michael gpnzalesmichael gonzales 2

イーストL.A.に拠点を置くスパニック系C.C.M.シンガー、マイケル・ゴンザレスが80年代に発表したレアな名盤『FIRE IN MY SOUL』(80年)と『MOUNTAINTOP』(83年)が、揃って25年ぶりのCD化。Cool Soundからの前回盤はいわゆる2in1だったので、単独CD化・紙ジャケでのリリースは初めてになる。収録時間が短いがゆえの2in1で、リーズナブルだったのは有難かったが、マニア目線ではできるだけオリジナル・リリースの体裁に近い方が喜ばれる傾向もあるので、買い直されるムキもいそうだ。もちろん持ってない方は、Must Buyです。

CCMでも大手ではなく、弱小レーベルからのリリースだったため、オリジナル盤はなかなかレア。でも探す価値は充分アリということで、この2枚はず〜っとマニア垂涎のネタだった。当人はアンドレ・クラウチの影響大というコトで、そのサウンドは緩やかなシティ・ソウル。歌声がなかなかに優しくて、ちょっと高め。軽くハネるAORが好きな人なら、イチコロのスタイルだ。

どちらもアレンジ&プロデュースは、CCMフィールドをメインとする鍵盤奏者/アレンジャー/プロデューサー、デヴィッド・ディグス。でもこの方、ギターも上手くて、グッド・ニュースというバンド時代にはラリー・カールトン張りのギターを聴かせたりも。またクインシー・ジョーンズのツアー・バンドでも活躍していたりで、守備範囲が広いというか、神出鬼没というか。CCM好きの間では、デヴィッド・ディグス・ワークスにハズレなし、とも言われる。

アルバムことに見ると、『FIRE IN MY SOUL』には、バド・ニュアネス、ケン・ワイルドというシーウインドのメンバーに、シーウインド・ホーンズのビル・ライチェンバッハの名が。バック・ヴォーカルには、アリーズのシンガーで後年<Butterfly Kiss>のソロ・ヒットを飛ばすボブ・カーライルもいる。実は彼、前述グッド・ニュースのシンガーだったのだ。全9曲中7曲がマイケルのオリジナルなので、曲作りの才にも恵まれた人だったのが分かるけれど、残る2曲のうち<Love Is Forever>は、かのビル・チャンプリンの1st『SINGLE(独身貴族)』からのカヴァー。<Wait For The Day>はグッド・ニュースの2nd収録曲だった。

やはりビル・チャンプリン提供曲<Thank You Jesus>で幕を開ける『MOUNTAINTOP』も、基本はマイケル自身の書き下ろしで構成。しかしこの年に初リーダー作を発表するキース・トーマスが2曲書いていて、一方はゲイリー・チャップマンのデビュー作からのカヴァー。コーラス陣にもビル&タマラ・チャンプリン、ロビー・デューク、リチャード・ペイジの弟デヴィッドらが参加し、ジョン・フェラーロ=ジョン・パティトゥッチのリズム隊がサポートしている。ギターのウェイン・ブラセル、キーボードのロブ・ワトソンは、パティトゥッチがいたタマラックのメンバー。若干リリジャス色の強い楽曲もあるが、やはりココでもマイケルの歌声はジェントル&ピースフル。

なおライナーは2枚とも、注目すべきシンガー・ソングライター/サウンド・クリエイターのイハラカンタロウ氏が執筆しています。

《amazon》
ファイア・イン・マイ・ソウル [初CD化][紙ジャケット仕様]
マイケル・ゴンザレス
Pヴァイン・レコード
2024-04-03

《Tower Records へはコチラから》

《amazon》
マウンテントップ [初CD化][紙ジャケット仕様]
マイケル・ゴンザレス
Pヴァイン・レコード
2024-04-03

《Tower Records へはコチラから》