前回ポストでご紹介した、レコードコレクターズ誌2月号の特集『この曲のピアノを聴け! ロック/ポップス編』。自分もそこに参加しておきながら、実際に届いた本を見て、虚を突かれた思いだったのがコレ、キング・クリムゾンの<Cat Food>。69年のデビュー作にして歴史的名盤『IN THE COURT OF CRIMSON KING(キング・キリムゾンの宮殿)』の陰に隠れ、相当に分の悪い2作目だけれど、普通に聴けば充分にプログレ名盤。一般的に前作路線の踏襲として片付けられるものの、ロバート・フリップにしてみれば、脱退を表明したイアン・マクドナルドに「自分が抜けるから、君がバンドを引き継げ」と言ったほどの労作ではあったのだ。
5人の創設ラインアップは、本作セッションを前に事実上崩壊。マクドナルドの相方マイケル・ジャイルズとELP結成の準備を始めたグレッグ・レイクは、レコーディングだけに参加することになり、断固拒絶のマクドナルドの穴は、メル・コリンズが埋めた。そして半ば一人きりになったフリップが手助けを求めたのが、ジャズ・ピアニストのキース・ティペット。この頃のフリップはフリー・ジャズに傾倒していて、ティペットのフリーキーな演奏に可能性を見出していたそうだ。そのアヴァンギャルドなピアノが大活躍するのが、<Cat Food>である。
『IN THE WAKE OF POSEIDON(ポセイドンのめざめ)』というアルバムは、一般評の通り、前作の踏襲である。タイトルも対を成しているし、収録曲のいくつは前作リリース後の全米ツアー中に生まれている。しかし前作になかったフリー・ジャズの要素が、このアルバム独特の持ち味になった。
レココレ誌のピアノ名曲セレクトの時、自分はまず名演が多かったり、後世に影響力を発揮したピアノ奏者をピックアップし、そこから楽曲を選んだ。なのでキース・ティペットのように突然現れたワンポイント的プレイヤーが洩れてしまったのかな? クリムゾンで鍵盤といえば、どうしたってメロトロンのイメージだし。でも中坊だった自分に前衛音楽の存在を教えてくれたのは、ビートルズ<Revolution #9>と、この<Cat Food>だったなぁ、と改めて。
ちなみに<Cat Food>とは、今でいうファースト・フード、ジャンク・フードを指すもの。当時フリップがインスタント・カレーばかり食していたのを、シンフィールドが猫まんまと揶揄したものだそうだ
『IN THE WAKE OF POSEIDON(ポセイドンのめざめ)』というアルバムは、一般評の通り、前作の踏襲である。タイトルも対を成しているし、収録曲のいくつは前作リリース後の全米ツアー中に生まれている。しかし前作になかったフリー・ジャズの要素が、このアルバム独特の持ち味になった。
レココレ誌のピアノ名曲セレクトの時、自分はまず名演が多かったり、後世に影響力を発揮したピアノ奏者をピックアップし、そこから楽曲を選んだ。なのでキース・ティペットのように突然現れたワンポイント的プレイヤーが洩れてしまったのかな? クリムゾンで鍵盤といえば、どうしたってメロトロンのイメージだし。でも中坊だった自分に前衛音楽の存在を教えてくれたのは、ビートルズ<Revolution #9>と、この<Cat Food>だったなぁ、と改めて。
ちなみに<Cat Food>とは、今でいうファースト・フード、ジャンク・フードを指すもの。当時フリップがインスタント・カレーばかり食していたのを、シンフィールドが猫まんまと揶揄したものだそうだ