rod stewart_swing fever

先週、1回こっきりの日本公演を終えたロッド・スチュワート。評判は悪かぁないようだけど、スルーしたところで特に後悔もなく…。それでも新作アルバムは一応聴いておこうと。音楽ファンには、アルバムもロクに持ってなくてもライヴには行くというタイプの人もいるが、自分は作品に惚れ込んだからライヴも観てみよう、というのが基本スタンス。だから、いつも同じようなベスト・ヒット的パッケージ・ショウで、定期的にツアーに出ているアーティストたちからは、自ずと足が遠のいてしまう。

ロッドの場合はそれとは違うものの、ゼロ年代以降はアメリカン・スタンダードで評判を取ってきたワケで、作品のデキの良さは認めながらも、ロッドがコレを演る必要性にはずーっと疑問を持ち続けてきた。それでも、ところどころで原点回帰的な指向性を覗かせるから、まったく無視もできなくて…。

今回のニュー・アルバムも、『SWING FEVER』なるタイトルでビッグ・バンドと組んでいるという前情報を聞き、ダメだこりゃ、と思っていた。ところがそれがジュールズ・ホランドとのコラボレイトだと知って、俄然興味が。ジュールス・ホランド、今ではどれくらいの人が知っているか分からないけれど、スクイーズのオリジナル・メンバーだからね ポール・キャラックの前任キーボードだからね その後、英BBCで音楽番組で司会を務め、90年代に入ってからは自分自身の看板番組を持ち、ミュージシャン業と司会業を兼ねたホスト役で人気爆発。自分のビッグ・バンドを持つようになった。ひと昔前で言えば、ベン・シドランの英国版? イヤもっと外連味たっぷりで、はるかにエンターテイナー寄りかな。

このアルバムの成功の鍵は、そのジュールズと組んだこと。2人を結びつけたのは、意外にも両人が揃って熱狂的鉄道模型ファンだったためで、ロッドがジオラマ制作の指南役だったらしい。ちなみにロジャー・ダルトリー(ザ・フー)もメールで情報交換する鉄道模型仲間なんだとか。ロッドがスウィング・アルバムに取り掛かったのはパンデミック中だったそうだが、制作が上手く進まずに悩んでいたところ、ジュールズのことを思い出し、相談を持ちかけたのが始まりだという。

その結果、生まれたのがこのアルバム。<Sentimental Journey>とか<Good Rockin' Tonight>、<Tennessee Waltz>のような1930〜40年代の楽曲を中心にしているが、一連のアメリカン・スタンダード集の延長にあるゴージャスなバラード作品ではない。それこそ場末のパブで一杯やりながら踊り出しちゃうような、ザラついた庶民感覚が魅力なのだ。2人が求めていたのも、ロックン・ロールのような エッジーな感覚。実際、歌っているのはロッドでも、ストーンズがスウィング・アルバムを作ったような匂いがある。現にロッドはジュールズのビッグ・バンドのドラマー:ギルソン・レイヴィスについて、“チャーリー・ワッツに最も近い存在” だと絶賛しているとか。

「俺が初めて聴いたロックン・ロールのレコードは、ビル・ヘイリーの<Rock Around The Clock>。あれはロックン・ロールなんだけど、本当のところはスウィングしていたんだよ」

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