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ビリー・ジョエルの出世作『PIANO MAN』の50周年記念デラックス・エディション3枚組(SA-CDマルチ4ch+CD+DVD)を遅ればせながら、17年ぶりの新曲<Turn The Lights Back On>の世界初CDリリースのタイミングで。『PIANO MAN』50周年盤は、発売から1ヶ月半が過ぎちゃっているけれど、まだ在庫があるところもあるようなので…。

リリースは73年。ニューヨーカーのイメージが強いビリーが、L.A.のピアノ・バーで歌っていた無名時代の頃を歌っている。その背景はココでは端折るけれど、フォークもカントリーもゴスペルも程よく取り入れた全方位型の作品で、プロデュースは同時期にケニー・ランキンやランディ・エデルマンを手掛けていたマイケル・スチュワート、アレンジにはマイケル・オマーティアンが起用されている。そうすれば参加ミュージシャンの陣容も自ずと決まって、ラリー・カールトン/ディーン・パークス (g) ウィルトン・フェルダー (b) らが名を連ねる。

SA-CDマルチ盤は、オリジナルの4chクアドラフォニック・マスターを2023年にDSDマスタリングしたもの。元が古い音源なので、そう凝った録音ではないが、その分ベースの伸びやピアノの余韻、スネアのスナッピーやシンバルの鳴りが、より生々しく響いてくる。また弦楽器は音の立ち上がりが良く、オーケストラは音像クッキリ。そしてどの楽器も存在感と立体感が増幅され、華やかさが増している。2chミックスは未確認だけれど、聴きやすくなっているのは間違いないだろう。

2枚目のCDは、Blu-Spec2仕様のレア・トラックス集。『PIANO MAN』関連の収録可能な音源が広く集められ、最新リマスターで収録された。目玉となるのは、75年の『ストリートライフ・セレナーデ・ツアー』からサンフランシスコのグレート・アメリカン・ミュージック・ホールでライヴ収録された5曲。これまでは21年にリリースされたアナログ・ボックス『THE VINYL COLLECTION Vol.1』に特典LPとして入っていただけで、抜粋ながらCD化は今回が初めてになる。とはいえこの特典ライヴは、ボックスから抜き出す形で、2枚組アナログ盤として『Live At The Great American Music Hall - 1975』として今月から単独発売。500人キャパの小さな小屋でのパフォーマンスなのに、オーディエンスの熱気が凄まじく、ビリーもリラックスしたステージを展開している。完全生産限定なので、ファンならどうぞ見逃さずに。他は72〜73年のデモが7曲あって、うち2曲が初CD化。72年のスタジオ・ライヴ3曲は、以前出た『PIANO MAN ~ Legacy Edition』で世に出ているが、<Captain Jack>の初期音源は米コロムビアとの契約のキッカケとなった貴重なヴァージョンだ。

DVDは『RARE VIDEO』と銘打たれているだけあって、11曲中8曲が初DVD化。中でも<Piano Man>は、 74年のオリジナル映像、86年発表のオフィシャル映像、76年と82年のライヴと4ヴァージョンも入っている。このうちオフィシャル映像以外の3ヴァージョンが初DVD化だ。77年に発売された初のビデオ作品『BILLY JOEL TONIGHT』からの4曲、<Piano Man><You’re My Home(僕の故郷)><The Ballad Of Billy The Kid> Captain Jack>も、DVD化は初めて。76,78,81,82,94年と、時代ごとのステージが垣間見られるのも楽しい。しかし、何より、デビュー・アルバム『COLD SPRING HARBOR』(71年)の収録曲<Everybody Loves You Now>のオフィシャル映像にビックリ。

もう手元に複数の『PIANO MAN』がある、という方も多いと思うが、これはまさにCDの決定版。新曲CDに『Live At The Great American Music Hall - 1975』のアナログと財布が大変だが、あるうちに買うときやぁ〜。

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2024-04-10

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