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AORディスクガイドの集大成たる『AOR Light Mellow Premium 03』の選盤会議、やっと大詰め。共同執筆の福田直木クン(ブルー・ペパーズ)が拙宅へ来て、激レア盤の試聴やら、線引きが難しいあたりの意見交換をジックリ交わした。Premium 03の構成は、1983年で終わっているPremium 02から続く時代的検証と最近賑やかなニュー・カマーたち、それから主にレア・グルーヴ的見地から始まった90年代末以降の発掘モノ、CCM、コンテンポラリー・ハワイアンなどを各章に立てて。そしてちょっと頭を悩ませているのが、ブラジル物と、発掘ネタが多い非英語圏の作品群の扱い方だ。

そしてもうひとつ、「どうすっかねェ」と論議したのが、シャーデーに始まるオシャレ系とかニュー・ウェイヴ、ネオ・アコにも通じるあたりの流れ。Premium 02の本編ラストが、スパンダー・バレー『TRUE』だったワケで、シャーデーとか、トミー・リピューマ制作のエヴリシング・バット・ザ・ガールとかは確実に入れるにしても、シンプリー・レッド、スタイル・カウンシル、プリファブ・スプラウト、スクリッティ・ポリッティ、ブロウ・モンキーズ、バーシア、アンテナあたりはどうする?と。

AOR名曲をカヴァーしているマット・ビアンコ、ゴー・ウエストとか、その人気曲のために掲載するか、それともアルバム自体をAORと言ってしまってイイのか。チャイナ・クライシス、フラ・リッポ・リッピ、ディーコン・ブルーのようなスティーリー・ダン系列は? ABCもバーナード・エドワーズがプロデュースしたヤツは洗練度が高いぞ、とか、シャカタクやレヴェル42、ラー・バンドなどの UKファンク勢は?とか。

アレを入れたら、コレとソレも入れないと、そんなタマが多くて実に困る。産業ロックはPremium 02でコラムにまとめたが、フュージョン系や当時でいうブラック・コンテンポラリーとの線引き以上に、このあたりのボーダーは難しい。ご本家AORが激しく斜陽の時代だったから、硬派なAORファンも割と素直に受け入れてた面もあるしなぁ〜。でもレア・グルーヴ以降の世代だと、「コレもAORなの?」と違和感を持つのは容易に想像できる。ま、もう少し悩みましょ…

一応、夏のうちに出したいな、とは思っています。気長にお待ちくださいませ。