paul_band on the run 50th

ポール・マッカートニー&ウイングスの名盤『BAND ON THE RUN』の50周年記念エディション、我が家にも到着……、してません。買ってません。取りあえず、未発表の "Underdubbed Mix"をサブスクで聴いてます。2010年に出た時は、全部入りの Super Deluxe Edition(3CD+DVD)をゲットしたけど、結局繰り返し聴くのはオリジナル盤だけで…。ポール作品の中では最高傑作と信じて疑わない『BAND ON THE RUN』だけど、この手の箱モノに収録されたレア・トラックとかメイキング音源って、ひと通り聴いてどんな内容か分かってしまえば、それでだいたい満足しちゃうモンなんだよネ。

だからこの50周年記念エディションは、サラウンド・ミックスが入れば買う、出なけりゃ一応スルーするつもりで。それでもやはり蔵出しの "Underdubbed Mix"は気になるから、サブスクにアップされて早速聴いてみた。

ポール自身は、この "Underdubbed Mix"について、「曲を作って、追加のギターなどのパートを足すことを "オーヴァーダブ" と言う。このヴァージョンは "アンダーダブド"、つまりその逆の状態のものなんだ」と説明。もう少し具体的に書くと、ラゴスでレコーディングしたポールとバンドのオケのみ出来上がっている状態で、ロンドンでトニー・ヴィスコンティが手掛けたオーケストラやホーンはダビング前。…というコトは、ラゴスのスタジオに顔を出したジンジャー・ベイカーのパーカッションは、もう入っていると思われる。ジンジャーがクリーム解散後に組んだエア・フォースは、アフロ・ロックなんて呼ばれていたくらいだから、当然ジンジャーはアフリカ事情に詳しく、確かラゴスのスタジオを世話したのも彼だったんじゃなかったな? デニー・レインはウィングス結成前、そのエア・フォースに参加してヴォーカルを取っていた。

またこの段階では、ヴォーカルはまだ仮歌状態。曲によっては結構ラフで、<Nineteen Hundred And Eighty Five>みたいにコーラスしか入ってないカラオケ状態のテイクもある。一方そのまま本チャンとして使った部分もあるようだけど…。

アルバムとしては、まぁ、おおよそそんな状態。制作プロセスが垣間見られるのは面白いが、やっぱりそう繰り返しは聴かないだろう。そう予測していた。でも実際に聴いてみると、意外にも発見や気づきがたくさんあり過ぎて…。例えば、ホーン抜きの<Jet>がチョッと締まらない分、ポールがそのエンディング・パートを口ずさんでいたり、<Picasso's Last Words>のパーティー・パートのお遊びが より演出過剰だったり…。

何せ、ビートルズ解散後のソロ作品群で、初めてリアル・タイムで、小遣い叩いて買ったアルバムだ。それだけ自分の身に染み付いてしまっている。だからやたら細かい違いに気づくのだろうけど、とにかくそれが滅法面白く、思わず繰り返して聴いちゃう。何でコレをSuper Deluxe Editionに入れなかったんだってなモンで。まぁ、当時は発見されずに保管庫で眠っていたのだから、仕方ないのだが。

…というワケで、この際フィジカル買ってしまおうか、と思案中。割とシンプルな2枚組なので、箱モノよりはずーっとリーズナブルではあるのだが、このご時世、貧乏音楽ライターにはなかなか厳しいのよ

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