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カンタベリー・ロックの中央に鎮座し、英国ジャズ・ロック・シーンに多大な足跡を残したソフト・マシーンのドラマー:ジョン・マーシャルが、9月16日に南ロンドンになる自宅で逝去した。享年82歳。7月にリリースされたばかりのソフト・マシーン最新作『OTHER DOOR』制作中、終盤に体調を崩したことから引退を決意。レコーディング終了後の昨年6月、ロニー・スコッツで行われたクラブ・ギグが最後のライヴになったという。

ジョン・スタンリー・マーシャルは、英国ミドルセックスのアイスワース生まれ。学生時代からビッグ・バンドやスキッフルのグループでドラムを叩き、ジーン・クルーパやバディ・リッチのようなジャズ・ドラマーを好んで聴いていた。大学生になると活動を本格化させ、アレクシス・コーナー率いるブルース・インコーポレイテッドに加入。69年にはイアン・カーと共にニュークリアス結成に参加し、ジャズ・ロック・ドラマーとして知名度を上げていく。その後マイク・ギブスのオーケストラ、ジャック・ブルースのバンドを経て、72年に『5』レコーディング中のソフト・マシーンに加入。前任のフィル・ハワードと3曲ずつ分け合い、アラン・ホールズワース入りの人気作『BUNDLES(収録)』やジョン・エサリッジが加入しての『SOFTS』などを発表。82年の解散までその座を守った。

その後はギル・エヴァンスやジョン・サーマン・カルテットなど、ジャズ寄りに活動を展開。02年にアラン・ホールズワース、エルトン・ディーン、ヒュー・ホッパーらとソフト・ワークスなるプロジェクトを組み、アルバムを発表。再びアランがエサリッジに交代すると、バンド名をソフト・マシーン・レガシーに。一方でエルトン・ディーンとヒュー・ホッパーが相次いで鬼籍に入ったり、マーシャル自身が重度の心臓病で一時リタイアするも、歴代メンバーのロイ・バビントン加入や、敏腕サックス奏者テオ・トラヴィスの参加で危機を乗り越え、3枚のスタジオ作を発表。マーシャル復帰後の18年作『HIDDEN DETAILS』は、38年ぶりのソフト・マシーン名義のニュー・アルバムとなった。が、同年7月の日本公演は、マーシャルにとって最後の来日に。

「ジョン・マーシャルは英国史上最高の現代ドラマーの一人であり、才気とユニークさを兼ね備えていました。 彼はインスピレーションを与えるミュージシャンであり、人間でもありました」(テオ・トラヴィス)

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