朝一番で飛び込んだ訃報は、ケニー・ギャンブル&リオン・ハフと共にフィラデルフィア・ソウルの隆盛を築いた作編曲家/プロデューサー、トム・ベル。22日に米ワシントン州ベリンガムで亡くなった。彼はギャンブル&ハフのフィラデルフィア・インターナショナル・レコーズ(PIR)をひとつの拠点としつつも、自由への希求が高かったのかフリーの道を選び、アブコでスタイリスティクスを、アトランティックでスピナーズを手掛け、フィリー・ソウルの大きな流れを演出したことで知られる。
本名はトーマス・ランドルフ・ベル。1943年にジャマイカのキングストンで、10人兄弟の5番目という大家族に生まれ、フィラデルフィアで育っている。母親はジャマイカ人。幼い頃からピアノを始め、ドラムやフリューゲルホルンもプレイ。17歳頃まで地元音楽教室でクラシックやジャズを学んだ。しかしその後はラジオで聴いたポップ・ミュージックに開眼。姉の知り合いだったケニー・ギャンブルとデュオを組み、59年にデビューしている。その後地元レーベル:カメオ・パークウェイで、セッション・シンガー/キーボード奏者として活動。クラシックの素養を生かして活動の幅を広げ、やがてデルフォニクスに邂逅してヒットを生み出すようになった。
豪奢でパワー・ヴォイスを好むギャンブル&ハフに対し、ベルのサウンドはもっとソフト&ジェントル。バート・バカラック好きというのも彼らしいところで、そうしたスタイルが好まれたか、デニース・ウィリアムスやディオンヌ・ワーウィック、男性シンガーではジョニー・マティスやルー・ロウルズ、ジェイムス・イングラムなど、クルーナー系との相性が良かった。白黒混成デュオ:ベル&ジェイムスのリロイ・ベルは甥っ子。当時はお蔵入りしたが、77年にはエルトン・ジョンのフィリー録音にも尽力するなど、白人シンガーとの仕事も多かった。
06年にはソングライターの殿堂入り。ソウル・クラシックを多く生んでいるだけに、楽曲カヴァーは今も引きを切らないが、近年のワークスとしてはジョス・ストーンやニッキー・ジーンくらいか。享年79歳。
Rest in Peace...
豪奢でパワー・ヴォイスを好むギャンブル&ハフに対し、ベルのサウンドはもっとソフト&ジェントル。バート・バカラック好きというのも彼らしいところで、そうしたスタイルが好まれたか、デニース・ウィリアムスやディオンヌ・ワーウィック、男性シンガーではジョニー・マティスやルー・ロウルズ、ジェイムス・イングラムなど、クルーナー系との相性が良かった。白黒混成デュオ:ベル&ジェイムスのリロイ・ベルは甥っ子。当時はお蔵入りしたが、77年にはエルトン・ジョンのフィリー録音にも尽力するなど、白人シンガーとの仕事も多かった。
06年にはソングライターの殿堂入り。ソウル・クラシックを多く生んでいるだけに、楽曲カヴァーは今も引きを切らないが、近年のワークスとしてはジョス・ストーンやニッキー・ジーンくらいか。享年79歳。
Rest in Peace...