ウルトラ・ヴァイヴ/ソリッド・レーベル【NIPPON JAZZ SPIRITS〜和ジャズ傑作選】で、今田勝のトリオ・レコード時代のアルバム5枚が期間限定廉価復刻。それを機に、しばらくぶりにそのうちの1枚『哀愁のカーニヴァル(CARNIVAL)』のCDを引っ張り出してみた。リリースは、和製フュージョンが最も華やいでいた81年。ゲストにブレッカー兄弟が参加して話題になったアルバムだ。
今田勝は、50年代から自身のトリオを率いて活躍したジャズ・ピアノ奏者。70年代はThree Blind Miceでリーダー作を発表していたが、80年に入ってトリオへ移籍。渡辺香津美と共演したトリオ第1作『アンダルシアの風』(80年)から、クロスオーヴァー〜フュージョン色を打ち出し始めた。それに次ぐのが、この『哀愁のカーニヴァル』。前作はタイトル通りの情熱的なスパニッシュ・フュージョンだったが、ココからは時流に乗って一気にメロディアスなライト・フュージョン・スタイルを取り、松岡直也を脅かさんとしたと記憶する。
参加したのは、今田とブレッカー兄弟に加えて、リズム隊に当時のザ・プレイヤーズ:岡沢章(b)と渡嘉敷祐一(ds)、ギターに杉本喜代志。だからライト・フュージョンといってもスムーズ・ジャズみたいにヤワくはなく、メロディアスでありながらシッカリ攻めてくる。ランディのフリューゲル・ホーンが活躍するタイトル曲、ボッサな<レシーフェのさざ波>とか、メチャいい感じで。やはりフリューゲルをフィーチャーしたメロウ・ミディアム<See Weeds>は、ホルヘ・サンタナがモチーフかな? マイケルの溌剌ブロウは、ラストの<Gentle Breeze>で堪能できる。
でもアルバム通しては “哀愁” がキーワードになっていて、今田のリリカルなピアノが印象的。言い換えれば、ブレッカー兄弟の本来の魅力である攻撃性は抑え気味だ。でも、そういうブレッカーもまた興味深いところではある。音は優しくても、マインドはイージーではないのよ。
ちなみに次作『誘われてシーサイド(BLUE MARINE)』はニューヨーク録音で、グローヴァー・ワシントン Jr.とトム・ブラウンがゲスト。バンドはそのままスティーヴ・カーンのアイウィットネス (アンソニー・ジャクソン/スティーヴ・ジョーダン/マノロ・バドレーナ)になる。
参加したのは、今田とブレッカー兄弟に加えて、リズム隊に当時のザ・プレイヤーズ:岡沢章(b)と渡嘉敷祐一(ds)、ギターに杉本喜代志。だからライト・フュージョンといってもスムーズ・ジャズみたいにヤワくはなく、メロディアスでありながらシッカリ攻めてくる。ランディのフリューゲル・ホーンが活躍するタイトル曲、ボッサな<レシーフェのさざ波>とか、メチャいい感じで。やはりフリューゲルをフィーチャーしたメロウ・ミディアム<See Weeds>は、ホルヘ・サンタナがモチーフかな? マイケルの溌剌ブロウは、ラストの<Gentle Breeze>で堪能できる。
でもアルバム通しては “哀愁” がキーワードになっていて、今田のリリカルなピアノが印象的。言い換えれば、ブレッカー兄弟の本来の魅力である攻撃性は抑え気味だ。でも、そういうブレッカーもまた興味深いところではある。音は優しくても、マインドはイージーではないのよ。
ちなみに次作『誘われてシーサイド(BLUE MARINE)』はニューヨーク録音で、グローヴァー・ワシントン Jr.とトム・ブラウンがゲスト。バンドはそのままスティーヴ・カーンのアイウィットネス (アンソニー・ジャクソン/スティーヴ・ジョーダン/マノロ・バドレーナ)になる。