yesyes 1

イエスの初期〜最盛期の作品群が、 【紙ジャケット・コレクション最終章〜MQA-CD/UHQCDエディション】として年末にドカッと再発されているワケですが…。でも多いモノは、CDだけで5〜6枚の仕様違いを持っている身としては、もうとっくにお腹イッパイ。今回はスルーしようと決心した。なのにこのデビュー盤が日本盤アナログ初回リリースのデフ・ジャケ仕様だと知って、完全に心が揺らいでいる。自分が持っているのは、全部、左の吹き出しジャケなんだよなぁ…。コレ1枚だけゲットしようかなぁ〜。でも間違いなく聴かねぇだろうしなぁ…

一般的には、イエスはスティーヴ・ハウが加入した3枚目『THE YES ALBUM』から、と言われている。それはまぁ、確かにそうだけれど、バグルス組が参加した『DRAMA』(80年)好きの自分としては、初期の2枚、この『YES』(69年)と『TIME AND A WORD』(70年)も結構愛着があって。3枚目以降のプログレ一色な感じははまだ薄く、サイケデリックな空気感があったり、ジャズっぽいアプローチがあったり、ちょっとハード・ロックっぽく迫ったり、フォーキーだったり…。よくも悪くも試行錯誤しながら方向性を探っている。

でもその中で、ジョン・アンダーソンの少年合唱団的クリア・ヴォイスと、 クロスビー・スティルス&ナッシュに影響されたようなコーラス・ワーク、ビンビン響くクリス・スクワイアーのベースは、もう立派にイエス。実際、バーズの<I See You>やビートルズ<Every Little Thing>をカヴァーしていたりするのも、サイケな時代ならでは。ディープ・パープルの初期テトラグラマトン時代とか、ドアーズあたりにも共通する香りがあって、プログレと呼ぶよりは、アート・ロックなんて言葉が似合うかも。

その中でもカッコ良いのは、<Roundabout>のヒナ型と言えそうな<Looking Around>、プログレ時代の前哨戦的な<Survivor>あたり。前者は見事にアンダーソン=スクワイアの共作だから、やっぱりキモを掴んでいたのは、この2人だったんだな。