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このところ、何故かJ-FUSION系の原稿依頼が続いている。先日 某音専誌に入れたのも、タワーレコード限定企画『アドリブ創刊50周年アドリブ・ベスト・レコード・SACDコレクション第１弾』の特集記事。詳細はその号が出たらお知らせするので、それをご覧頂きたいが、ここでは対象４作からのピックアップするカタチでひと足お先に。自分も読み手・書き手として散々お世話になったアドリブ誌、創刊50周年と言っても休刊になって既に13年。ジャズ・フュージョンを中心に、ソウル、ロック、AOR、和製ポップス、ワールド・ミュージックなど、ジャンルを超えたハイセンスなオトナの音楽を発信するワン＆オンリーの音楽誌で、今また一部音楽ファンからのニーズが高まっていたりする。
今回のシリーズは、毎年末にそのアドリブ誌上で行われていた “アドリブ・ベスト・レコード” に選定されたビクター・ジャズ／フュージョン名盤群を初SA-CDハイブリッド化していくもの。この20日に発売された第１弾のラインアップは、以下４作になる。
�� 渡辺貞夫 / CALIFORNIA SHOWER（78年）
�� 日野皓正 / CITY CONNECTION（79年）
�� GUITAR WORKSHOP Vol.1（77年）
�� 野呂一生 / Sweet Sphere（85年）
いずれもカタログとしてはお馴染みで、今更の感もなくはないけど、初のSA-CDハイブリッド化で音が良く、またフュージョン創成期の名盤に親しめていない若い音楽ファンに向けては格好の機会になるかと。
当ブログでも、ナベサダ『CALIFORNIA SHOWER』やヒノテル『CITY CONNECTION』については過去書いていて、自分でCD解説を入れていたモノも。なのでそれぞれのリンクを辿っていただければ。一方『GUITAR WORKSHOP Vol.1』に関しては、あまり触れてなかったみたい。
70年代後半のクロスオーヴァー／フュージョン・ブームを牽引したのが、ラリー・カールトンやリー・リトナー、スタッフのエリック・ゲイルやコーネル・デュプリー、何よりロックからシフトしたジェフ・ベックといった人気ギタリストたちで。それを見込んで日本の若手ギタリストに召集をかけて作ったオムニバス形式の企画作が、この『GUITAR WORKSHOP』だった。参加したのは、森園勝敏、大村憲司、渡辺香津美、山岸潤史の４人。それぞれが自分のお気に入りメンバーとレコーディングした楽曲を２曲ずつ提供し、ラストに全員が一堂に会して、ピーター・フランプトン＜I'm In You＞を熱演する。いまピーター・フランプトンと言われると、「何でまた…？」となるが、当時は人気絶頂で、ロック・ギタリストのアイドル的存在だったのだ。極論すれば、あくまでセッションの素材曲だから、楽曲の善し悪しよりも話題曲を取り上げるコトが優先されたと考えられる。
四人囃子を抜けて間もない森園は、このあと加入することになるプリズムのメンバーを率いての２曲。＜Day Dream＞はプリズム２作目でも再演した。新進気鋭のセッション・ギタリストとして注目されつつあった大村憲司は、まだリーダー作を作る前。ソロ・アルバムで演る＜Left Handed Woman＞を、早くもココで披露している。もう１曲はソウル・スタンダードの＜When A Man Loves A Woman＞で、彼の趣味モロ出し。サポート陣は、五輪真弓のバックをやっていたエントランス（大村・村上ポンタ秀一・高水健司）＋坂本龍一という、最も気心知れた顔ぶれである。
山岸はオリジナルとラスカルズ＜Groovin'＞のカヴァー。バックは彼の東京での本拠：下北沢の人脈から、バックスバニーのリズム隊である鳴瀬喜博とジョニー吉長、ソー・バッド・レビューの盟友：国府輝幸 (kyd) 。＜Groovin'＞には何と山下達郎がコーラスで入っている。そして本作とほぼ同発だった『OLIVE'S STEP』でクロスオーヴァー宣言した香津美は、翌年のジェントル・ソウツ共演盤『MERMAID BOULEVARD』で再演する＜Neptune＞＜Gentle Afternoon＞のオリジナルをココに。『OLIVE'S STEP』にも参加したジャズ寄りの面々が後ろを固めている。このように、この後それぞれのプロジェクトで再演される楽曲が多いから、聴き比べが楽しい。それぞれホーンが必要な曲では、各々のセッション枠を超えてホーン・スペクトラム（スペクトラムの前身）が参加。これはおそらく後からまとめてダビングされたのだろう。
この『GUITAR WORKSHOP Vol.1』の後、多忙になったか、あるいは契約の関係か、香津美は秋山一将にスイッチ。それにも関わらず、ライウ盤、ダイレクト・ディスクと企画は継続していった。イヤそれどころか、このアルバムの反響がスゴくて、３ヶ月後には早速 第２弾の話が決まっていたらしいから、77年前後はまさにクロスオーヴァー・フュージョンが旬なサウンドだったワケだ。そんな熱気が伝わる一枚なのである。
野呂さんに関しては、次回ポストで。
※画像クリックで Tower Records のサイトに飛びます。
�� 渡辺貞夫 / CALIFORNIA SHOWER（78年）
�� 日野皓正 / CITY CONNECTION（79年）
�� GUITAR WORKSHOP Vol.1（77年）
�� 野呂一生 / Sweet Sphere（85年）
いずれもカタログとしてはお馴染みで、今更の感もなくはないけど、初のSA-CDハイブリッド化で音が良く、またフュージョン創成期の名盤に親しめていない若い音楽ファンに向けては格好の機会になるかと。
当ブログでも、ナベサダ『CALIFORNIA SHOWER』やヒノテル『CITY CONNECTION』については過去書いていて、自分でCD解説を入れていたモノも。なのでそれぞれのリンクを辿っていただければ。一方『GUITAR WORKSHOP Vol.1』に関しては、あまり触れてなかったみたい。
70年代後半のクロスオーヴァー／フュージョン・ブームを牽引したのが、ラリー・カールトンやリー・リトナー、スタッフのエリック・ゲイルやコーネル・デュプリー、何よりロックからシフトしたジェフ・ベックといった人気ギタリストたちで。それを見込んで日本の若手ギタリストに召集をかけて作ったオムニバス形式の企画作が、この『GUITAR WORKSHOP』だった。参加したのは、森園勝敏、大村憲司、渡辺香津美、山岸潤史の４人。それぞれが自分のお気に入りメンバーとレコーディングした楽曲を２曲ずつ提供し、ラストに全員が一堂に会して、ピーター・フランプトン＜I'm In You＞を熱演する。いまピーター・フランプトンと言われると、「何でまた…？」となるが、当時は人気絶頂で、ロック・ギタリストのアイドル的存在だったのだ。極論すれば、あくまでセッションの素材曲だから、楽曲の善し悪しよりも話題曲を取り上げるコトが優先されたと考えられる。
四人囃子を抜けて間もない森園は、このあと加入することになるプリズムのメンバーを率いての２曲。＜Day Dream＞はプリズム２作目でも再演した。新進気鋭のセッション・ギタリストとして注目されつつあった大村憲司は、まだリーダー作を作る前。ソロ・アルバムで演る＜Left Handed Woman＞を、早くもココで披露している。もう１曲はソウル・スタンダードの＜When A Man Loves A Woman＞で、彼の趣味モロ出し。サポート陣は、五輪真弓のバックをやっていたエントランス（大村・村上ポンタ秀一・高水健司）＋坂本龍一という、最も気心知れた顔ぶれである。
山岸はオリジナルとラスカルズ＜Groovin'＞のカヴァー。バックは彼の東京での本拠：下北沢の人脈から、バックスバニーのリズム隊である鳴瀬喜博とジョニー吉長、ソー・バッド・レビューの盟友：国府輝幸 (kyd) 。＜Groovin'＞には何と山下達郎がコーラスで入っている。そして本作とほぼ同発だった『OLIVE'S STEP』でクロスオーヴァー宣言した香津美は、翌年のジェントル・ソウツ共演盤『MERMAID BOULEVARD』で再演する＜Neptune＞＜Gentle Afternoon＞のオリジナルをココに。『OLIVE'S STEP』にも参加したジャズ寄りの面々が後ろを固めている。このように、この後それぞれのプロジェクトで再演される楽曲が多いから、聴き比べが楽しい。それぞれホーンが必要な曲では、各々のセッション枠を超えてホーン・スペクトラム（スペクトラムの前身）が参加。これはおそらく後からまとめてダビングされたのだろう。
この『GUITAR WORKSHOP Vol.1』の後、多忙になったか、あるいは契約の関係か、香津美は秋山一将にスイッチ。それにも関わらず、ライウ盤、ダイレクト・ディスクと企画は継続していった。イヤそれどころか、このアルバムの反響がスゴくて、３ヶ月後には早速 第２弾の話が決まっていたらしいから、77年前後はまさにクロスオーヴァー・フュージョンが旬なサウンドだったワケだ。そんな熱気が伝わる一枚なのである。
野呂さんに関しては、次回ポストで。
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四人囃子、プリズム、ソロ・アルバムから15曲をセレクト
