
老朽化のため、来年7月に取り壊しになる中野サンプラザに於ける 角松のライヴ・ファイナル。個人的には、来年もう一度くらい誰かのライヴを観に来そうだけど、吉祥寺が地元の彼にとっては、やっぱり思い入れのある小屋だろう。MCでは86年のソロ・ツアーで初めてココのステージに立った、と語っていたが、自分の記憶では、角松のデビューのキッカケとなったビクター・オリジナルソングコンテストの本選が中野サンプラザで行われていて。角松自身は地区予選で敗退したものの、デビューした直後にゲストで出演するというので、観に行ったのを覚えている。ベースはまだ青木智仁ではなくて、太っちょのプレイヤーがポッコリお腹にベースを乗せて、激しく踊りながら強力なスラップを披露していた。角松バンド最古参の友成(好宏)さんは、あの時キーボードを弾いていたのかな?
さて、元々代表曲多めのセットリストが組まれる年末の恒例ライヴ。今回は中野ファイナル・スペシャルというコトで、サンプラザのステージで頻繁に歌った曲をリストアップし、トップ10曲をセットに組む趣向。自ずと代表曲が並ぶワケで、ファンは感動し、大いに盛り上がる。中盤には、これも中野スペシャルで、"MILAD"から一部を抜粋。ダンサーや小芝居を混ぜての展開になった。
今回、自分が改めて痛感したのは、バンド・アンサンブルの素晴らしさである。角松以下4リズム+2コーラス+4管の編成は全国ツアーとは違う特別なモノだが、4リズムはかなり長く固定化していて安定感が抜群。それでいてソロ・パートやちょっとしたフィルの部分に、ハッとする展開が差し込まれる。そこが阿吽の呼吸が生まれる生のバンド・パフォーマンスの面白さ。自分的には、ハイパーすぎて若干の苦手意識があった本田雅人のブロウに、何故かグイグイと引き込まれるフレージングが多々あって。スゴ〜いキャリアの人だけに、還暦になって円熟味が増した、と言えるほど単純なモノではない。けれど何処かに、何か期するモノがあったのかしらね? フロントでどんな展開があろうとも、ガッチリ屋台骨を支える彼らの貢献には、改めて頭が下がる思いだ。
そうしたライヴ・パフォーマンスを築き上げ、長く提示し続けてきたのは、角松ならではの偉大なる功績。このシティポップ・ブームの最中、某所で自分オススメのクリスマス・ソングやウインター・ソングを挙げる取材を受け、その中に角松<サンタが泣いた日>をピックアップしたのだけれど、その参加ミュージシャンを確認し、角松と斉藤ノブさん以外プレイヤー全員が鬼籍に入っていて愕然とした(ポンタさん、青木さん、ブッチャー、信吾さん)ばかり。だから彼がMCでオーディエンスに「生きていて」と懇願する気持ちも、よりストレートに伝わってくる。
ただ、やっぱり自分のヒーローである角松敏生は、120%ミュージシャン。あくまでシンガー・ソングライター、サウンド・クリエイター、音楽プロデューサーであって、そこから先は求めていない。だから、早く本筋の音楽道に戻って、ひたすら音楽だけに邁進して欲しいと思っている。
ナニ? まだやり残したことがあるから、もう1回創り直すって? そりゃあファンは大喜びだろうけど、自分の長年のヒーローがやることとしちゃあ、ちょっとカッコ悪いなぁ〜
もちろん、未来志向で我が道を突き進んで行くのはとても素晴らしいコト。そうしたくても、なかなか出来ない現状もあるだろう。…とはいえ、それこそが、学生時代から自分の身近にいて影響を受けてきた角松の姿だ。それが今は少し離れたところから “裸の王様” にはならないで、と願っている。
「お前はこんなモンじゃないだろう?」
「お見逸れしました
、と言わせてくれよ」
中野から帰り道、ふとそんな言葉が湧いて出た。
今回、自分が改めて痛感したのは、バンド・アンサンブルの素晴らしさである。角松以下4リズム+2コーラス+4管の編成は全国ツアーとは違う特別なモノだが、4リズムはかなり長く固定化していて安定感が抜群。それでいてソロ・パートやちょっとしたフィルの部分に、ハッとする展開が差し込まれる。そこが阿吽の呼吸が生まれる生のバンド・パフォーマンスの面白さ。自分的には、ハイパーすぎて若干の苦手意識があった本田雅人のブロウに、何故かグイグイと引き込まれるフレージングが多々あって。スゴ〜いキャリアの人だけに、還暦になって円熟味が増した、と言えるほど単純なモノではない。けれど何処かに、何か期するモノがあったのかしらね? フロントでどんな展開があろうとも、ガッチリ屋台骨を支える彼らの貢献には、改めて頭が下がる思いだ。
そうしたライヴ・パフォーマンスを築き上げ、長く提示し続けてきたのは、角松ならではの偉大なる功績。このシティポップ・ブームの最中、某所で自分オススメのクリスマス・ソングやウインター・ソングを挙げる取材を受け、その中に角松<サンタが泣いた日>をピックアップしたのだけれど、その参加ミュージシャンを確認し、角松と斉藤ノブさん以外プレイヤー全員が鬼籍に入っていて愕然とした(ポンタさん、青木さん、ブッチャー、信吾さん)ばかり。だから彼がMCでオーディエンスに「生きていて」と懇願する気持ちも、よりストレートに伝わってくる。
ただ、やっぱり自分のヒーローである角松敏生は、120%ミュージシャン。あくまでシンガー・ソングライター、サウンド・クリエイター、音楽プロデューサーであって、そこから先は求めていない。だから、早く本筋の音楽道に戻って、ひたすら音楽だけに邁進して欲しいと思っている。
ナニ? まだやり残したことがあるから、もう1回創り直すって? そりゃあファンは大喜びだろうけど、自分の長年のヒーローがやることとしちゃあ、ちょっとカッコ悪いなぁ〜

もちろん、未来志向で我が道を突き進んで行くのはとても素晴らしいコト。そうしたくても、なかなか出来ない現状もあるだろう。…とはいえ、それこそが、学生時代から自分の身近にいて影響を受けてきた角松の姿だ。それが今は少し離れたところから “裸の王様” にはならないで、と願っている。
「お前はこんなモンじゃないだろう?」
「お見逸れしました

中野から帰り道、ふとそんな言葉が湧いて出た。
MILAD(前も間違えてましたが、MIRADではないです)に対して、前から否定的でおられますが、金澤さんが求めるものと角松さんがやりたいことは違うわけで、自分のヒーロー像を押し付けてもしょうがないんじゃないですかね。
私は、角松さんにはやりたいことを貫いてほしいと思ってます。