samantha sang

長らくお待ち戴いていたカナザワ監修【プライヴェート・ストック・オリジナル・マスター・コレクション Light Mellow編】10作品が 、Ultra Vybe / Octaveからいよいよ復刻。今日から何回かに分けてピックアップしていく。まずは予約受注で一番人気らしいサマンサ・サング『EMOTION 〜ときめきへの誘い+1』のご紹介をば。

サマンサことシェリル・ラウ・サングは、メルボルン生まれの中国系オーストラリア人。父親はヴォーカル・スクールを経営する元シンガーで、彼女も8歳からラジオ・ショウなどで歌い始めている。66年にシェリル・グレイ名義でデビューしてヒットを飛ばし、ティーン誌では人気投票上位に食い込むほどだった。でもその人気も長くは続きせず。でもそんな中でバリー・ギブに出会い、69年にバリー制作、サマンサ・サングの名でリリースした<The Love Of A Woman>がヨーロッパで小ヒットする。70年代に入っては、豪でTV番組を持ったり、世界歌謡祭で初来日(74年)し、翌年初めてのアルバムを発表。77年にビー・ジーズと再会して歌ったのが、<Emotion>だった。

この<Emotion>が全米でヒットしたのは78年3月で、最高位が第3位。この時期のビー・ジーズ勢はホントに凄まじい勢いで、前年クリスマス時期から年明けに掛けて<How Deep Is Your Love(愛はきらめきの中に)>が3週トップ、2月に入って<Stayin' Alive>が4週、弟アンディ・ギブの <(Love Is) Thicker Than Water(愛の面影)>が2週、再びビー・ジーズ<Night Fever>が8週、そしてそれを追い落としたのが、ビー・ジーズ全面バックアップによるイヴォンヌ・エリマン<If I Can't Have You>(1週)という、まさに全米チャート独占状態が3ヶ月も続いていた。サマンサの<Emotion>が3位を記録した週は、<Night Fever>と<Stayin' Alive><Thicker Than Water>と合わせてトップ5中4曲がビー・ジーズ一派。如何に映画『SATURDAY NIGHT FEVER』はフィバっていたか(←完全死語)、それがハッキリ伝わってくる。当然のこと曲調もビー・ジーズ色全開。実際レコーディングも、彼らが『SATURDAY NIGHT FEVER』のサントラを制作しているマイアミのクライテリア・スタジオへ乗り込んで、その合間を縫って行われたそう。バリーの強力なファルセット・コーラスは、ほとんどデュエット状態だ。

そんな有り様なので、ギブ兄弟によるフル・アルバム制作は無理。そこでバーブラ・ストライサンドやポール・アンカ、グレン・キャンベル、ドリー・パートン、グラディス・ナイトらの制作実績を持つエンターテイメント・カンパニーが後を引き継ぎ、ハウス・プロデューサーのゲイリー・クライン、御用達の編曲家ニック・デカロがプロデュースを担っている。その手腕が光るのは、エリック・カルメンのカヴァー<Change Of Heart>、ダスティ・スプリングフィールドとの競作になった<Living Without Your Love>、モーメンツやジョーイ・トラヴォルタらも歌っているブルース・ロバーツ&キャロル・ベイヤー・セイガー作の<I Don't Wanna Go>、デルフォニクスの大ヒット<La La La - I Love You>といった楽曲セレクト。ヒット・メイカー:サンディ・リンツァー作の<You Keep Me Dancing>は、全米56位まで上昇した。ボーナス曲も、この曲の12インチ・ディスコ・ヴァージョンを収めている。バリーとの出会いの曲<The Love Of A Woman>のセルフ・リメイク、ビー・ジーズ<Charade>をカヴァーした辺りは、ギブ兄弟とエンターテメントCo.のプロダクツをシームレスに繋げるための工夫だろう。前者では以前のブリッコな歌い方と、堂々と歌い上げる新ヴァージョンとのコントラストがお見事で。

ビー・ジーズ絡みと言ってもディスコ・サウンドではなく、そのソウト&メロウ・サイドにフォーカスしたアルバム。AOR好きなら避けては通れないでしょう。



《amazon》
《Tower Recordへはコチラから》

■ PRIVATE STOCK ■ Original Master Collection - Light Mellow Edition -
シリーズ詳細はこちらから