
行きたいライヴやご招待にもロクに対応できず、絶賛締切消化中。フランスのAORユニット:ナイトシフトの16年ぶりのニュー・アルバムが出るので、そのライナー執筆準備で久々にコレ、ルイス・レイクが16年にリリースしたワン&オンリー作を聴き直している。ルイス・レイクはナイトシフトの片割れ、ジェローム・ブーレの実質的ソロ・プロジェクト。ナイトシフトの相方は、言わずと知れた(?)ガイスターことガエル・ベンヤミン。今回のナイトシフト新作は、23年6月にジェローム・ブーレが逝ってしまったため、ガエルがトリビュートの意を込めて、手元に残っていたデモ音源からジェロームのヴォーカルやギターを抜き出し、それをアルバムに仕上げたモノなのである。
ガエルは年に複数のアルバムを作ってしまうような多作家だが、ジェロームはジックリと時間を掛けて制作に臨むタイプ。ナイトシフトで『FULL MOON』を出して以降、ずっと沈黙を守っていたが、実際は10年頃からこの新しいプロジェクトに取り組んでいたらしい。プロジェクト名は、どこかの湖の名前ではなく、意外にもキング・クロムゾンやエマーソン・レイク&パーマーで活躍したグレッグ・レイクから。そこにジェロームが好きなファースト・ネーム、 “ルイス” を掛け合わせた。グレッグ・レイクはソロ・シングル<夢見るクリスマス>を全英2位の大ヒットにしていて、現在もクリスマス定番曲になっている。プログレでしか語られない日本とは違って、ソロ・アーティストとして認知度が高いのだ。
ガエルとジェロームが組んだのは、米国ウエストコースト・サウンドへの憧れを共有したからだったが、ジェロームはプログレも大好きで、イエス、ジェネシス、ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、アラン・パーソンズ・プロジェクトあたりからの影響を語っている。それはこの『TALES FROM THE MAGIC SUN』にも色濃く現れていて。
「音楽の質感(テクスチャー)や雰囲気(アトモスフィア)に深みを持たせたかった。このアルバムのサウンドは、僕の音楽の2大影響源であるウエストコーストとプログレの間を行き来する旅みたいなものなんだ」
…とは言いつつ、ダフト・パンクやタキシードに通じる80’sブギー・スタイルを拝借している楽曲もあるのが今風。スクイーズするエモいギターは、AOR系でいえばエイドリアン・ガーヴィッツっぽい。それを本人にぶつけると、こんな返事が。
「ありがとう、嬉しいよ! エイドリアン・ガーヴィッツは大好きなんだ。歌声もいいし、コンポーザーとしてもギタリストとしても素晴らしいよね。彼の大ヒット曲<Classic>は、子供の頃にすごく印象に残った1曲だよ。でも好きなギタリストを一人挙げるとしたら、イエスのスティーヴ・ハウになるね」
あらら、結局そこへ戻ってしまうのネ
このアルバムにも参加していたガエルに拠ると、ジェロームが重病に見舞われたのは2020年のこととか。その後パリから故郷に戻り、療養生活を送っていたという。最後に電話で話したのは、亡くなる2か月前。ガエルにとっては双子の兄弟みたいな存在で、精神的な繋がりが深かったそうだ。
まだリリースしたばかりの『LIght Mellow Searches 〜Brand New Sprouts』には収録できなかったけれど、未聴の方は、間もなく登場するナイトシフトのニュー・アルバムの前に、是非チェックを。
ガエルとジェロームが組んだのは、米国ウエストコースト・サウンドへの憧れを共有したからだったが、ジェロームはプログレも大好きで、イエス、ジェネシス、ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、アラン・パーソンズ・プロジェクトあたりからの影響を語っている。それはこの『TALES FROM THE MAGIC SUN』にも色濃く現れていて。
「音楽の質感(テクスチャー)や雰囲気(アトモスフィア)に深みを持たせたかった。このアルバムのサウンドは、僕の音楽の2大影響源であるウエストコーストとプログレの間を行き来する旅みたいなものなんだ」
…とは言いつつ、ダフト・パンクやタキシードに通じる80’sブギー・スタイルを拝借している楽曲もあるのが今風。スクイーズするエモいギターは、AOR系でいえばエイドリアン・ガーヴィッツっぽい。それを本人にぶつけると、こんな返事が。
「ありがとう、嬉しいよ! エイドリアン・ガーヴィッツは大好きなんだ。歌声もいいし、コンポーザーとしてもギタリストとしても素晴らしいよね。彼の大ヒット曲<Classic>は、子供の頃にすごく印象に残った1曲だよ。でも好きなギタリストを一人挙げるとしたら、イエスのスティーヴ・ハウになるね」
あらら、結局そこへ戻ってしまうのネ

このアルバムにも参加していたガエルに拠ると、ジェロームが重病に見舞われたのは2020年のこととか。その後パリから故郷に戻り、療養生活を送っていたという。最後に電話で話したのは、亡くなる2か月前。ガエルにとっては双子の兄弟みたいな存在で、精神的な繋がりが深かったそうだ。
まだリリースしたばかりの『LIght Mellow Searches 〜Brand New Sprouts』には収録できなかったけれど、未聴の方は、間もなく登場するナイトシフトのニュー・アルバムの前に、是非チェックを。