見事で、息の合ったところを披露していた。そういえば、バリトン・サックスをチャンと聴いたのも、このアルバムが最初だったか。サポート陣もデヴィッド・スピノザ(g)、ドン・グロルニック/クリフ・カーター(kyd)、ニール・ジェイソン(b)、アンディ・ニューマーク(ds)、サミー・フィゲロア(perc)というニューヨークのファースト・コールたち。クロスオーヴァーのスタジオ・セッションの面白さを教えてくれたアルバムでもあった。
翌年リリースの『NEWYORK LINER』は、言わば『SUPER FUNKY SAX』のギター編。エリック・ゲイル、ジョン・トロペイ、デヴィッド・スピノザの3人をフロントに、ポール・シェイファー(kyd)、ニール・ジェイソン(b)、アラン・シュワルツバーグ(ds)らが参加。当時大人気だったリー・リトナーやラリー・カールトンといった花形プレイヤーは華麗なギター・プレイで注目されていたけれど、このアルバムはもっとピュアーに音楽していて、演奏よりも まず楽曲を聴かせる、そういうコンセプトだった。当時は、ジョン・マクラフリンとラリー・コリエル、パコ・デ・ルシアから成る “スーパー・ギター・トリオ”が脚光を浴びていて、多分にそれを意識しているところもある。でもそれに真っ向から張り合うのではなく、表現力の豊かさから来る“味わい”で勝負したところが素晴らしかった。スタッフ乗りのR&Bテイストの濃い楽曲が多いのも、聴きやすかった一因かも。
前後してマシューズは、アール・クルー、グローヴァー・ワシントンJr.、ジム・ホールらをそれぞれソリストにフィーチャーしたアルバムを作ったけれど、自分にとっては、この2枚を越すほど夢中になれた作品はなかったな。

『SUPER FUNKY SAX』は、タイトルの通り、デヴィッド・サンボーン、マイケル・ブレッカー、つい先日亡くなったロニー・キューバーという3人のサックス奏者をフィーチャーしたアルバム。それぞれのソロ・プレイもカッコ良いが、3人が織りなすアンサンブルも見事で、息の合ったところを披露していた。そういえば、バリトン・サックスをチャンと聴いたのも、このアルバムが最初だったか。サポート陣もデヴィッド・スピノザ(g)、ドン・グロルニック/クリフ・カーター(kyd)、ニール・ジェイソン(b)、アンディ・ニューマーク(ds)、サミー・フィゲロア(perc)というニューヨークのファースト・コールたち。クロスオーヴァーのスタジオ・セッションの面白さを教えてくれたアルバムでもあった。
翌年リリースの『NEWYORK LINER』は、言わば『SUPER FUNKY SAX』のギター編。エリック・ゲイル、ジョン・トロペイ、デヴィッド・スピノザの3人をフロントに、ポール・シェイファー(kyd)、ニール・ジェイソン(b)、アラン・シュワルツバーグ(ds)らが参加。当時大人気だったリー・リトナーやラリー・カールトンといった花形プレイヤーは華麗なギター・プレイで注目されていたけれど、このアルバムはもっとピュアーに音楽していて、演奏よりも まず楽曲を聴かせる、そういうコンセプトだった。当時は、ジョン・マクラフリンとラリー・コリエル、パコ・デ・ルシアから成る “スーパー・ギター・トリオ”が脚光を浴びていて、多分にそれを意識しているところもある。でもそれに真っ向から張り合うのではなく、表現力の豊かさから来る“味わい”で勝負したところが素晴らしかった。スタッフ乗りのR&Bテイストの濃い楽曲が多いのも、聴きやすかった一因かも。
前後してマシューズは、アール・クルー、グローヴァー・ワシントンJr.、ジム・ホールらをそれぞれソリストにフィーチャーしたアルバムを作ったけれど、自分にとっては、この2枚を越すほど夢中になれた作品はなかったな。