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当然のごとく、山下達郎『RCA / AIR YEARS Vinyl Collection』第4弾、我が家にも届いています。今回は、1stソロの『CIRCUS TOWN』と2ndソロ『SPACY』。でも自分は締切続きで、しばらくは聴けないままお預け状態になりそうですが…。ただエセや俄かがスッカリ消え失せて、一時の喧騒がなくなってきたのは何より。余計なコトは気に留めず、ジックリとレコードの音と対峙できそうだ。

『CIRCUS TOWN』は自分にとって、ド頭の2曲、<Circus Town>と<Windy Lady>に尽きる。初めて聴いたのは79年で、多分『MOONGLOW』が出る出ないか、というタイミング。特に<Windy Lady>のスケール感のあるグルーヴにヤラレてしまって。ウィル・リーは既に知っていたが、こんなにアグレッシヴなベースを弾くんだ!と思った。ドラムのアラン・シュワルツバーグを意識するようになったのも、このアルバムから。ニューヨークのセッション・マンだけれど、実はマウンテンの元メンバー。またオフィシャルではないけれど、セッション・ワークを始めて間もない頃のビル・チャンプリンが、この曲の同じオケで歌っているの聴いた時も、ブッ飛んだ

この2曲を含むニューヨーク・サイド(アレンジはチャーリー・カレロ)に比較すると、L.A.サイドは如何にも小振りで軽い感じ。鍵盤のジョン・ホッブス、駆け出しだったギターのビリー・ウォーカーは、後にジョー・シャーメイ・バンドのメンバーとなる。ホッブスにはフリーウェイというプロジェクトもあったな。<永遠に>と<ラスト・ステップ>は、吉田美奈子『FLAPPER』への書き下ろしのセルフ・ヴァージョン。達郎さんを意識するようになった時に、『CIRCUS TOWN』のアルバム・カヴァーを見て、「あ、コレ知ってる」と思ったが、きっと音楽雑誌で記事か広告を目にしていたからだろう。

で、『CIRCUS TOWN』発売から半年後の77年6月に出たのが『SPACY』。自分にとっての達郎ファイヴァリット。『FOR YOU』ももちろん捨てがたいけど、自分の中ではハッキリとこちらに軍配が上がる。それは開放的でマスに向けて作られた『FOR YOU』に対し、内省的なインナー・ワールドを万華鏡のように彩っている『SPACY』、という違いからか。チャーリー・カレロから貰ったスコアを研究しまくって作った、というエピソードは有名だけれど、それはつまり、バジェットとかセールスとかを意識せず、素直に自分のやりたいことだけを貫いた、というコト。そして『SPACY』後は、しばし外的プレッシャーとの戦いになっていく。

村上ポンタ秀一/細野晴臣/松木恒秀/佐藤博/大村憲司らを集めた理想的ユニット、上原ユカリ/田中章弘/坂本龍一をベースにしたお仲間セッション、そして後の一人多重録音の基礎となる弾き語り+アルファの楽曲たち。それらが絶妙なバランスを保ちながら、コンセプト・アルバムのようなトータル感で迫ってくる。それでいて『FOR YOU』のような極彩色ではなく、透明感を持って染みてくるのが大きな特徴。ペーター佐藤のアートワークも含め、統一されたクリアーなイメージがある。きっと自分は、その透き通った音の世界観に魅せられてきたのだな。