richard dimple fields_look so goodcliff dawson

前回ポストに引き続き、ボードウォーク再発シリーズ第3回から、リチャード・ディンプルズ・フィールズとクリフ・ドーソン。ディンプルズは前回デビュー・アルバム『DIMPLES』がリイシューされているので(レビューはココから)、今回復刻された2枚と合わせ、81〜82年のボードウォーク期3作がすべて出揃ったカタチになる。クリフ・ドーソンの82年作は実質的なワン&オンリー・アルバムだけれど(2ndは2015年発表)、差し替えのある2ndプレス収録曲、シングル・ヴァージョンなど、ボーナス・トラックとして大量7曲が追加された。

ディンプルズで復刻されたのは、2nd『MR. LOOK SO GOOD』(上掲)と3rd『GIVE EVERYBODY SOME !』(共に82年)の2作。デビュー盤からはコレといったシングル・ヒットがなかったものの、アルバムはジワジワ売れ続け、R&Bアルバム・チャート5位まで上昇。ローカル・レーベルでの下積みが長かったディンプルズへの信頼、期待感を高めた。『MR. LOOK SO GOOD』からR&Bチャート首位になった<If It Ain't One Thing...It's Another>は、実はローカル・レーベル時代の74年に発表した楽曲のセリフ・リメイク。続いての<After I Put My Lovin' On You>あたりは、スティーヴィー・ウッズを少々イナたくしたようなゆったりミディアム。ムーングロウズ<Sincerely>をカヴァーしているように、何処かノスタルジックな甘さを漂わせる持ち味は健在で、スモーキー・ロビンソンを髣髴させるのも変わらない。こういうタイプのシンガーが彗星の如く表舞台に登場して人気を獲得したのも、アーリー80'sという時代性ゆえだろう。

その延長戦にありつつ、パトリース・ラッシェンをゲストに招いたり、ベティ・ライトとの競作になった<Goodbye You...Hello Her>を含むのが、次作『GIVE EVERYBODY SOME!』。コレも内容には遜色ないので、是非併せて。

クリフ・ドーソンはニューヨークのシンガーで、制作はライオネル・ジョブ。彼が手掛けるスターポイント勢も参加している。その看板シンガー:レニー・ディッグスとのデュエットで、2ndプレスに収録された<Never Say I Do>もシッカリとボーナス追加。このアルバム、久々に聴いたけど、やっぱり上手いシンガーだわ。その一方で本作以降はリリースから離れ、しばしソングライターとして活躍。カシーフやウィリー・コリンズ、グレン・ジョーンズ、ファイヴ・スター、ジェニファー・ホリデイ、アリソン・ウィリアムスらに楽曲提供していた。ハッシュ全盛期に裏方活動しかできなかったのは謎。