昨日に続き、20日に復刻されたタワーレコード限定企画『アドリブ創刊50周年アドリブ・ベスト・レコード・SACDコレクション第1弾』から、今度はカシオペアの中核:野呂一生の1stソロ・アルバム『SWEET SPHERE』(85年)をピックアップ。当時のカシオペアは人気絶頂期にあって、海外ツアーにも積極的に取り組んでいた時期。そのスケジュールの合間を縫って、各メンバーがソロ・プロジェクトに邁進。真っ先に飛び出してきたのが、リーダー野呂のこのアルバムで、ちょっと意表を突かれた記憶がある。
普通に考えて、既存バンドの在籍メンバーがソロ・アルバムを出したがるケースというのは、大抵バンドの方向性に不満があったり、一緒にやってみたい人が外にいたりするもの。だったらサッサと独立しろ、なんて声も出そうだが、まぁ ソコまで不満は大きくないというか、経済的事情だったり、逆に引き止められたり、様々な理由でバンドに留まることを選ぶワケだ。もちろん最初のアルバムの成果いかんでソロ活動を本格化するヒトもいれば、二足の草鞋を履く人、すっきりストレスを発散してバンドに専念する人もいる。
この時の野呂の動きは、カシオペアのメンバーがほぼ同時期にソロ活動を行なっていたから、シッカリとマネージメントされたバンド・スケジュールの一環と考えていい。つまりは分解掃除のようなものだ。ハードなワールド・ツアーやリーダーとしてのプレッシャーからしばし解放され、少し外の空気を吸ってみたら?、というコトである。野呂が一番手だったのは、同時ソロ活動の企画が出た時に、すぐソロ構想が出来上がったからではないか。ずっとメイン・コンポーザーを張ってきたから、曲作りには何ら困らない。そしてそれをカシオペア以外のフォーマットに掛ける、かってカシオペアでレコーディングに訪れたL.A.で、今度は自分一人でセッションに臨む、それが彼のアイディアだった。この頃カシオペアは少しヨーロッパ〜北欧エリアに重心が傾いていたから、敢えてL.A.を選んだのかもしれない。
参加したのは、ネイザン・イーストやジョン・ロビンソン、パトリース・ラッシェン、ロバート・ブルッキンス、ランディ・ウォルドマン、ポウリーニョ・ダ・コスタ、シーウインド・ホーンズ、ヒロシマのデレク・ナカモトら。元スイッチのフィリップ・イングラム(ジェイムス・イングラムの弟でも)が2曲リード・ヴォーカルを取り、パトリースや女性コーラス陣、更に野呂自身がスキャットするトラックもある。リード・ギターはもちろん野呂自身。でもアドリブ・ソロを弾き倒す場面は案外少なくて、あくまでアンサンブル重視。でもそれがいつのもソリッドに畳み掛けるカシオペア・スタイルではなく、スムーズでラグジュアリーなL.A.テイストなのが新鮮だ。
ご存知のようにカシオペアも何度かのメンバー・チェンジ、活動停止や解散期を経て、現在はカシオペアP4として稼働している。でもオリジナル・メンバーは、今や野呂ただ一人。全盛期の他のメンバー3人は、いつの間にか合流し、かつしかトリオとしてアルバムを発表しライヴを行なうようになった。野呂としては心中穏やかではないだろうけど、シッカリした管理体制を敷くヒトだから、そこからはみ出してしまう人も出てくる。かくいう自分も、いま興味深く聴いているのは、かつしかトリオの方だったりして…。
※画像クリックで Tower Records のサイトに飛びます。
この時の野呂の動きは、カシオペアのメンバーがほぼ同時期にソロ活動を行なっていたから、シッカリとマネージメントされたバンド・スケジュールの一環と考えていい。つまりは分解掃除のようなものだ。ハードなワールド・ツアーやリーダーとしてのプレッシャーからしばし解放され、少し外の空気を吸ってみたら?、というコトである。野呂が一番手だったのは、同時ソロ活動の企画が出た時に、すぐソロ構想が出来上がったからではないか。ずっとメイン・コンポーザーを張ってきたから、曲作りには何ら困らない。そしてそれをカシオペア以外のフォーマットに掛ける、かってカシオペアでレコーディングに訪れたL.A.で、今度は自分一人でセッションに臨む、それが彼のアイディアだった。この頃カシオペアは少しヨーロッパ〜北欧エリアに重心が傾いていたから、敢えてL.A.を選んだのかもしれない。
参加したのは、ネイザン・イーストやジョン・ロビンソン、パトリース・ラッシェン、ロバート・ブルッキンス、ランディ・ウォルドマン、ポウリーニョ・ダ・コスタ、シーウインド・ホーンズ、ヒロシマのデレク・ナカモトら。元スイッチのフィリップ・イングラム(ジェイムス・イングラムの弟でも)が2曲リード・ヴォーカルを取り、パトリースや女性コーラス陣、更に野呂自身がスキャットするトラックもある。リード・ギターはもちろん野呂自身。でもアドリブ・ソロを弾き倒す場面は案外少なくて、あくまでアンサンブル重視。でもそれがいつのもソリッドに畳み掛けるカシオペア・スタイルではなく、スムーズでラグジュアリーなL.A.テイストなのが新鮮だ。
ご存知のようにカシオペアも何度かのメンバー・チェンジ、活動停止や解散期を経て、現在はカシオペアP4として稼働している。でもオリジナル・メンバーは、今や野呂ただ一人。全盛期の他のメンバー3人は、いつの間にか合流し、かつしかトリオとしてアルバムを発表しライヴを行なうようになった。野呂としては心中穏やかではないだろうけど、シッカリした管理体制を敷くヒトだから、そこからはみ出してしまう人も出てくる。かくいう自分も、いま興味深く聴いているのは、かつしかトリオの方だったりして…。
※画像クリックで Tower Records のサイトに飛びます。