引き続き【Boardwalk Records Original Master Collection】の復刻第2弾5作品の中から、もう1枚。アトランティック・スター、ミッドナイト・スターと並ぶ、80年代ブラック・ミュージック・シーン3大 “スター” グループ、スターポイントの、83年発表通算5作目。この3大 “スター” グループ、よく言われるコトだけれど、名前の他にも活動時期、兄弟がバンドの中心、女性シンガーがフロントにいるなど共通点が多く、しかもセルフ・コンテインドの大型ヴォーカル&インストゥルメンタル・グループとしてスタートしながら、プログラミング時代の到来にもうまく対応し、まさに80年代のブラック・コンテンポラリー・シーンを先導していった感がある。
そんな中でも、一番ブレが少なくシュアーな活動を見せていたのが、このスターポイント。東海岸メリーランド州のクラウンズヴィル出身のフィリップス4兄弟と、女性シンガー:リネイ・ディッグスらから成る6人組だ。新進プロデューサーのライオネル・ジョブに見出されるカタチで、カサブランカの傍系Chocolate Cityから80年にデビュー。ちょうど10年間で10枚のアルバムをコンスタントに発表している。この5作目は、前期Chocolate City期と、後期エレクトラ期の端境期に出されたモノ。Chocolate Cityのクローズで、新興ボードウォークに迎えられたはイイが、本作発売から間もなくして、そのボードウォークも閉鎖される憂き目に。それでもすぐにエレクトラから声が掛かり、その後の活動ベースになった。それも次のアルバムから、ではなく、本作自体も出し直され、新たなシングル・カットも。レーベル倒産のタイミングも大きいが、それだけ彼ら自身にも破竹の勢いがあったワケで。ずーっと二人三脚で歩んできたライオネル・ジョブの制作手腕も見逃せない。
このようにマネージメント面では荒波にさらされたスターポイント。でも作品的には至って順調。彼らの場合、飛び抜けて コレ と言えるような代表作がなくて困ってしまうが、本作も充実度ではトップ・クラス。ジャクソンズ風、ダズ・バンド風、ザ・タイム風、ティーナ・マリー風に、スター仲間のミッドナイト・スター風、アトランティック・スター風と、今イチ強力な個性を欠くけれど、単に器用だとか二番煎じというのではなく、時代の音に対する嗅覚やセンス、それをスンナリ取り込んでしまう柔軟性や実力を備えている。ミッドナイト・スターやアトランティック・スターがニュージャック・スイングに対応しきれずに堕ちていったのに対し、スターポイントは逆に本丸のテディ・ライリーと組み、アルバムを発表。そのしたたかさに驚かされたモノだった。もっともサスガに長続きはしなかったけれど。
リード・シンガーのリネイ・ディッグスの上手さも絶品。しなやかで柔軟なセンスはまさに彼女の持ち味だ。ファンク・バンドのフロントとしては若干小振りにも思えるが、その分パンチ力があって、スパイスが効いている。マイケル・フランクスの82年作『OBJECTS OF DESIRE(愛のオブジェ)』の<Love Duet>は、まさにこのレネイ嬢とのデュエットだった。
このようにマネージメント面では荒波にさらされたスターポイント。でも作品的には至って順調。彼らの場合、飛び抜けて コレ と言えるような代表作がなくて困ってしまうが、本作も充実度ではトップ・クラス。ジャクソンズ風、ダズ・バンド風、ザ・タイム風、ティーナ・マリー風に、スター仲間のミッドナイト・スター風、アトランティック・スター風と、今イチ強力な個性を欠くけれど、単に器用だとか二番煎じというのではなく、時代の音に対する嗅覚やセンス、それをスンナリ取り込んでしまう柔軟性や実力を備えている。ミッドナイト・スターやアトランティック・スターがニュージャック・スイングに対応しきれずに堕ちていったのに対し、スターポイントは逆に本丸のテディ・ライリーと組み、アルバムを発表。そのしたたかさに驚かされたモノだった。もっともサスガに長続きはしなかったけれど。
リード・シンガーのリネイ・ディッグスの上手さも絶品。しなやかで柔軟なセンスはまさに彼女の持ち味だ。ファンク・バンドのフロントとしては若干小振りにも思えるが、その分パンチ力があって、スパイスが効いている。マイケル・フランクスの82年作『OBJECTS OF DESIRE(愛のオブジェ)』の<Love Duet>は、まさにこのレネイ嬢とのデュエットだった。