yuji ohno_touch

『ルパン三世』のサウンドトラックを筆頭に、多くの歌モノ、劇伴インスト作を残している日本屈指のプロデューサー/アレンジャー/ピアノ奏者、大野雄二。彼が70年代に手掛け、日本コロムビアのアーカイヴしている作品群を対象に、フランスのレーベルWewantsoundsが選曲・監修、ジャズやフュージョン、ファンク、シティポップ、ディスコを織り交ぜたセレクトでワールドワイドに発信するユニークなコンピレーション『TOUCH』が面白い。

選曲に当たったWewantsoundsのマット・ロビンのコメント。
「大野雄二はプロデューサーとしてもミュージシャンとしても日本音楽界の天才であり、クインシー・ジョーンズのような巨匠に匹敵します。大野さんの独特のメロディーとアレンジはユニークで、すぐにそれとわかります。そしてそれは60年代後半以降の日本の最高の音楽を彩りました」

収録曲は以下の通り。
1. サブタレニアン二人ぼっち/佐藤奈々子 「Funny Walkin’」(1977)
2. 愛のシルエット/You & The Explosion Band 
              「ルパン三世サウンドトラック」(1978)
3. I Wish You Love/しばたはつみ
           「Love Letters Straight from Your heart」(1977)
4. きらめくインナースペース/大野雄二&ギャラクシー
              「キャプテンフューチャー音楽集」(1979)
5. Speak Low/Ann Young & Yuji Ohno Trio 「As Well Be Spring」(1975)
6. ライラック街の秋/田中健 「フラッシュバック」(1978)
7. I Want To Be Happy/弘田三枝子 「Jazz Time」(1973)
8. The Soaring Seagull(海猫)/Electro Keyboard Orchestra
                「Electro Keyboard Orchestra」(1975)
9.もう一度聞かせて/しばたはつみ 「シンガーレディ」(1975)

個人的には、最近、和ジャズからクロスオーヴァーへの移行期、ジャズ・フュージョン黎明期のあたりの作品が面白くて、深町純とか、サックスの稲垣次郎&ソウル・メディア、プレイヤーズ以前のコルゲンさん(鈴木宏昌)とか鵜を聞くコトが増えている。本気でトライ&エラーを繰り返していた頃のクロスオーヴァー・サウンドを聴いていると、スムーズ・ジャズはやっぱり刺激が少なすぎるな。