
クルマの運転席をあしらったレコードというと、AOR系のファンなら真っ先にビル・ラバウンティ、ちょっとマニアックなところでフランキー&ザ・ノックアウツ、ジェイムス・リー・スタンリーとかを思い浮かべると思う。でも、このフォールンロックが浮かぶ人なんて、果たしているのかな? ただマイナーでも内容は悪くなくて、アルバムもシッカリとオールマン・ブラザーズなどで知られるキャプリコーンから出ている。しかもレーベル・イメージほどサザン・ロックはしてなくて、印象的にはカントリー寄りのウエストコースト・ロック。なるほど本拠地はナッシュヴィルだそうで。例えば、初期ドゥービー・ブラザーズから穏やかで地味めのナンバーだけを集めたような…、というのが近いかな。もちろん雰囲気は初期のビル・バラウンティにも…。
メンバーに、ポップ・カントリーの人気シンガー:デボラ・アレンの旦那で、80年にソロ作『PRISONER OF THE SKY』を出すシンガー・ソングライター/ギタリストのレイフ・ヴァン・ホイがいることで知る人ぞ知る存在だけれど、むしろバンドのインシアチヴを握っているのは他の2人、ラリー・キースとスティーヴ・ピピン。収録曲も、ほぼ彼らの共作らしく、ヴァン・ホイは1曲共作に名を連ねているだけのようだ。でも74年のワン&オンリー作にしては、サラッと耳触りの良いアコースティック・サウンドを創っていて、カントリー・フレイヴァーはホンノリ漂う程度。制作陣もナッシュヴィル系なのに、なかなか垢抜けている。スペシャル・サンクスには、スティーヴ・ギブソンやシェーン・ケイスターといった、後年の南部産AOR作の常連たちの名も。
実際ラリー・キースとスティーヴ・ピピンは、この後も ケニー・ロジャース、B.J.トーマス、グラディス・ナイト、ルー・ロウルズ、ドクター・フック、ロボらに楽曲提供したりしていて。中にはプレイヤー、ザ・ボーイズ・バンドにも書いていて、ほう〜
と唸らせられる。対してヴァン・ホイは、80年にデビューする奥様デボラに寄り添う活動が増えていくが、イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリーやケニー・ランキン、シーナ・イーストン、ダイアナ・ロスなど幅広く楽曲提供。カントリー・チャートでは常連になっていた。ダン・シールズが最初に歌った<Love Me Like The Last Time>は、マイケル・ジョンソンやジョーイ・スキャベリー、ジミー・ホール、マルシア・ハインズなどが歌うAOR系名曲のひとつといってイイだろう。
ほんわか渋くて、瞬時に耳を捕えるようなキャッチーさはない。けれど何やら愛着が湧くルーラルなオトナのゆる〜いロック。フェンダー・ローズじゃなくて、敢えてウーリッツァーを選ぶようなニュアンスが分かる方なら、ちょっと面白く聴けるかも。ま、落石には注意して(Watch for Fallenrock)
実際ラリー・キースとスティーヴ・ピピンは、この後も ケニー・ロジャース、B.J.トーマス、グラディス・ナイト、ルー・ロウルズ、ドクター・フック、ロボらに楽曲提供したりしていて。中にはプレイヤー、ザ・ボーイズ・バンドにも書いていて、ほう〜

ほんわか渋くて、瞬時に耳を捕えるようなキャッチーさはない。けれど何やら愛着が湧くルーラルなオトナのゆる〜いロック。フェンダー・ローズじゃなくて、敢えてウーリッツァーを選ぶようなニュアンスが分かる方なら、ちょっと面白く聴けるかも。ま、落石には注意して(Watch for Fallenrock)
アルバムタイトルもそのまんま♪