kevin toneykevin toney 99kevin toney_sweet spot
donald byrd_montreuxblackbyrds 2blackbyrds_better days

昨日に続き、今度はブラック・ミュージック界隈からの訃報。ブラックバーズの中核でキーボード奏者のケヴィン・トニーが、21日、安からに人生を閉じた。数ヶ月前にガンが発覚し、闘病中だった。享年70歳。

デトロイト出身のケヴィンは、子供の頃からピアノ、チェロ、サックスを学び、ハワード大学で音楽理論と作曲を学んでいた。その時の講師の一人が、ハード・バップで鳴らしたトランペット奏者ドナルド・バード。その頃のバードは、オーセンティックなジャズからジャズ・ファンクへとサウンドを変化させていて、新しいバック・バンドを必要としていた。そこで自分の教え子の中から優秀なミュージシャンを募り、バック・バンドを結成。トニーもそこに選出され、バードのバックを務めるようになった。

73年、そのバック・バンドがブラックバーズとして独立。バード自身や、バードのプロデューサーであるマイゼル・ブラザーズ/スカイ・ハイ・プロダクションのサポートを受けながら、全米トップ10ヒット<Walking in Rhythm>やR&B3位の<Happy Music>(全米19位)など、ヒットを連発。『FLYING START』『CITY LIFE』『UNFINISHED BUSINESS』『ACTION』といったアルバムも、相応にヒットさせていく。しかし80年代を目前に徐々に低迷。ジョージ・デュークが手掛けた81年作『BETTER DAYS』がラスト・アルバムになった。

しかしトニーはソロに転じ、82年作『SPECIAL K』を皮切りに、レイ・パーカーJr.やポール・ジャクソンJr.、ジェラルド・アルブライト、ロニー・ロウズ、イヴリン・シャンペーン・キングなどとコラボしつつ、計8枚のソロ・アルバムのリリース。特にShanachieに籍を置いた99年からの数年間は、スムーズ・ジャズ・シーンで好成績を挙げ、通算5枚目のソロ作『STRUT』は、02年冬季オリンピックの公認オリジナル・ミュージックに選ばれたという。またゼロ年代以降は、レイ・パーカーJrの来日公演にも同行。娘のドミニク・トニーも14年にデビューしている。

大きな成功こそ手にできてはいないが、手堅く実直な実務派ミュージシャンのイメージがあったケヴィン・トニー。レイのバックで何度か観た時も、ちょっと控えめな印象だったな。Rest in Peace...



Best Of The Blackbyrds
The Blackbyrds
BGP
2009-07-30


Strut
Kevin Toney
Shanachie
2001-07-10