全盛期フリートウッド・マックのライヴ音源がオフィシャル・リリース。…ということで、無条件でゲットしました。全時代を通して発掘ライヴ音源が多数リリースされているマック。けれどその長いキャリアで、シッカリしたリリース・プランに則ってオンタイムで世に出たライヴ盤は、実は79〜80年の『TUSK』ツアーでレコーディングされた2枚組『FLEETWOOD MAC LIVE』しかない。97年には同じ編成で『THE DANCE』を出しているが、既にマックを離脱していたスティーヴィー・ニックスやリンジー・バッキンガムを呼び戻しての実質的再結成盤だったから、同列には語れないし、語りたくもないのだ。
一方で70年代後半〜80年代初頭、アルバムで言えば『FLEETWOOD MAC(ファンタスティック・マック)』、『RUMOURS』『TUSK』の頃のライヴ音源は、今はそれなりの数が出回っている。それぞれのアルバムのデラックス・エディション・ボックスが組まれた際に、その時々のツアーのライヴが入っているのだ。特に『TUSK』ボックスのライヴ2CDは、16年のレコード・ストア・デイ限定で3枚組アナログ盤で限定リリースされ、『FLEETWOOD MAC LIVE』を補完する形になっていた。
今回登場した『RUMOURS LIVE』は、その名の通り、空前の大ヒット・アルバム『RUMOURS』リリースに合わせて行われたツアーの中から、L.A.のザ・フォーラムで行われた77年8月29日のライヴ・パフォーマンスを収めたもの。この時マックはザ・フォーラムで3公演を行なっており、その中から状態の良いこの日のライヴを収めたようだ。『FLEETWOOD MAC LIVE』のデラックス・エディションに収録された<Gold Dust Woman>以外は、すべて未発表ライヴ音源。故にスタジオでの修正やオーヴァーダビングは為されておらず、演奏やヴォーカルはスタジオ盤に比べて結構荒削りなのが特徴だ。エキセントリックな性格とされるリンジー・バッキンガムが、繊細さとワイルドさが背中合わせのようなデンジャラスなプレイを聴かせるのは面白くも納得だが、スティーヴィー・ニックスの妖艶かつ鬼気迫るヴォーカルに驚く人も多いのでは? 特に<Rhiannon>での絶唱は、 “凄まじい” のひと言。日本にはあまり伝わらないけど、彼女が今のUSでカリスマ的な人気を誇るのは、こうした磁場の強いパフォーマンスあってこそだろう。最近ファンがアップしたSNSがバズって<Dreams>がリヴァイヴァル・ヒットしたのが記憶に新しいが、現在のマック人気は、ほぼスティーヴィーが支えているのが実情。だからこの頃 音楽面での牽引役だったリンジーが、今は彼女と仲違いしてバンドに戻れないでいる。
『RUMOURS LIVE』ツアーのライヴ音源は、言うまでもなく『RUMOURS』デラックス・エディション・ボックスにも12曲ほど入っていた。ただしこの曲数で分かるようにフル・ステージではなく、オクラホマシティ、タルサ、ナッシュヴィル、コロンビア(サウス・キャロライナ)各公演からの抜粋。今回のライヴ盤より少し前に録音されたモノが多いようだ。何故か今回は未収録の<Don't Stop>も入っているので、これは日替わりメニューだったようである。でもその当時のステージの様子が手に取るように分かるのは、間違いなく今回の『RUMOURS LIVE』だ。
おそらく『RUMOURS』ツアーは、翌年の初来日公演を含め、すべて記録されているのだろう。ライヴ・パフォーマンスを売りにしたグループではないから、最近よくあるライヴ・ブートレッグ・シリーズのようなモノは出てこないと思うけれど、こうしていろいろなライヴ音源が出揃ってくると、マックが上昇機運に乗っていた『RUMOUR』と『TUSK』のツアーこそが、彼らのピークだったと実感する。『TUSK』の方は編集された『FLEETWOOD MAC LIVE』よりも『TUSK』ボックスの方が生々しくて臨場感が豊富。そして『RUMOURS』ツアーは、この『RUMOURS LIVE』がベスト。当時、硬派のロック・ファンからは、散々「軟弱だ」と揶揄されたマックだけれど、このライヴを聴けば、その実態も伝わるに違いない。
今回登場した『RUMOURS LIVE』は、その名の通り、空前の大ヒット・アルバム『RUMOURS』リリースに合わせて行われたツアーの中から、L.A.のザ・フォーラムで行われた77年8月29日のライヴ・パフォーマンスを収めたもの。この時マックはザ・フォーラムで3公演を行なっており、その中から状態の良いこの日のライヴを収めたようだ。『FLEETWOOD MAC LIVE』のデラックス・エディションに収録された<Gold Dust Woman>以外は、すべて未発表ライヴ音源。故にスタジオでの修正やオーヴァーダビングは為されておらず、演奏やヴォーカルはスタジオ盤に比べて結構荒削りなのが特徴だ。エキセントリックな性格とされるリンジー・バッキンガムが、繊細さとワイルドさが背中合わせのようなデンジャラスなプレイを聴かせるのは面白くも納得だが、スティーヴィー・ニックスの妖艶かつ鬼気迫るヴォーカルに驚く人も多いのでは? 特に<Rhiannon>での絶唱は、 “凄まじい” のひと言。日本にはあまり伝わらないけど、彼女が今のUSでカリスマ的な人気を誇るのは、こうした磁場の強いパフォーマンスあってこそだろう。最近ファンがアップしたSNSがバズって<Dreams>がリヴァイヴァル・ヒットしたのが記憶に新しいが、現在のマック人気は、ほぼスティーヴィーが支えているのが実情。だからこの頃 音楽面での牽引役だったリンジーが、今は彼女と仲違いしてバンドに戻れないでいる。
『RUMOURS LIVE』ツアーのライヴ音源は、言うまでもなく『RUMOURS』デラックス・エディション・ボックスにも12曲ほど入っていた。ただしこの曲数で分かるようにフル・ステージではなく、オクラホマシティ、タルサ、ナッシュヴィル、コロンビア(サウス・キャロライナ)各公演からの抜粋。今回のライヴ盤より少し前に録音されたモノが多いようだ。何故か今回は未収録の<Don't Stop>も入っているので、これは日替わりメニューだったようである。でもその当時のステージの様子が手に取るように分かるのは、間違いなく今回の『RUMOURS LIVE』だ。
おそらく『RUMOURS』ツアーは、翌年の初来日公演を含め、すべて記録されているのだろう。ライヴ・パフォーマンスを売りにしたグループではないから、最近よくあるライヴ・ブートレッグ・シリーズのようなモノは出てこないと思うけれど、こうしていろいろなライヴ音源が出揃ってくると、マックが上昇機運に乗っていた『RUMOUR』と『TUSK』のツアーこそが、彼らのピークだったと実感する。『TUSK』の方は編集された『FLEETWOOD MAC LIVE』よりも『TUSK』ボックスの方が生々しくて臨場感が豊富。そして『RUMOURS』ツアーは、この『RUMOURS LIVE』がベスト。当時、硬派のロック・ファンからは、散々「軟弱だ」と揶揄されたマックだけれど、このライヴを聴けば、その実態も伝わるに違いない。
まあ彼らはもう商業ベースとかそんなものに興味はなく、ブートレッグなどで出されるのだったらきちんとした形で残していたいということなのかもしれませんが。