
ピーター・セテラやビル・チャンプリン、リチャード・マークスらを支えてきた職人ギタリスト:ブルース・ガイチの、グレイト・ワークス&未発表トラック・コレクション『HOW FRAGLE WE ARE』が、拙監修Light Mellow Searchesから間もなくリリース。ビルとリチャード両人を筆頭に、マーク・ジョーダンやフィー・ウェイビル(チューブス)の歌声が聴けたり、マイケル・センベロらと組んだボサノヴァ・ホテルの未発表音源も収録。
いま“職人ギタリスト”と書いたが、ブルースはマドンナ<La Isla Bonita>、リチャード・マークス<Don't Me Nothing>などの大ヒットを書き下ろしたことでも知られている。日本では、95年にデビューして数枚のアルバムを出した美形シンガー・ソングライター:ジェイニー・クルーワーのご主人としてご存知の方もいるだろう。元エアプレイのトミー・ファンダーバークと組んだキング・オブ・ハーツ、ジェイニーやマイケル・センベロと組んだカヴァー・ユニット:ボサノヴァ・ホテル、そして昨年は、ランディ・グッドラムやデイヴ・イニス(元レストレス・ハート)と組んだG.I.G.(グッドラム=イニス=ガイチ)の2作品を発表するなど、プロジェクト参加も多い。個人的には、イーグルスのティモシー・B・シュミットのソロ作に貢献したのも忘れ難いところ。その他にカンサスやポコ、フィリップ・ベイリー、イヴリン・シャンペーン・キング、元ABBAのアグネッタ、それに河合奈保子、浜田麻里などにも楽曲提供してきた。
ソロ・アルバムも95年『A LYRE IN A WINDSTROM(静かな嵐)』を皮切りに、97年『APHASIA』など、計5枚。ジェイニーや、スウェーデンのギタリスト:トミー・デナンダーとの共演アルバムもあり、まさにワーカホリック状態の音楽人だった。ところが19年に突然脳梗塞に見舞われて…。それから懸命のリハビリでギターを持てるほどになったものの、本人に拠れば回復率は未だ3割程度とか。それでも録り溜めてあった音源に手を加えたり、曲作りにトライするなど、リハビリを続けながら、できることを行なっている。そうした楽曲をまとめたのがこのアルバムだ。
「僕はこれまで日本でコンピレーションを出したことがなかった。それにみんなに聴いてもらいたい新しい作品がいくつかあったので、新しい曲と古い曲のベストを組み合わせたんだ」
アルバム・タイトルは、今作でお披露目したスティングのカヴァー<Fragile>の歌詞から。ボサノヴァ・ホテルで録音したが、配信シングルにしただけでそのまま眠っていたもので、パンデミックが世界中を襲った今、この歌詞が今の世界に当てはまるんじゃないかと思ったそうだ。アルバムもブルース自身が演奏・作曲・プロデュースを楽しんだ楽曲を集めつつ、彼が持つ様々なスタイルをバランスよく聴かせられるように配慮されている。既にブルース自身から、『SACRED GROUND』なるアルバムを制作中だと発信されているが、こちらはギター・インスト作でUSリリースを目指しているとか。そこからの先行曲も、いくつかこのコレクション盤『HOW FRAGLE WE ARE』に収められている。
最初に書いたように、ビル・チャンプリンにリチャード・マークス、マーク・ジョーダン、フィー・ウェイビル(チューブス)、マイケル・センベロ(ボサノヴァ・ホテル)に、故ジョージ・ホーキンス(ケニー・ロギンス・バンド)など、多彩な歌声が同時に楽しめるのは、ブルース作品ならでは。編集盤なので、コア・ファンにはお馴染みの楽曲も少なくないが、未発表の蔵出しや、今では入手困難な楽曲も収録されている。具体的な収録曲は以下の通り。
1. Unchain My Heart feat. George Hawkins Jr.(未発表)
2. Fools Cry feat. Fee Waybill from『DON'T BE SCARED BY THESE HANDS』(96年)
3. Aphasia feat. Bill Champlin from『APHASIA』(97年)
4. Illinois (新曲)
5. Haunt Me Tonight feat. Richard Marx from『A LYRE IN A WINDSTROM』(95年)
6. Thursday Next / Night Owls (2015年)
7. Extraordinary Girl feat. George Hawkins Jr.『EVERY DOG HAS ITS DAY』(96年)
8. Rattlesnake Canyon(新曲)
9. The African Prince feat. Janey Clewer from『APHASIA』(97年)
10. Two Kinds Of Love feat. Marc Jordan from『A LYRE IN A WINDSTROM』(95年)
11. The Philadelphian / Night Owls (2015年)
12. Fragile / The Bossa Nova Hotel (アルバム未収)
まずはこのアルバムでリハビリに励むブルースを応援しつつ、彼の現場復帰を心待ちにしたい。
ソロ・アルバムも95年『A LYRE IN A WINDSTROM(静かな嵐)』を皮切りに、97年『APHASIA』など、計5枚。ジェイニーや、スウェーデンのギタリスト:トミー・デナンダーとの共演アルバムもあり、まさにワーカホリック状態の音楽人だった。ところが19年に突然脳梗塞に見舞われて…。それから懸命のリハビリでギターを持てるほどになったものの、本人に拠れば回復率は未だ3割程度とか。それでも録り溜めてあった音源に手を加えたり、曲作りにトライするなど、リハビリを続けながら、できることを行なっている。そうした楽曲をまとめたのがこのアルバムだ。
「僕はこれまで日本でコンピレーションを出したことがなかった。それにみんなに聴いてもらいたい新しい作品がいくつかあったので、新しい曲と古い曲のベストを組み合わせたんだ」
アルバム・タイトルは、今作でお披露目したスティングのカヴァー<Fragile>の歌詞から。ボサノヴァ・ホテルで録音したが、配信シングルにしただけでそのまま眠っていたもので、パンデミックが世界中を襲った今、この歌詞が今の世界に当てはまるんじゃないかと思ったそうだ。アルバムもブルース自身が演奏・作曲・プロデュースを楽しんだ楽曲を集めつつ、彼が持つ様々なスタイルをバランスよく聴かせられるように配慮されている。既にブルース自身から、『SACRED GROUND』なるアルバムを制作中だと発信されているが、こちらはギター・インスト作でUSリリースを目指しているとか。そこからの先行曲も、いくつかこのコレクション盤『HOW FRAGLE WE ARE』に収められている。
最初に書いたように、ビル・チャンプリンにリチャード・マークス、マーク・ジョーダン、フィー・ウェイビル(チューブス)、マイケル・センベロ(ボサノヴァ・ホテル)に、故ジョージ・ホーキンス(ケニー・ロギンス・バンド)など、多彩な歌声が同時に楽しめるのは、ブルース作品ならでは。編集盤なので、コア・ファンにはお馴染みの楽曲も少なくないが、未発表の蔵出しや、今では入手困難な楽曲も収録されている。具体的な収録曲は以下の通り。
1. Unchain My Heart feat. George Hawkins Jr.(未発表)
2. Fools Cry feat. Fee Waybill from『DON'T BE SCARED BY THESE HANDS』(96年)
3. Aphasia feat. Bill Champlin from『APHASIA』(97年)
4. Illinois (新曲)
5. Haunt Me Tonight feat. Richard Marx from『A LYRE IN A WINDSTROM』(95年)
6. Thursday Next / Night Owls (2015年)
7. Extraordinary Girl feat. George Hawkins Jr.『EVERY DOG HAS ITS DAY』(96年)
8. Rattlesnake Canyon(新曲)
9. The African Prince feat. Janey Clewer from『APHASIA』(97年)
10. Two Kinds Of Love feat. Marc Jordan from『A LYRE IN A WINDSTROM』(95年)
11. The Philadelphian / Night Owls (2015年)
12. Fragile / The Bossa Nova Hotel (アルバム未収)
まずはこのアルバムでリハビリに励むブルースを応援しつつ、彼の現場復帰を心待ちにしたい。