TOTOジャパン・ツアー2023の最終日@日本武道館。お馴染みのメンバーが少ない、なんて声も少なくないけど、それでもアリーナは超満員。自分的には、隣に座ったオヤジの体臭が強力で、最後までココに居られるか?なんて不安がよぎってしまったが、まぁ、いつしか忘れてステージに没頭していましたワ
来日メンバーは、唯一のオリジナル・メンバーであるスティーヴ・ルカサー、3代目シンガーで今やルークの参謀役として信頼が高まるジョセフ・ウィリアムズ、そしてフィーチャリング・ラインアップとしてジョン・ピアース(b)、ロバート “スパット” シーライト(ds)、ドミニク “エグゼヴィア” タプリン(kyd)、スティーヴ・マッジオラ(kyd,vo)という6人。体調を崩したウォーレン・ハム(perc,vo)がドクター・ストップで急遽不参加となったが、コーラス面で貢献していた彼の穴は、見事スティーヴ・マッジオラが埋めていて、欠落感はほとんどない。
でもデビュー45年のもキャリアがあると、創設メンバーに思い入れがある、ドラムはサイモン・フィリップスがデフォルト…など、世代によって想いは様々。最近だとカヴァーやネタになった<Africa>でTOTOを知った、という人もいるかな? 新しい曲が少なすぎるなんて驚きの声も耳にしたけど、オールド・ファンから見たら、<Orphan>はおろか、06年<Falling In Between>やビートルズ・カヴァー<With A Little Help from My Friends>(アレンジはジョー・コッカー風)だって新しく感じてしまうワケで。
そういう意味では、今回のツアーで一番意外だったのは、<Waiting for Your Love>だったかな? 実は密かに人気の高い楽曲だけど、ステージ映えするタイプの楽曲ではない。だったら最新スタジオ・ライヴで演ってるジョセフ時代の<Till The End>や<Stop Loving You>の方が良かったかも…、と個人的に。<You Are The Flower>は<I’ll Supply The Love >と入れ替わったのカモね? そんな欲張りはありつつも、相対的にはなかなかバランスにの良いセットリストではなかったか?
新生TOTOにジョン・ピアースが参加していたのも、自分的には腑に落ちた。メンバー紹介でも、ルークに肩を組まれ、「ガキの頃から知ってるヤツだ。スティル・ライフ(TOTOの前身)でも一緒だった」と言われていたが、すなわち、デヴィッド・ハンゲイトやマイク・ポーカロがいなければ、この人が創設メンバーでも不思議じゃなかった立場のヒト。パブロ・クルーズやヒューイ・ルイス&ザ・ニュースへの参加が知られるけれど、ボズ・スキャッグス<Jojo>のベースは彼だし、ビル・チャンプリン『RUNAWAY』の時にメインでベースを弾いていたのも彼。リー・スクラーやネイザン・イーストほど目立たないものの、スクール・バンド的なノリを好むルークなら、もっと早くに起用して然るべきプレイヤーだった。デヴィッド・ペイチが帯同できない今、他の実務派3人に比べると、彼はジョセフ同様、近くにいてくれると安心できる人材なのだと思われる。
そのジョセフの存在も、来日回数を重ねるごとに大きくなってきた。シンガーとしては言うまでもないが、ルークの参謀役として自信を深めているのが分かる。また恰幅が良くなってきた感はあるけれど、ボビー・キンボールと違ってハイトーンもシッカリ。MCはほとんどルーク任せなので、もう少し前へ出てきて良い気はするが、所詮 仕切り役にはなれないので、その辺はわきまえているというか、居心地のいい立ち位置なのかも。<Pamela>はチャンと自分で紹介していたし、<Africa>のエンディングのコール&レスポンスも音頭を取っていたし。
ルークもただヤンチャなだけじゃなく、少しオトナになったというか、よりアンサンブルを重視するようになった印象が。 <White Sister>や<Kingdom Of Desire>など、弾きまくる曲では相変わらず弾きまくるが、ペイチというコントロール役がステージ上にいなくなった分、前よりも出るトコ引くトコのバランスを考えているように見える。もちろんデビュー当時みたいに万事コントロールしているワケではないが、至ってクリーンな日常生活を送っている昨今、ギター・プレイやバンド牽引術にもそうしたスタンスが滲んできたのかも。ファンク度を強めてメリハリをつけた<Georgy Porgy>も新鮮だった。
初来日から要所要所でライヴを観ていると、バンドとしての凄み、みたいなモノは、若干薄くなっている気がする。でも一方で、すごくシュアな感じがして、メンバーのコンディションや気分次第で出来不出来が決まってしまうような、そんな危うさは120%消え失せた。スタッフに聞いたところでは、全8公演、セットリストはすべて同じだったそうである。
現時点で発表されているのは、クリスマスのヨーロッパ公演まで。ルークとジョセフが健在ならばTOTOは続けていけるだろうから、是非<Africa>のリヴァイヴァルよろしく、リアルなライヴ・バンドの魅力を次世代へと広く伝えてほしいものである。
1. Orphan
2. Afraid Of Love
3. Hold The Line
4. Falling In Between
5. I’ll Be Over You 〜Xavier Solo
6. White Sister
7. Georgy Porgy
8. Pamela
9. Kingdom Of Desire 〜Sput Solo
10. Waiting for Your Love
11. I’ll Supply The Love
12. Home Of The Brave 〜Band Introductions
13. Rosanna
14. Africa
-- Encore --
15. With A Little Help from My Friends
2019年2月、前回の来日公演 report はこちらから
公演前日 Steve Lukather 本人を迎えての自伝出版記念イベントの Report
※TOTO official より
でもデビュー45年のもキャリアがあると、創設メンバーに思い入れがある、ドラムはサイモン・フィリップスがデフォルト…など、世代によって想いは様々。最近だとカヴァーやネタになった<Africa>でTOTOを知った、という人もいるかな? 新しい曲が少なすぎるなんて驚きの声も耳にしたけど、オールド・ファンから見たら、<Orphan>はおろか、06年<Falling In Between>やビートルズ・カヴァー<With A Little Help from My Friends>(アレンジはジョー・コッカー風)だって新しく感じてしまうワケで。
そういう意味では、今回のツアーで一番意外だったのは、<Waiting for Your Love>だったかな? 実は密かに人気の高い楽曲だけど、ステージ映えするタイプの楽曲ではない。だったら最新スタジオ・ライヴで演ってるジョセフ時代の<Till The End>や<Stop Loving You>の方が良かったかも…、と個人的に。<You Are The Flower>は<I’ll Supply The Love >と入れ替わったのカモね? そんな欲張りはありつつも、相対的にはなかなかバランスにの良いセットリストではなかったか?
新生TOTOにジョン・ピアースが参加していたのも、自分的には腑に落ちた。メンバー紹介でも、ルークに肩を組まれ、「ガキの頃から知ってるヤツだ。スティル・ライフ(TOTOの前身)でも一緒だった」と言われていたが、すなわち、デヴィッド・ハンゲイトやマイク・ポーカロがいなければ、この人が創設メンバーでも不思議じゃなかった立場のヒト。パブロ・クルーズやヒューイ・ルイス&ザ・ニュースへの参加が知られるけれど、ボズ・スキャッグス<Jojo>のベースは彼だし、ビル・チャンプリン『RUNAWAY』の時にメインでベースを弾いていたのも彼。リー・スクラーやネイザン・イーストほど目立たないものの、スクール・バンド的なノリを好むルークなら、もっと早くに起用して然るべきプレイヤーだった。デヴィッド・ペイチが帯同できない今、他の実務派3人に比べると、彼はジョセフ同様、近くにいてくれると安心できる人材なのだと思われる。
そのジョセフの存在も、来日回数を重ねるごとに大きくなってきた。シンガーとしては言うまでもないが、ルークの参謀役として自信を深めているのが分かる。また恰幅が良くなってきた感はあるけれど、ボビー・キンボールと違ってハイトーンもシッカリ。MCはほとんどルーク任せなので、もう少し前へ出てきて良い気はするが、所詮 仕切り役にはなれないので、その辺はわきまえているというか、居心地のいい立ち位置なのかも。<Pamela>はチャンと自分で紹介していたし、<Africa>のエンディングのコール&レスポンスも音頭を取っていたし。
ルークもただヤンチャなだけじゃなく、少しオトナになったというか、よりアンサンブルを重視するようになった印象が。 <White Sister>や<Kingdom Of Desire>など、弾きまくる曲では相変わらず弾きまくるが、ペイチというコントロール役がステージ上にいなくなった分、前よりも出るトコ引くトコのバランスを考えているように見える。もちろんデビュー当時みたいに万事コントロールしているワケではないが、至ってクリーンな日常生活を送っている昨今、ギター・プレイやバンド牽引術にもそうしたスタンスが滲んできたのかも。ファンク度を強めてメリハリをつけた<Georgy Porgy>も新鮮だった。
初来日から要所要所でライヴを観ていると、バンドとしての凄み、みたいなモノは、若干薄くなっている気がする。でも一方で、すごくシュアな感じがして、メンバーのコンディションや気分次第で出来不出来が決まってしまうような、そんな危うさは120%消え失せた。スタッフに聞いたところでは、全8公演、セットリストはすべて同じだったそうである。
現時点で発表されているのは、クリスマスのヨーロッパ公演まで。ルークとジョセフが健在ならばTOTOは続けていけるだろうから、是非<Africa>のリヴァイヴァルよろしく、リアルなライヴ・バンドの魅力を次世代へと広く伝えてほしいものである。
1. Orphan
2. Afraid Of Love
3. Hold The Line
4. Falling In Between
5. I’ll Be Over You 〜Xavier Solo
6. White Sister
7. Georgy Porgy
8. Pamela
9. Kingdom Of Desire 〜Sput Solo
10. Waiting for Your Love
11. I’ll Supply The Love
12. Home Of The Brave 〜Band Introductions
13. Rosanna
14. Africa
-- Encore --
15. With A Little Help from My Friends
2019年2月、前回の来日公演 report はこちらから
公演前日 Steve Lukather 本人を迎えての自伝出版記念イベントの Report
※TOTO official より