yoshihiro naruse 5

ゴールデン・ウィーク最終日。でも自分にとっては、グレイト・ワーキング週間だな。毎年何処に出かけるでもなく、ダラダラ仕事をしてるけど、今年の忙しさはハンパなくて、ここ数年で一番。少し前まで余裕こいてて、AOR本が進められそうだな、なんて思ってらトンでもなくて、月半ばまで締切ラッシュ。いえいえ、とっても有り難いんコトなんですけど。

…とはいえ情報解禁前のタマも多いようなので、ちょっとだけ匂わせ程度に。今日聴いているのは、現カシオペア P4で、チョッパーズ・リヴォリューションでも活躍しているナルチョの、86年ソロ5作目。今ではブリブリ・バリバリのパワー・スラップがトレードマークだけれど、自分が知ったのは金子マリ&バックスバニーの時だったから、ちょっとイメージが違うんだな。

81年から年1枚ペースで出してきたそれまでのソロ作群は、如何にもベース・プレイヤーのソロ・アルバム然としていた印象。だけどこのアルバムは少し違っていて…。それはkyd奏者の緒方泰男とのコラボ作品のような体裁になっているからで、ナルチョと緒方がそれぞれ3曲ずつ曲を持ち寄り、さらに2人の共作を3曲と、完全に対等な立場にある。緒方は山下達郎や吉田美奈子のごく初期のバンド・メンバーだった人で、なかなか得難いプレイヤーだった。個人的にはフェンダー・ローズのプレイが印象に残っているけれど、ココでは時節柄シンセが中心。でも下手に分厚くせず、キラキラした透明感を保っているのは、この人のセンスなんだろうな。

シンガーとして井田リエ、高村亜留、VOW WOWの人見元基、それに元レイディオで当時日本在住だったデレク・ジャクソンも(本来はベースだけど歌もうまい)。またChar、サックスの本多俊之なんてゲストも。他にも斉藤英夫 (g) 岡本郭男 / そうる透 (ds) らの名も。ベース・プレイによる表現だけじゃなく、シッカリと楽曲を聴かせるコンセプト。まったくもって多彩な人です。

STIMULUS
鳴瀬喜博
ビクターエンタテインメント
2016-08-24