15時半、久々にDJ OSSHYさんのInter FM『RADIO DISCO』にゲスト出演させていただき、コンピレーション『Light Mellow Searches ~ Brand New Sprouts』と、連動キャンペーン:カタログ・リスト・プレゼントのプロモーションを。久々にOSSHY・SAYOKOの名コンビにお会いし、楽しく喋ってきました。番組内ではご紹介できませんでしたが、メッセージをお寄せいただいた方々、そしてオンエアを聴いて戴いた皆さま、どうもありがとうございました。そしてその後は新宿で相方と合流し、相方たっての希望で上映がスタートしたばかりのプリンス『BEAUTIFUL STRANGE』を観に。
そもそもプリンスに関しちゃ、それほど熱心なファンというワケではない自分。それでも一応、生前に出ていたオリジナル・アルバムはひと通りチェックしていたし、特に80年代のアルバム、すなわち『CONTROVERSY』から『BATMAN』サントラあたりまでは、それなりに聴き込んでもいた。急逝する2年前のエッセンス・フェスティヴァル出演@ニューオリンズも観ている。だけどこのドキュメンタリーは、ちょっとビミョー。イヤイヤ、ドキュメンタリーとしての内容は悪くないのよ。ただ映画としては盛り上がらないというか、かなり小振りというか。実際の上映時間も70分に満たないし、このスケール感だったら、映画じゃなくて、1時間モノのTVドキュメンタリーでちょうど良かった、という感覚がある。
そもそもスタートして一番最初に登場するのが、“プリンス・ロジャース・ネルソン財団とは無関係”という注釈。ロクに前情報を仕入れてなかったので、エ、エ、どういうコト?なんて思ってしまった。つまり、プリンスの遺族や著作権管理団体とは無関係の未公認作品であり、プリンスの楽曲や映像の類いは一切使われていない。唯一、モントルー・ジャズ・フェスティバル出演時のライヴ映像が登場するが、それも1曲フル尺で流れるのではなく、ごく断片的な使用に止まる。だからプリンスの音楽やステージを映画館の大スクリーンで楽しむ、というものではなく、既にプリンスのファンの人が、彼の実像や音楽的ルーツを深く知るためのドキュメンタリーになっているのだ。
だから、映画作品としてのハイライト的シーンはまったくナシ。主な構成は、スチール写真や各種映像、プリンス関係者やミュージシャン、旧友、ファンなどへのインタビューなどで、ある意味ワイドショー的なノリで進行していく。その分、字幕の文字量が多くて、特にアチコチに字幕が同時出てきたりもするから、正直自分はヒドく疲れてしまった。
それでもドキュメンタリーの内容には、興味深いことや初めて知るエピソード多々。彼が育ったミネアポリス北部の人種差別がそれほどヒドいものだったことは知らなかったし、かの地の黒人文化の中心だったコミュニティ・センター:ザ・ウェイがプリンスの心の拠り所だったことも知らなかった。チャカ・カーンと親しかったことは想像ついたが、プロ・デビュー前に「スライ・ストーンです」と偽って彼女を呼び出すほどの熱烈なファンだったとは驚き メイシー・グレイやオリアンティはまだしも、ZZトップのスティーヴ・ギボンズ、ゲス・フー/バックマン・ターナー・オーヴァードライブのランディ・バックマンの登場などは謎で、もっと語らせるべきミュージシャンが多数いたと思う。が、その辺はやはり、財団からの横槍とか忖度とか、あったのかな? 本作が未公認なのは、財団が承認しているドキュメンタリーがNetflixで制作中だからと思われるが、あちらは発表から数年かかっても未だ完成には至らず、公開時期も決まっていないらしい。
極端にシャイな性格が、逆に負のエレルギーを生み、それが音楽の量産と孤高の存在感に繋がっていたプリンス。しかし地元に作った自身の城ペイズリー・パークでは、関係者や地元の友人、熱心なファンなどを集め、プライヴェートなライヴを行なったりしていた。そうした、ミステリアスと言われ続けた彼の素顔を垣間見せている点では、オフィシャルではない分、自由度が高かったかもしれない。
クイーン『BOHEMIAN RHAPSODY』みたいな感動や衝撃は全然ナイので、プリンス入門にはまったく不向き。でもある程度彼のことを知っていて、より深く掘り下げたい、ルーツを知りたい、そんな真面目な中上級ファンには価値のあるドキュメンタリーと言えそうだ。
《amazon》
《Tower Records がここから》
そもそもスタートして一番最初に登場するのが、“プリンス・ロジャース・ネルソン財団とは無関係”という注釈。ロクに前情報を仕入れてなかったので、エ、エ、どういうコト?なんて思ってしまった。つまり、プリンスの遺族や著作権管理団体とは無関係の未公認作品であり、プリンスの楽曲や映像の類いは一切使われていない。唯一、モントルー・ジャズ・フェスティバル出演時のライヴ映像が登場するが、それも1曲フル尺で流れるのではなく、ごく断片的な使用に止まる。だからプリンスの音楽やステージを映画館の大スクリーンで楽しむ、というものではなく、既にプリンスのファンの人が、彼の実像や音楽的ルーツを深く知るためのドキュメンタリーになっているのだ。
だから、映画作品としてのハイライト的シーンはまったくナシ。主な構成は、スチール写真や各種映像、プリンス関係者やミュージシャン、旧友、ファンなどへのインタビューなどで、ある意味ワイドショー的なノリで進行していく。その分、字幕の文字量が多くて、特にアチコチに字幕が同時出てきたりもするから、正直自分はヒドく疲れてしまった。
それでもドキュメンタリーの内容には、興味深いことや初めて知るエピソード多々。彼が育ったミネアポリス北部の人種差別がそれほどヒドいものだったことは知らなかったし、かの地の黒人文化の中心だったコミュニティ・センター:ザ・ウェイがプリンスの心の拠り所だったことも知らなかった。チャカ・カーンと親しかったことは想像ついたが、プロ・デビュー前に「スライ・ストーンです」と偽って彼女を呼び出すほどの熱烈なファンだったとは驚き メイシー・グレイやオリアンティはまだしも、ZZトップのスティーヴ・ギボンズ、ゲス・フー/バックマン・ターナー・オーヴァードライブのランディ・バックマンの登場などは謎で、もっと語らせるべきミュージシャンが多数いたと思う。が、その辺はやはり、財団からの横槍とか忖度とか、あったのかな? 本作が未公認なのは、財団が承認しているドキュメンタリーがNetflixで制作中だからと思われるが、あちらは発表から数年かかっても未だ完成には至らず、公開時期も決まっていないらしい。
極端にシャイな性格が、逆に負のエレルギーを生み、それが音楽の量産と孤高の存在感に繋がっていたプリンス。しかし地元に作った自身の城ペイズリー・パークでは、関係者や地元の友人、熱心なファンなどを集め、プライヴェートなライヴを行なったりしていた。そうした、ミステリアスと言われ続けた彼の素顔を垣間見せている点では、オフィシャルではない分、自由度が高かったかもしれない。
クイーン『BOHEMIAN RHAPSODY』みたいな感動や衝撃は全然ナイので、プリンス入門にはまったく不向き。でもある程度彼のことを知っていて、より深く掘り下げたい、ルーツを知りたい、そんな真面目な中上級ファンには価値のあるドキュメンタリーと言えそうだ。
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取敢えず「トノバン」観てから考えます。