日本を代表するブルース・ロック・ギタリスト:竹田和夫が率いるクリエイション。その代表作と竹田のソロ作合わせて11枚が、3回に分けて紙ジャケ・リイシューされる。75年のデビュー当時、まだ黎明期にあった和製ロック・シーンで大きな影響力を発揮。中学生だった自分も、そそくさとアルバムを買い、高校で組んだバンドではコピーもした。ただ初期3作と、ヒットが飛び出した『LONELY HEART』以外はCD化が遅れていて。それが今回揃って復刻されるということで、ボチボチと揃えようと。第1回分はもう5月に再発されているので、そこからこのスタジオ・ライヴ盤を。
この79年作『スタジオ・ライヴ!(THIS IS CREATION STUDIO LIVE IN DIRECT-TO-DISC RECORDING)』は、長ったらしい英題通りに、ダイレクト・レコーディング方式によるスタジオ・ライヴ盤。スタジオで演奏したものを、良い音のまま、テープに記録せずに直接ラッカー盤に刻み込んでしまうという手法で、アナログ盤の製造工程を大幅に短縮した。ただし一切のダビング不可。いっせーの、でスタートしたら、アナログ片面を一気に演奏する。途中で誰かが大きなミスを犯したら、ド頭からすべて録り直し。今となっては完全に過去の録音手法だけど、当時はフュージョン系を中心に、時々行われていた。最も有名なのはリー・リトナー&ジェントル・ソウツ。大ヒットしましたネ。要は確かな演奏力を問われるワケで、それがアーティストのステイタスにもなっていた。
でも時が経ってみると、音の良さは間違いないが、やり直しが利かない分、プレイヤーの緊張ぶりがビンビン伝わってきて、演奏に覇気がないというか、こじんまりと無難にまとまってしまっているケースが多い。録音モノとしてはサイコーでも、作品としては…? やはり一長一短アリ、ということで、結局定着せず、デジタル録音に駆逐されていくことになる。
彼らクリエイションにとっては、前年の『スーパー・ロック(Super Rock In The Highest Voltage)』に続くダイレクト・レコーディング第2弾。プロレスで有名な<Spinning Toe-Hold>、映画『危険な関係』主題歌<危険な関係のブルース >が話題になったり、TVドラマ『ムー一族』主題歌<暗闇のレオ>がヒットしていたものの、当時のバンドの内情はガタガタ。竹田とドラムの樋口晶之以外は、メンバーがコロコロと入れ替わっていた時期で、フリーやフェイセズで活躍した山内テツを迎えたこともあった。竹田もソロ作『MISTY MORNING FLIGHT』を出してクロスオーヴァー指向を見せ、いろいろ迷いがあったに違いない。クリエイションと竹田ソロの違いが曖昧になっていた時期でもあった。そういう状況下、バンドへの求心力を高める意味もあって、こういうダイレクト・レコーディング企画を続けたと思われる。この時点のメンバーは竹田、樋口に、チェピート竹内(b)桜井久夫(org)包国充(sax)の5人。そしてゲストにプリズムを抜けて間もない森園勝敏(g)近田春夫(kyd)アイ高野/清水保夫(vo,perc)にホーン・スペクトラムほか。本作後、アイ高野はそのまま正式メンバーに迎えられた。
クリエイションのアルバムとしては、フェリックス・パパラルディとの共演作含め通算5作目。収録曲は本作用に竹田や参加メンバーが持ち寄った楽曲ばかり。実質的には竹田と森園がツー・トップを張り、アイ高野/清水保夫のコーラスが脇を固めるカタチを取る。久しぶりに聴いたら、森園のヴォーカル・パートが意外に多くて驚いたが、アティチューズ<Street Scene>(ダニー・コーチマー作)を演ってたりして、持ち味を発揮。ギターは竹田に遠慮したところもあるけど、全体としてスタジオ・セッションを楽しむべきアルバムだ。
振り返ってみると、自分がクリエイションをチェックしていたのは、実はココまで。このあと竹田は大幅にメンバーを入れ替え、少しして『LONELY HEART』を成功させる。でももうその頃は、自分はクリエイションに興味を失っていたんだな…
でも時が経ってみると、音の良さは間違いないが、やり直しが利かない分、プレイヤーの緊張ぶりがビンビン伝わってきて、演奏に覇気がないというか、こじんまりと無難にまとまってしまっているケースが多い。録音モノとしてはサイコーでも、作品としては…? やはり一長一短アリ、ということで、結局定着せず、デジタル録音に駆逐されていくことになる。
彼らクリエイションにとっては、前年の『スーパー・ロック(Super Rock In The Highest Voltage)』に続くダイレクト・レコーディング第2弾。プロレスで有名な<Spinning Toe-Hold>、映画『危険な関係』主題歌<危険な関係のブルース >が話題になったり、TVドラマ『ムー一族』主題歌<暗闇のレオ>がヒットしていたものの、当時のバンドの内情はガタガタ。竹田とドラムの樋口晶之以外は、メンバーがコロコロと入れ替わっていた時期で、フリーやフェイセズで活躍した山内テツを迎えたこともあった。竹田もソロ作『MISTY MORNING FLIGHT』を出してクロスオーヴァー指向を見せ、いろいろ迷いがあったに違いない。クリエイションと竹田ソロの違いが曖昧になっていた時期でもあった。そういう状況下、バンドへの求心力を高める意味もあって、こういうダイレクト・レコーディング企画を続けたと思われる。この時点のメンバーは竹田、樋口に、チェピート竹内(b)桜井久夫(org)包国充(sax)の5人。そしてゲストにプリズムを抜けて間もない森園勝敏(g)近田春夫(kyd)アイ高野/清水保夫(vo,perc)にホーン・スペクトラムほか。本作後、アイ高野はそのまま正式メンバーに迎えられた。
クリエイションのアルバムとしては、フェリックス・パパラルディとの共演作含め通算5作目。収録曲は本作用に竹田や参加メンバーが持ち寄った楽曲ばかり。実質的には竹田と森園がツー・トップを張り、アイ高野/清水保夫のコーラスが脇を固めるカタチを取る。久しぶりに聴いたら、森園のヴォーカル・パートが意外に多くて驚いたが、アティチューズ<Street Scene>(ダニー・コーチマー作)を演ってたりして、持ち味を発揮。ギターは竹田に遠慮したところもあるけど、全体としてスタジオ・セッションを楽しむべきアルバムだ。
振り返ってみると、自分がクリエイションをチェックしていたのは、実はココまで。このあと竹田は大幅にメンバーを入れ替え、少しして『LONELY HEART』を成功させる。でももうその頃は、自分はクリエイションに興味を失っていたんだな…
でも森園が歌っていた時期があったんですね。彼の作る曲と歌は妙に好きなので聴いてみたいなと興味がわきました。