ココで書いた【エアロスミス vs キッス・ランキング】特集掲載のレコードコレクターズ誌10月号がようやく手元に。併せて、エアロスミスの50周年記念オールタイム・ベスト『GREATEST HITS』も既にゲットしてある。単なるオールタイム・ベストなら、全作手元にあるので今更買ったりしないが、今回は1CDの通常盤をベースに、そのデラックス・ヴァージョン3枚組、内容の異なるライヴ盤を抱き合わせた日本独自企画の2枚組が3ヴァージョン、そしてそれらをすべて盛り込んだ特大盤『GREATEST HITS ~Deluxe Edition + LIVE COLLECTION』6枚組 と、ヴァリエーション豊か。特にライヴ・ディスクは日本のみのスペシャル企画というコトで、まんまと6枚組に手を出してしまった。
しかもDisc-1は、通常盤1CD(ライヴとの抱き合わせ2枚組仕様含む)と、3枚組とで内容が違う。前者は90年代までの代表的18曲をクロノロジカルに収録。でも後者は70年代だけにフォーカスし、名作『ROCKS』までが対象。その分ブルース・カヴァー<Big Ten Inch Record>や<Adam's Apple>みたいな、初期エアロの濃厚イメージを形成した曲にもスポットを当てている。
デラックス盤3枚組のdisc 2は、通常盤から移動してきた『ROCKS』主要曲に始まり、低迷期を跨いで80年代いっぱい、『PUMP』までの楽曲をコンパイル。興味深いのは、『DRAW THE LINE』収録の実質的ジョー・ペリー・ソロ曲<Bright Light Flight>、オリジナル・ラインアップが復活した85年作『DONE THE MIRRORS』収録のジョー・ペリー・プロジェクトのリメイク<Let The Music Do The Talking>、そして<Walk This Way>のRun DMCヴァージョンまで入っていること。まさにジョーの存在の大きさとバンドの低迷〜復帰の流れを連動させたアピールだ。『PERMANENT VACATION』や『PUMP』からのヒット曲も、ヴァージョン違いやライヴ盤から引っ張ってくるなど、手が込んでいる。その一方で、79年『NIGHT IN THE RUTS』、82年『ROCK IN A HARD PLACE』からはセレクトなしというあたりに、このベスト盤制作に関わったバンドの意図が透けて見える。
そしてdisc 3にもメンバーの影が。表向きは90年代から現時点での最新作『MUSIC FROM ANOTHER DIMENSION!』(12年)までの代表曲を集成しているが、よく見ると、すべて外部ライターからの提供 or メンバーとの共作曲。そのハイライトが、映画『アルマゲドン』に提供してバンド初の全米No.1に立ったダイアン・ウォーレン作<I Don't Want To Miss A Thing>だ。それらを敢えてこうしてワン・ディスクにまとめて見せた点に、彼らのポテンシャルと時代への適応性の高さを思い知る。ただ同時に、人様の手を借りて生き長らえてきた自分たちへの戒め、気恥ずかしさの裏返しだったりするのかも。ラスト前の最新作からのチョイスが、ダイアン・ウォーレン楽曲ながらシングル・カットもなかった<We All Fall Down>であること、disc1 にはブルース・カヴァーを選んでおきながら、04年のカヴァー・アルバム『HONKIN' ON BOBO』がスルーされているのを考えるにつけ、「これが現在のエアロスミスなんだ」というプライドと悲哀が綯い交ぜになっていると思えてしまう。
3種類のライヴ盤は、『LIVE FROM THE SOUNDBOARD (ライヴ・ベスト) 1977-2016』の Vol.1 / 2と『ROCK FOR THE RISING SUN(ライヴ・イン・ジャパン2011)』。『ライヴ・ベスト』はVol.1 / 2共に、77年ヒューストン、89年メリーランド、93年ピッツバーグ、03年デトロイト、 16年メキシコシティでの録音が各2曲づつ、というまったく同じ構成で、メンバーが日本向けに選曲したそう。Vol.1は初期代表曲の連発で始まるが、3曲目以降は復活後の楽曲のみ。対してVol.2は70年代の楽曲が多め。ここにも入ってる<Adam's Apple>、スティーヴンとブラッド・ホイットフォード共作<Nobody's Fault>あたりに、何か意味がありそうだ。ハッキリした選曲意図は不明だけれど、いつ何処で演っててもオレたちは不変、という主張なのかな?
『ライヴ・イン・ジャパン2011』は、13年に発売された映像作品のCD化で、11年末のジャパン・ツアー7ヶ所からの収録。アリーナやドーム公演ばかりなので、若干大味なのは仕方ないが、野性味溢れる演奏は相変わらず。キッスみたいにファンタジーで年齢や時間経過を感じさせないアイディアもスゴイが、肉体派であるエアロの生々しさは やはり特筆に値しよう。
現在フェアウェル・ツアー中の彼らだが、なんでもスティーヴンが喉を痛めたらしく、しばし中断されているとか。シッカリ直して、万全の体制で有終の美を飾ってほしいものである。
ちなみに、エアロやキッスへ個人的思い入れは、是非レコードコレクターズ誌の特集をご覧いただきたく。どちらも前のめりで聴いていたのは70年代だけど、クイーン含め、自分たちと共に成長したロック・バンドという思いが強いのだよ。
デラックス盤3枚組のdisc 2は、通常盤から移動してきた『ROCKS』主要曲に始まり、低迷期を跨いで80年代いっぱい、『PUMP』までの楽曲をコンパイル。興味深いのは、『DRAW THE LINE』収録の実質的ジョー・ペリー・ソロ曲<Bright Light Flight>、オリジナル・ラインアップが復活した85年作『DONE THE MIRRORS』収録のジョー・ペリー・プロジェクトのリメイク<Let The Music Do The Talking>、そして<Walk This Way>のRun DMCヴァージョンまで入っていること。まさにジョーの存在の大きさとバンドの低迷〜復帰の流れを連動させたアピールだ。『PERMANENT VACATION』や『PUMP』からのヒット曲も、ヴァージョン違いやライヴ盤から引っ張ってくるなど、手が込んでいる。その一方で、79年『NIGHT IN THE RUTS』、82年『ROCK IN A HARD PLACE』からはセレクトなしというあたりに、このベスト盤制作に関わったバンドの意図が透けて見える。
そしてdisc 3にもメンバーの影が。表向きは90年代から現時点での最新作『MUSIC FROM ANOTHER DIMENSION!』(12年)までの代表曲を集成しているが、よく見ると、すべて外部ライターからの提供 or メンバーとの共作曲。そのハイライトが、映画『アルマゲドン』に提供してバンド初の全米No.1に立ったダイアン・ウォーレン作<I Don't Want To Miss A Thing>だ。それらを敢えてこうしてワン・ディスクにまとめて見せた点に、彼らのポテンシャルと時代への適応性の高さを思い知る。ただ同時に、人様の手を借りて生き長らえてきた自分たちへの戒め、気恥ずかしさの裏返しだったりするのかも。ラスト前の最新作からのチョイスが、ダイアン・ウォーレン楽曲ながらシングル・カットもなかった<We All Fall Down>であること、disc1 にはブルース・カヴァーを選んでおきながら、04年のカヴァー・アルバム『HONKIN' ON BOBO』がスルーされているのを考えるにつけ、「これが現在のエアロスミスなんだ」というプライドと悲哀が綯い交ぜになっていると思えてしまう。
3種類のライヴ盤は、『LIVE FROM THE SOUNDBOARD (ライヴ・ベスト) 1977-2016』の Vol.1 / 2と『ROCK FOR THE RISING SUN(ライヴ・イン・ジャパン2011)』。『ライヴ・ベスト』はVol.1 / 2共に、77年ヒューストン、89年メリーランド、93年ピッツバーグ、03年デトロイト、 16年メキシコシティでの録音が各2曲づつ、というまったく同じ構成で、メンバーが日本向けに選曲したそう。Vol.1は初期代表曲の連発で始まるが、3曲目以降は復活後の楽曲のみ。対してVol.2は70年代の楽曲が多め。ここにも入ってる<Adam's Apple>、スティーヴンとブラッド・ホイットフォード共作<Nobody's Fault>あたりに、何か意味がありそうだ。ハッキリした選曲意図は不明だけれど、いつ何処で演っててもオレたちは不変、という主張なのかな?
『ライヴ・イン・ジャパン2011』は、13年に発売された映像作品のCD化で、11年末のジャパン・ツアー7ヶ所からの収録。アリーナやドーム公演ばかりなので、若干大味なのは仕方ないが、野性味溢れる演奏は相変わらず。キッスみたいにファンタジーで年齢や時間経過を感じさせないアイディアもスゴイが、肉体派であるエアロの生々しさは やはり特筆に値しよう。
現在フェアウェル・ツアー中の彼らだが、なんでもスティーヴンが喉を痛めたらしく、しばし中断されているとか。シッカリ直して、万全の体制で有終の美を飾ってほしいものである。
ちなみに、エアロやキッスへ個人的思い入れは、是非レコードコレクターズ誌の特集をご覧いただきたく。どちらも前のめりで聴いていたのは70年代だけど、クイーン含め、自分たちと共に成長したロック・バンドという思いが強いのだよ。