縁あって、サディスティック・ミカ・バンドのLP BOX2種を頂戴した。彼らも72年デビュー、73年に1stアルバムなので、今年は50周年。中核の加藤和彦、参謀たる高橋ユキヒロが既に鬼籍に入ってしまったものの、高中正義や小原礼、その後任だった後藤次利は、今も第一線で活躍している。
7月に出た『1973-1976 LP BOX』は、オリジナル期の4作品に、デビュー盤についていた7inchも復刻させてのリイシュー。先月発売された『1989 LP BOX』は、桐島かれんをヴォーカルに迎えての再結成アルバム『天晴』を新装アートワークで復刻し、その時の公演でライヴ・レコーディングされた『晴天 LIVE IN TOKYO 1989』を初めて2枚組でアナログ化したものになる。どちらもロンドンのアビイ・ロード・スタジオに於けるハーフ・スピード・カッティングで180g重量盤としてリイシュー。揃って豪華写真集付き。『1973-1976 LP BOX』はオリジナル・プロデューサー新田和長、クリス・トーマスの監修。『1989 LP BOX』はメンバーの信頼が厚い砂原良徳がリマスターし、オリジナル・メンバー:小原礼が最終確認した。
ミカ・バンドというと、個人的には、クリエイションや四人囃子と並んで、最も早くから聴いていた日本のロック黎明期のグループ。ビートルズに感化されて洋楽雑誌を読み始めた頃、デカデカと宣伝されていたのが『黒船(74年)』で、少し遅れて同級生が買ったソレを借りて聴いた記憶がある。キャラメル・ママ〜ティン・パン・アレーと同様、シティポップ系シンガーをバックアップするセッション・ユニット的な側面もあったから、自分にはずーっと身近な存在だった。
『1973-1976 LP BOX』は、とりあえず『黒船』と『ホット! メニュー』を聴いたけれど、スッキリ整理されて聴きやすくなった印象。オリジナルは迫力があったけれど、ドタバタと詰め込み過ぎてる感じだった。特にユキヒロさんのドラムは、YMO時代とはまるで別人のよう。まぁ、それがミカ・バンドらしいといえば確かにそうだが、コレは自分的には好ましい進化かな。
『1989 LP BOX』は、言わば『天晴』プロジェクト。87年の小原礼のソロ作『ピカレスク』で主要メンバーが揃ったことから、再結成のプランが持ち上がったそうだ。それぞれが大活躍していたためスーパー・バンド的ニュアンスもあって、高中なんか、よく参加を了解したなァ、と当時は感心したものである。しかもプログラムやシンセ・サウンドがシーンを席巻していた時期。オリジナル期のとっぽい感覚が薄まったのは、ニュー・ウェイヴ系に強いユキヒロ氏が前面に出て、トノバンが少し引いたポジションにいたからかな? 今回のリマスターでは、ドンシャリ気味の当時のサウンドメイクに普遍性を与えたイメージで、記憶の中で古臭くなっていた音を今様に刷新してくれた。
『晴天 LIVE IN TOKYO 1989』は、初アナログ化に際して2枚組になっただけでなく、実際のライヴのオープニング・チューン<どんたく>を追加収録。サポート・メンバーとして大村憲司 (g) 、歌うシーンが多かったユキヒロに代わっては、ホール&オーツでお馴染みのミッキー・カリーがドラムを叩いていた。
なおこの映像版が今月末、Bue-rayとDVDで復刻。ミカ・バンドにとっての50周年プロジェクトが完結する。自分は06年、ミカ・バンドが木村カエラで2度目の再結成をした時、新作『NARKISSOS』の取材でトノバンさんにインタビューさせてもらったが、あれがとても貴重なモノになってしまった。トノバンさんは、来年公開予定でドキュメンタリー映画が製作中。こちらも楽しみ。
ミカ・バンドというと、個人的には、クリエイションや四人囃子と並んで、最も早くから聴いていた日本のロック黎明期のグループ。ビートルズに感化されて洋楽雑誌を読み始めた頃、デカデカと宣伝されていたのが『黒船(74年)』で、少し遅れて同級生が買ったソレを借りて聴いた記憶がある。キャラメル・ママ〜ティン・パン・アレーと同様、シティポップ系シンガーをバックアップするセッション・ユニット的な側面もあったから、自分にはずーっと身近な存在だった。
『1973-1976 LP BOX』は、とりあえず『黒船』と『ホット! メニュー』を聴いたけれど、スッキリ整理されて聴きやすくなった印象。オリジナルは迫力があったけれど、ドタバタと詰め込み過ぎてる感じだった。特にユキヒロさんのドラムは、YMO時代とはまるで別人のよう。まぁ、それがミカ・バンドらしいといえば確かにそうだが、コレは自分的には好ましい進化かな。
『1989 LP BOX』は、言わば『天晴』プロジェクト。87年の小原礼のソロ作『ピカレスク』で主要メンバーが揃ったことから、再結成のプランが持ち上がったそうだ。それぞれが大活躍していたためスーパー・バンド的ニュアンスもあって、高中なんか、よく参加を了解したなァ、と当時は感心したものである。しかもプログラムやシンセ・サウンドがシーンを席巻していた時期。オリジナル期のとっぽい感覚が薄まったのは、ニュー・ウェイヴ系に強いユキヒロ氏が前面に出て、トノバンが少し引いたポジションにいたからかな? 今回のリマスターでは、ドンシャリ気味の当時のサウンドメイクに普遍性を与えたイメージで、記憶の中で古臭くなっていた音を今様に刷新してくれた。
『晴天 LIVE IN TOKYO 1989』は、初アナログ化に際して2枚組になっただけでなく、実際のライヴのオープニング・チューン<どんたく>を追加収録。サポート・メンバーとして大村憲司 (g) 、歌うシーンが多かったユキヒロに代わっては、ホール&オーツでお馴染みのミッキー・カリーがドラムを叩いていた。
なおこの映像版が今月末、Bue-rayとDVDで復刻。ミカ・バンドにとっての50周年プロジェクトが完結する。自分は06年、ミカ・バンドが木村カエラで2度目の再結成をした時、新作『NARKISSOS』の取材でトノバンさんにインタビューさせてもらったが、あれがとても貴重なモノになってしまった。トノバンさんは、来年公開予定でドキュメンタリー映画が製作中。こちらも楽しみ。