sentimental city romance 20th live

結成50周年を記念して、ベスト盤だのアナログ再発だのライヴ企画だのと、何かと話題の多い今年のセンチメンタル・シティ・ロマンス。6月に出た2枚組ベストとよく似たアートワークなので混同しそうだが、コチラは93年に行われた20周年記念ライヴ盤の増量復刻。当時のCDには未収録のトラック9曲を追加し、“half-century edition”として2枚組でリイシューされた。

メンバーは、故・中野督夫 (vo, g)、今は脱退し要所要所でゲスト参加する告井延隆 (vo, g)、現在も屋台骨を支え続ける細井豊(vo, key) に、近藤文雄 (ds, cho) 、久田潔 (b, cho)、このライヴから復帰した野口明彦 (vo, ds) という顔ぶれ。ツイン・ドラム期であることに加え、今となっては全盛期と言えるようなラインナップが揃った貴重なライヴ`レコーディングとなった。

その甲斐あってか、センチの魅力が余すところなくパッケージされている印象。実はオリジナル発売時の音源は聴いていないのだが、2枚組に増量されたことで、ダイジェストではオミットされちゃいそうな、地味なんだけど滋味溢れる彼らの魅力がジワジワと伝わってくる。特筆すべきは、督さん、告井さん、ユタさんを中心とするハーモニーの充実度。ライヴでココまでやってたバンドは、なかなかいないはずで、本格的なウエストコースト・ロック〜カントリー・ロック指向と相まって、ホントに貴重な存在だと思う。それが今はユタさんと野口さんが残っているだけで、若手が中心。督さんを失った穴は大きいけれど、それでもワン&オンリーの存在には違いないから、看板を守りつつ頑張って欲しいと思う。

周年だからといって、無駄にチカラが入っていないところがセンチらしく、それは当時も今も変わらないところ。ファンキーな<相合傘>を聴いていたら、はっぴいえんどよりもむしろ、リトル・フィートを聴きたくなってしまったよ。