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英国の敏腕セッション・ベーシスト:ジョン・ギブリンが、14日、英南西部グロスター州にある温泉保養地として有名なチェルトナムで亡くなった。しばらく闘病生活を送っていたという。享年71歳。エレクトリックとウッド・ベース、双方を弾きこなし、とりわけフレットレス・ベースの名手として広く知られ、日本人アーティストのセッションにも数多く参加していた。

ギブリンはスコットランド生まれで、セッション活動を始めたのは70年半ばから。そこで知り合ったミュージシャンたちとの関わりからゴンザレスに参加し、レニー・ザカテクやコリン・ブランストーン、ダンカン・ブラウンらのセッションでプレイ。徐々に知名度を上げていった。

自分がこの人を意識するようになったのは、ブランドXの80年作『PRODUCT』から。「フレットレスの名手パーシー・ジョーンズがいるのにどうして?」と思ったが、次の『DO THEY HURT?』にも参加してベースを分け合った。オリジナル・ドラマーのフィル・コリンズがジェネシスとの掛け持ちで忙しくなり、バンドというより出入りの緩いユニットと化していたブランドXだから、フレットレスの2枚看板は、半ば彼らの売りにもなっただろう。

80年代に入ると、彼の存在は一気にクローズアップされていく。ケイト・ブッシュ『NEVER NOT EVER(魔物語)』の<Babooshka>を筆頭に、ピーター・ガブリエル『3』、フィル ・コリンズ『FACE VALUE』などで印象的なプレイを披露。他にもジョン・アンダーソン、クリス・デ・バー、ジョン・マーティン、エルキー・ブルックス、アラン・パーソンズ、シンプル・マインズなど、英国らしい深遠なサウンドメイクを施す時のキー・パーソン的な役割を担うようになった。ジョニー・ブリストル『FREE TO BE ME』(81年)への参加が意外だが、これは半分がガス・ダッジョン制作の英国録音。他にもジョン・レノン、ポール・マッカートニー、エリック・クラプトン、エヴァリー・ブラザーズ、デヴィッド・シルヴィアン、アン・レノックス、フィッシュ等など、多くのセッション歴がある。

日本勢では、82年の井上鑑『CRYPTOGRAM』に参加したのが最初だろうか。そこで鑑さんと意気投合し、一時はロンドンを拠点にした彼の重要ブレーンになっている。それもあってか、一気に日本人シンガーとの交流が増え、アン・ルイス、井上陽水、土屋昌巳、カヒミ・カリィ、濱田マリ、杏子、溝口肇らのアルバムにクレジットが見つかる。

それでもやっぱり、個人的にイメージが強いのはブランドX。今年3月にも結成メンバーだったロビン・ラムリーの逝去があったばかりなので、こりゃ寂しい…。

Rest in Peace...