breakfast bandmick taylor
lenny zakatek 2111ma09

マンガのプロットでも敬遠されそうな感動ドラマを地で行ったWBC決勝のサムライ・ジャパン優勝劇。今日のブログ・ネタは野球にせざるを得ないか…、なんて思っていたら、いきなりロンドンから訃報が飛び込んできた。72年以降、ロンドンを拠点に活動されていたセッション・ベース奏者のクマ原田(本名:原田時芳)が、22日に亡くなったそうだ。現時点で死因は不明ながら、近しい関係だった布袋寅泰や小林桂子、南部昌江(故・松原正樹夫人)らが追悼コメントを出している。享年71歳。

クマ原田は、10代で惣領泰則らとシング・アウトを結成。NHKステージ101でレギュラーを務め、ヤマハ『第1回合歓ポピュラーフェスティバル'69』に出場して<涙をこえて>(中村八大作曲)で作曲グランプリを受賞。これがシング・アウトのデビュー曲となる。しかし彼は71年春にシング・アウトを離れ、ドイツへ渡ってロック・ミュージカル『ヘアー』に音楽監督・プレーヤーとして参加。翌年ロンドンに移り住むと、ジョナサン・ケリーのバンドに加入してツアーに出た。その頃からスタジオ・ワークを開始し、セッション仲間が参加するゴンザレスの一員となって、そこから一気に人脈が広がっていく。

とりわけ、マックス・ミドルトン周辺人脈とは関係が深く、上掲のミック・テイラーやレニー・ザカテクはその一例。マックス同様、ジェフ・ベック『BLOW BY BLOW』で活躍したリチャード・ベイリー(ds / 後にインコグニート)とは、ザ・ブレックファースト・バンドを組んで全英ヒットを飛ばしている。その他、ヴァン・モリソン、ピーター・グリーン、スノーウィー・ホワイト、ポール・キャラック、ビリー・オーシャン、リンダ・ルイス。ペンギン・カフェ・オーケストラらをサポート。日本人アーティストのロンドン・レコーディングではコーディネイターを務め、布袋や奥様の今井美樹以外にも、飯島真理や井上堯之、松原正樹、湯川潮音らのアルバムに参加していた。

ずいぶん前に、松原正樹さんのライブ打ち上げに顔を出したところ、帰国中だったクマさんに遭遇したことがある。ミュージシャン仲間で盛り上がっていて、挨拶もできず終いだったけれど、穏やかそうな方だった。

Rest in Peace...