dave grusin_out shadows

今はなき音専誌アドリブの50周年記念で、誌上の恒例企画だった『アドリブ・ベスト・レコード』に選定されたビクターのジャズ名盤を初SA-CDハイブリッド化するシリーズ第2弾から、デイヴ・グルーシンのJVC2作目『OUT OF THE SHADOWS』(82年)を。デイヴ・グルーシンは60年代初めからサントラやTVドラマ絡みのアルバムを多く出しているヒトなので、ピュアなソロ・アルバムとの区別が曖昧なんだけれど、クロスオーヴァー/フュージョン・テイストの作品というと、76年作『DISCOVERED AGAIN!』が最初なのかな? そこから数えると、これは名盤『MOUNTAIN DANCE』(80年) に次ぐ4作目に当たる。

参加ミュージシャンは、弟ドン・グルーシン (kyd) リー・リトナー (g) スティーヴ・ガッド (ds) リンカーン・ゴーインズ (b) ルーベンス・バッシーニ (perc) という布陣で、ベース以外はデイヴ主宰のGRPレーベル御用達のミュージシャンばかり。そのリンカーン・ゴーインズは、GRP所属のフルート奏者デイヴ・ヴァレンティンのバンド・メンバーで、多忙になり始めたマーカス・ミラーに代わってアチコチ顔を出し始めた頃。でもラテン系のクセが強かったのか、結局長続きしたのはヴァレンティンのバンドだけだったな…。

デイヴ・グルーシンというと、知性溢れるエレガントなピアノ・プレイが特徴だけれど、その持ち味は前作『MOUNTAIN DANCE』以上に濃厚。いや、エレガントなのだから濃ゆくはないんだけど、前作がマーカス/ハーヴィー・メイスンという黒人コンビのリズム・セクションだったのに対し、今回はゴーインズ/ガッドの白人チーム。ほのかにスウィンギーだったり、クラシカルなハーモニーを忍ばせていたりと、上品なコトこの上ない。デイヴがリトナーのギターを好むのも、ブルース臭が薄いからだろう。

このアルバム発表後にほぼ同じメンツで来日して(+マイケル・フランクスやタイガー大越)、武道館で デイヴ・グルーシン&ドリーム・オーケストラ名義のライヴを行ない、ライヴ・アルバムを出す(US盤は Dave Grusin & The N.Y. / L.A. Dream Band)が、そこでも演っていた<Serengeti Walk>が秀逸。他に<Hokkaido>なんて小曲があったりするんだけどね。

なおこの再発シリーズ、タワーレコード限定モノです。

《Tower Records》

dave grusin_out shadows
OUT OF THE
SHADOWS
dave grusin_mountain dance
MOUNTAIN DANCE