



引き続き、70年代の漆黒ジャズ・ファンクの宝庫 Groove Merchant の廉価キャンペーンから3日目。ご紹介するのは、“エボニー・ゴッドファーザー” の異名をとったフルート兼サックス奏者、ジョー・トーマス。彼は72年に Groove Merchant入りし、レーベル名が変わったLRC(レスター・レディオ・コーポレーション)までの7年間で、合計6枚のアルバムを出している。そのうち今季のキャンペーン対象は、75年のGroove Merchant第2作『MASADA』、76年の第3作『FEELIN'S FROM WITHIN』、1作飛んでLRCの78年作『GET IN THE WIND』、79年の『MAKE YOUR MOVE』の4枚だ。
Groove Merchantでは、前回紹介したギターのオドネル・リーヴィ、シンガーのジュニア・パーカー、オルガンのジミー・マクグリフに次ぐ4人目の専属アーティストになったトーマス。元来ジャズ・フュージョン・シーンでフルートというと、サックス奏者による持ち替えが大多数で、アルバムを作る時に目先の変化をつけるため、1〜2曲フルート・メインの楽曲を用意するのが通常パターンだった。それでもハービー・マンを筆頭に、ヒューバート・ロウズ、ボビー・ハンフリー、ジェレミー・スタイグ、デイヴ・ヴァレンティンといったフルート奏者が活躍。クロスオーヴァー/フュージョン黎明期に於いては、それなりに注目された楽器だった。
果たしてGroove Merchant総帥ソニー・レスターの意向か、あるいは本人の希望だったのか。元々テナーがメイン楽器だったトーマスは、多くのプレイヤーの逆を行き、メイン楽器をフルートに、そして時折サックスも吹く、というパターンに選択した。移籍1作目の72年作『JOY OF COOKING』はまさにフルート・オンリー。しかし次の『MASADA』ではサックスに専念。スティーヴ・ガッド (ds) ボブ・バビット (b) ジェフ・ミロノフ (g) らをコア・メンバーに、シシィ・ヒューストン (cho) らの女性コーラス、ストリングスやホーンを加えた豪華サウンドで、ファンキーなブロウを披露する。アレンジは、やがてトーマスの片腕となるブラッド・ベイカーが初参加。オハイオ・プレイヤーズの<Let's Love>のカヴァーを演っている。
が、『FEELIN'S FROM WITHIN』では、再びフルートがメインに。しかもいきなりのオープニングが、ディスコ・ファンクしたヴォーカル入りトラックで、デヴィッド・ラズリーとアーノルド・マッカラーがタイトルの
Funky Fever
を連呼する。楽曲は、ブラッド・ベイカーやジェリー・フリーマン、ランス・クイン、ボブ・バビッドら、参加メンバーの持ち寄り。バディ・マイルス (syn) やマイケル・ブレッカー (sax) のクレジットもある。ジャズ・ファンクとディスコの均衡が絶妙に保たれていたのは、ココまでか…。
LRCでの2作は、Groove Merchant時代に比べディスコ色が濃厚。名称変更と同時に、ディストリビュートがマイアミのT.K.グループに委ねられた影響もあっただろう。『GET IN THE WIND』ではボズ・スキャッグス<Low Down>、アトランタ・リズム・セクション<Imaginary Lover>、ドリー・パートン<Two Doors Down>と、当時のヒットを早速レパートリーにしているのが如何にもディスコ目線。仕切りは引き続きブラッド・ベイカーとランス・クインで、参加メンバーは、これまでの顔ぶれにクリス・パーカー(ds)、ニール・ジェイソン(b)、ロブ・マウンジー(kyd)らが加わった。ヴォーカルにはグウェン・ガスリーやジョセリン・ブラウン、そしてゴードン・グローディと、こちらもソロ作を持つ実力派揃い。エンジニアの一角にボブ・クリアマウンテンがいるのも見逃せない。そしてソニー・レスター下での最終作になる『MAKE YOUR MOVE』では、さらにディスコ色が濃くなって、いわゆるディスコ・オーケストラっぽい作り。その中で新参ハイラム・ブロックがカッコ良いギターを響かせる。トーマス自身も完全にフルート専念。アドリブ・ソロを聴かせる場面は少なめだけど、このフルートの音色がまた、ディスコ・サウンドに合うんだよなぁ〜。
…というワケで、クロスオーヴァーしたフルート好きの方々は、トーマスも要チェック。当人は2017年に没してますが…
果たしてGroove Merchant総帥ソニー・レスターの意向か、あるいは本人の希望だったのか。元々テナーがメイン楽器だったトーマスは、多くのプレイヤーの逆を行き、メイン楽器をフルートに、そして時折サックスも吹く、というパターンに選択した。移籍1作目の72年作『JOY OF COOKING』はまさにフルート・オンリー。しかし次の『MASADA』ではサックスに専念。スティーヴ・ガッド (ds) ボブ・バビット (b) ジェフ・ミロノフ (g) らをコア・メンバーに、シシィ・ヒューストン (cho) らの女性コーラス、ストリングスやホーンを加えた豪華サウンドで、ファンキーなブロウを披露する。アレンジは、やがてトーマスの片腕となるブラッド・ベイカーが初参加。オハイオ・プレイヤーズの<Let's Love>のカヴァーを演っている。
が、『FEELIN'S FROM WITHIN』では、再びフルートがメインに。しかもいきなりのオープニングが、ディスコ・ファンクしたヴォーカル入りトラックで、デヴィッド・ラズリーとアーノルド・マッカラーがタイトルの


LRCでの2作は、Groove Merchant時代に比べディスコ色が濃厚。名称変更と同時に、ディストリビュートがマイアミのT.K.グループに委ねられた影響もあっただろう。『GET IN THE WIND』ではボズ・スキャッグス<Low Down>、アトランタ・リズム・セクション<Imaginary Lover>、ドリー・パートン<Two Doors Down>と、当時のヒットを早速レパートリーにしているのが如何にもディスコ目線。仕切りは引き続きブラッド・ベイカーとランス・クインで、参加メンバーは、これまでの顔ぶれにクリス・パーカー(ds)、ニール・ジェイソン(b)、ロブ・マウンジー(kyd)らが加わった。ヴォーカルにはグウェン・ガスリーやジョセリン・ブラウン、そしてゴードン・グローディと、こちらもソロ作を持つ実力派揃い。エンジニアの一角にボブ・クリアマウンテンがいるのも見逃せない。そしてソニー・レスター下での最終作になる『MAKE YOUR MOVE』では、さらにディスコ色が濃くなって、いわゆるディスコ・オーケストラっぽい作り。その中で新参ハイラム・ブロックがカッコ良いギターを響かせる。トーマス自身も完全にフルート専念。アドリブ・ソロを聴かせる場面は少なめだけど、このフルートの音色がまた、ディスコ・サウンドに合うんだよなぁ〜。
…というワケで、クロスオーヴァーしたフルート好きの方々は、トーマスも要チェック。当人は2017年に没してますが…
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