rie aono_tokyo magic

和製AOR〜シティ・ポップのシーンに凜と佇む女性シンガー:青野りえ、待望の3rdアルバムがリリース。既にアチコチのミニFMステーションにプロモ出演が続いていて、レコ発ライヴや都内でのインストア・ライヴは終了した。自分はスケジュールがバッティングしてしまい、どちらにも足を運ぶことができなかったけれど、概ね好評だったようで…。

プロデュースは前2作の関美彦から、The Bookmarcsの洞澤徹にスイッチ。作詞をりえ嬢が担当し、作編曲を洞澤が一手に引き受けている。…とはいえ演奏自体は生音主体。著名ミュージシャンはいないけれど、限られたバジェットの中、彼女の可憐で涼やかな歌声を生かすには、コレが一番の方法だろう。

何処かで、前より80'sの質感が高まった、という記述を見た気がするが、ホントにそうかな? サウンド面では少しだけハイファイ感が出たかもしれないが、楽曲やアレンジの指向はニューソウル的で、モータウンやシカゴ・ソウルのフレイヴァーが漂う。<Night and Day>なんてビル・ウィザースみたいだし。でも個人的には、音圧高めのグルーヴ・チューンより、<Sailing>や<夢のほとり>のような、シンプルなシンガー・ソングライター然としたナンバーの方が、彼女の儚い歌声には似合っていると感じている。

昨今の、このシティポップ・ブームの中、若い世代の一部はどんどんシティポップ解釈を押し広げて、王道から脇道へと進んでいる。でも相応のキャリアを持つ彼女はそれには動じず、どストライクな作品を届けてくれた。そのスタンスこそが、一番尊いと思っている。

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