エヂ・モッタ系人脈を持つブラジルのメロウ・グルーヴ職人ルーカス・アルーダから、5年ぶりのアルバムが届いている。前作『ONDA NOVA』がメチャ良かった、というより、まぁまぁのデキだった13年のデビュー作『SAMBADI』から、15年2nd『SOLAR』、そして『ONDA NOVA』と三段跳びのような成長ぶりで。インスト中心のデビューからアルバムを追って歌モノ比重が高くなっていったのも、好感要素。合わせて70〜80年代サウンドへのオマージュも巧みになり、ストレートなカヴァーから、スタイルそのものの導入へと進化を遂げた。『ONDA NOVA』では、日本制作のベナード・アイグナー(<Everything Must Change>の作者)>のソロ・アルバムを模したアートワークで、マニア心のくすぐり方も心得ている。
かくして5年ぶりの4作目『OMINIRA』。“オミニラ”とは自由を意味するもので、ブラジルのアーティストがコレをいうと、音楽家も弾圧下に置かれた軍政時代をテーマにしたかと思ってしまうが、もっとピュアーに音楽的な意味合い、つまりブラジル音楽と欧米音楽のミクスチャーに、今回はアフリカのルーツ要素も取り込んだ、というコトらしい。実際オープニングの<Chante & Dance>は、プリミティヴなパーカッションのフェイド・インから始まるし。
でももうひとつ、再び初期のようなインストゥメンタル中心のフュージョン的作風に戻ったことも関わっているか。今回のヴォーカル・チューンは全9曲中3曲に過ぎず、他にはスキャットやコーラスをまぶしたトラックがいくつかある程度。しかも今作は、共作が3曲あるのを除くと、曲作りからアレンジ&プロデュースに至るまで、ルーカスが一人で手掛けている。ゲストらしいゲストは、エヂとも共演していたフラヴィア・Kが<Outras Dimensoes>でヴォーカル&ヴォーカル・アレンジを手伝っていること。
演奏面も同様で、ドラム以外は、ほぼルーカスのロンリー・プレイだ。これまで彼をバックアップしていた兄チアゴでさえ、<Projecoes>でギター・ソロを弾いているだけ。でもこの曲が結構ポイントで、実は完全にスティーリー・ダン<Aja>のオマージュなの。ふらふらと着地点を探すようなメロディに、ギター、サックスの何かを模索するようなソロ、一瞬だけ絡んでくる女性ヴォーカルで涼やかさを運んだかと思うと、そのまま消え入るように終わってしまう。でもこうした創作の自由度の高さが、“オミニラ” の象徴なのかも…。
インストが増えたからといって、小難しくなった印象はなく、従来ファンなら気に入ること請け合い。<Abraco Pro Ed>や<The Mountain>は確かにスキルフルなグルーヴ・チューンなれど、そのノリはジョージ・デュークやアジムスあたりを髣髴させるし、シンセの音は70's風。ミディアム・グルーヴのタイトル曲では、ロドニー・フランクリンを思い出した。その辺に反応しちゃう人は、きっと聴く価値大アリでしょう。
聞けば本人も「キャリアの新たな章の幕開けとなる最高のアルバム」と豪語しているとか。ちなみにライナーは『AOR Light Mellow Premium』シリーズの相方、福田直木です。
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《Tower Records はココから》
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でももうひとつ、再び初期のようなインストゥメンタル中心のフュージョン的作風に戻ったことも関わっているか。今回のヴォーカル・チューンは全9曲中3曲に過ぎず、他にはスキャットやコーラスをまぶしたトラックがいくつかある程度。しかも今作は、共作が3曲あるのを除くと、曲作りからアレンジ&プロデュースに至るまで、ルーカスが一人で手掛けている。ゲストらしいゲストは、エヂとも共演していたフラヴィア・Kが<Outras Dimensoes>でヴォーカル&ヴォーカル・アレンジを手伝っていること。
演奏面も同様で、ドラム以外は、ほぼルーカスのロンリー・プレイだ。これまで彼をバックアップしていた兄チアゴでさえ、<Projecoes>でギター・ソロを弾いているだけ。でもこの曲が結構ポイントで、実は完全にスティーリー・ダン<Aja>のオマージュなの。ふらふらと着地点を探すようなメロディに、ギター、サックスの何かを模索するようなソロ、一瞬だけ絡んでくる女性ヴォーカルで涼やかさを運んだかと思うと、そのまま消え入るように終わってしまう。でもこうした創作の自由度の高さが、“オミニラ” の象徴なのかも…。
インストが増えたからといって、小難しくなった印象はなく、従来ファンなら気に入ること請け合い。<Abraco Pro Ed>や<The Mountain>は確かにスキルフルなグルーヴ・チューンなれど、そのノリはジョージ・デュークやアジムスあたりを髣髴させるし、シンセの音は70's風。ミディアム・グルーヴのタイトル曲では、ロドニー・フランクリンを思い出した。その辺に反応しちゃう人は、きっと聴く価値大アリでしょう。
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フュージョン的なアプローチならば、もっとブラジリアンテイストを打ち出してほしいなと思ったり、ただのポップスになりかかってるやんと感じたりで...
歌入りは3曲ですかあ。インストだったらレベルの高い専門部隊がたくさんいるので負けちゃうのにどうなんでしょう...