tristan 7

オランダの実力派ジャズ・ファンク・グループ:トリスタンが放った、
新ヴォーカリストを迎えての2作目。
シャープなギター・カッティングに思わず腰が動くリード曲 “Diamonds”を筆頭に、
グルーヴ・シーカーたちの渇きを満たす好曲が渦巻く。
Kyd奏者コーエン・モレナールは、
インコグニート最新作『INTO YOU』にも大貢献。
要注目です!
個人的、イヤきっと待ち侘びてた熱いファンが他にもいたであろう、トリスタンの通算7作目。今まで国内盤を出してくれていたインディ・レーベルが、どうやら今回は手を引いてしまったようで、待てど暮らせどリリース情報が届かない。しかもオランダの自主レーベル発信だから、輸入盤は結構な入手困難状態。ならば、日本デビュー前から彼らをチャックしていた自分が何とかせねば、と出しゃばって、筆者監修【Light Mellow Searches】on P-VINEでと、ようやく約1年遅れで日本リリースに漕ぎ着けた。

単に“オランダのインコグニート”と呼ばれているだけでなく、首謀者のブルーイが以前からアルバムへの推薦コメントを出していたり、英ソウル・アワードに同時ノミネートされるなど、彼らとは何かと縁が深い。しかもインコグニート最新作『INTO YOU』には、トリスタンのkyd奏者クーン・モールナール(=コーエン・モレナール)がお呼ばれして、一緒に曲を書いたり、プレイしたり。そういえば、初期の頃にはスティーヴ・ルカサーも、トリスタンを大絶賛していたっけ。

前作『WHAT COULD POSSIBLY GO WRONG』から参加したシンガー:ジェイシリー・テテリッサは、アル・マッケイ・オールスターズのバック・シンガーを務めた経験もある若手実力派。前作ではまだ少し遠慮気味だったが、いろいろどうやら馴染んできたようで…。メンバーも彼女の声が秘めている可能性が予想以上だと気づき、ジャジーなスタイルから、チャカ・カーンのようなパワフル・シンギングまで、いろいろなトライアルを行なっている。チャカ・スタイルといえば、軽妙なギター・カッティングから滑り出す<Double Trouble>は、チャカが取り上げたディジー・ガレスピー<A Night in Tunisia(チュニジアの夜)>をモチーフにしていて。こうした仕込みやお遊びは、まさしくバンドとジェイシリーの絆が深まった証しだろう。

“オランダのインコグニート”と言われていることには、以下のような答えが。
「当然似ているところがあるから、とても良い比較だと思うね。僕らにしたら光栄なコトだし。(中略)けれども僕らが影響を受けているのは、アース・ウインド&ファイアーやジョージ・デューク、ハービー・ハンコック、クインシー・ジョーンズ、アレサ・フランクリン、チャカ・カーン、ドゥービー・ブラザーズ、レヴェル42 などまで遡る。とても幅広くからインフルエンスを貰っているんだ」
メール・インタビュー中には、ジャミロクワイやブラン・ニュー・ヘヴィーズらの名も。

既に苦労して輸入盤を仕入れたり、デジタル・リリースで耳にしたいる方もいらっしゃると思うが、今後の国内リリースや、2017年以来の再来日公演へと繋げる意味でも、この『SEVEN』のCD国内発売は大事。是非ぜひ、お手に取ってみて戴ければ ドロップは来週2月7日です

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セヴン[監修・解説:金澤寿和(Light Mellow)]
トリスタン
Pヴァイン・レコード
2024-02-07

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