先月、 BlueNote Tokyoでマイク・スターンとの共演ライヴを観たばかりのジェフ・ローバー・フュージョン。あれはコロナ禍で3年遅れてようやく実現した共演ライヴだったけれど、早くももうその2作あとのニュー・アルバムが届いた。『NOW IS THE TIME』というジェフ・ローバー・フュージョンとしての復活作から13年、9枚目のアルバム(グループ名義では通算14作目)。17年作『PROTOTYPE』がグラミー賞を受けたことも手伝ってか、コロナ期をモノともしない活動ぶりが見事だ。
でもこのアルバム、好調さがフツフツと沸き立ってくると同時に、ちょっとしたシフト・チェンジを感じさせたりも。これまでも、ジャケに映るのがジェフと再結成後の相方ジミー・ハスリップ(b)の2人だったり、そこにサックス奏者が入ったりしていたものの、今回はサックスの影は薄く…。一応ランダル・クラークなる新人が参加しているが、再開後の歴代メンバー:エリック・マリエンサル、アンディ・スニッツァー、ボブ・ミンツァーらに比較すると、明らかにフィーチャー度は低い。
代わりに前面に立っているのが、ギターのマーク・レッティエリだ。スナーキー・パピーで頭角を現した新世代のプレイヤーだが、自分的にはモンキー・ハウス『FRIDAY』(19年)に参加していたことも印象深い。常連ポール・ジャクソンJr.に加え、ジェフ自身もギターを弾いているけれど、お馴染みのロベン・フォードやマイケル・ランドウの名はなく、ほとんどレッティエリの独壇場と言える。
そしてもっと驚いたのが、盟友的存在のはずのジミー・ハスリップが4曲しかベースを弾いていないこと。しかも、うち3曲はメロディ楽器として6弦ベースでソロを弾くだけで、コーネリアス・ミムズのベース・ギターやジェフのシンセ・ベースがボトムを固めている。つまり、ハスリップがリズムを押えているのは、わずか1曲。収録曲10曲中7曲は、ミムズがベースを弾く。この人は80年代初頭から活躍してきたセッション・マンで、R&Bシンガー:キッパー・ジョーンズがいたティーズのメンバーなども務めた敏腕。でもその経歴からジェフ・ローバー・フュージョンに絡むのは結構意外で。それも得意のファンキー・ベースというより、如何にもハスリップっぽいプレイ・スタイルを踏襲し、粘りのある音色で動きのあるメロディアスな演奏を聴かせている。
じゃあ当のハスリップは何を?、というと、ジェフとの共同プロデュースに徹しているのだ。確かに前作『SPACE-TIME』でもジェラルド・アルブライトにベースを任せた楽曲が複数あって、アレ!?っと思ったけれど、あまり深くは気にしなかった。でも今回はどうなんだろう? もしかして後進にポジションを譲ろう…、なんて考えているのかな? 対して、ジェフやマイク・スターンと一緒に来日していたゲイリー・ノヴァック(day)は、元気に全曲参加。近作でホーン・セクションを仕切っているデヴィッド・マンも安定している。
今後のハスリップの出方は分からないものの、好調さを維持する中での新たなトライは歓迎すべきで、程よいフレッシュさを醸し出す。ジェフ・ローバー・フュージョン、ますます乗ってきてますわ。
代わりに前面に立っているのが、ギターのマーク・レッティエリだ。スナーキー・パピーで頭角を現した新世代のプレイヤーだが、自分的にはモンキー・ハウス『FRIDAY』(19年)に参加していたことも印象深い。常連ポール・ジャクソンJr.に加え、ジェフ自身もギターを弾いているけれど、お馴染みのロベン・フォードやマイケル・ランドウの名はなく、ほとんどレッティエリの独壇場と言える。
そしてもっと驚いたのが、盟友的存在のはずのジミー・ハスリップが4曲しかベースを弾いていないこと。しかも、うち3曲はメロディ楽器として6弦ベースでソロを弾くだけで、コーネリアス・ミムズのベース・ギターやジェフのシンセ・ベースがボトムを固めている。つまり、ハスリップがリズムを押えているのは、わずか1曲。収録曲10曲中7曲は、ミムズがベースを弾く。この人は80年代初頭から活躍してきたセッション・マンで、R&Bシンガー:キッパー・ジョーンズがいたティーズのメンバーなども務めた敏腕。でもその経歴からジェフ・ローバー・フュージョンに絡むのは結構意外で。それも得意のファンキー・ベースというより、如何にもハスリップっぽいプレイ・スタイルを踏襲し、粘りのある音色で動きのあるメロディアスな演奏を聴かせている。
じゃあ当のハスリップは何を?、というと、ジェフとの共同プロデュースに徹しているのだ。確かに前作『SPACE-TIME』でもジェラルド・アルブライトにベースを任せた楽曲が複数あって、アレ!?っと思ったけれど、あまり深くは気にしなかった。でも今回はどうなんだろう? もしかして後進にポジションを譲ろう…、なんて考えているのかな? 対して、ジェフやマイク・スターンと一緒に来日していたゲイリー・ノヴァック(day)は、元気に全曲参加。近作でホーン・セクションを仕切っているデヴィッド・マンも安定している。
今後のハスリップの出方は分からないものの、好調さを維持する中での新たなトライは歓迎すべきで、程よいフレッシュさを醸し出す。ジェフ・ローバー・フュージョン、ますます乗ってきてますわ。